北海道

川又温泉 (川又温泉)

単純硫黄泉?

北海道登別市鉱山町
野湯
無料
24時間 (日中でないと危険)

登別市にある野湯です。
今回の北海道遠征は金華湯に入る事がメインでしたが、この川又温泉も金華湯と同じくらい楽しみにしていた温泉です。

.

登山口の手前まで車で行けて、そこからゆっくり歩いても30分弱で到着です。
金華湯と比べると難易度は遥かに低く行きやすいです。

とは言え、あくまで金華湯と比較したらの話。
普段旅館などの温泉ばかりに入っている私からしたら、ちょっとした運動です。
最初のうちはハイキングコースのような歩きやすい道で、丁寧に看板まで設置されています。

でも、途中から道がどんどん細くなっていきます。
暫くすると川に出ます。鷲別来馬川と言うそうですが、この辺りまで来るとほとんど道はありません。
大きな岩だらけの河原を歩いたと思ったら、その川を渡って対岸に出たりします。
橋なんて気の利いたものはありませんので、川の中に足を入れてザブザブと渡河する事になります。

こうなってくると、割と本格的な山歩きですね。
Tシャツ短パンでサンダル履き、片手には桶なんて恰好だと危険です。
高低差はあまりありませんし、滑落を心配するような危険個所もありませんので、行こうと思えば誰でも行ける所ですけど、ある程度ちゃんとした登山装備をしておいた方が無難です。

もちろんこの一帯もヒグマの生息地ですので、対策はしてきました。
金華湯でも活躍したオモチャの火薬鉄砲をバンバン鳴らしながら進みます。
いざとなったらの熊よけスプレーも装備。
幸いにしてヒグマには遭遇しませんでしたけど、用心するに越した事ありませんからね。

.

そんなこんなで到着した川又温泉。
事前に写真などを見て雰囲気は知っていましたが、やっぱり実物を見ると違いますね!
大自然の中の川沿いに、ポツンと湯舟がひとつ。
周囲には何もありません。
かつては脱衣所があったそうですが、どうやらその脱衣所は取り壊されたようで、脱衣所に使われていたであろう木材が無造作に積まれていました。

まぁ、あくまで野湯ですから、何も無いのが当たりまえ。
むしろ、ちゃんとした形で湯舟があって、先人が置いて行ったであろう人工芝のマットもあり、野湯にしてはとても快適です。
誰かに見られる訳でも無し、服はそのへんでテキトーに脱ぎ散らかしました。

さて、待望のお湯。無色透明で澄んだお湯です。
温度は体温よりも少し低くて、35度あるか無いかと言うくらいのぬる湯です。
この日はそれなりに暑い日だったので、このぬる湯がちょうど気持ち良いです!
ほんのり甘い硫黄臭があり、肌触りは少しだけツルツル感があります。
お湯に浸かってじっとしていると、体中が泡に包まれます。お湯の鮮度も抜群に良いです!

湯口は湯底です。
なんとこの川又温泉は足元自噴!
しかも、かなりの湯量があり、湯底の砂がモコモコと動いていて湧出箇所がハッキリと分かります。
それと一緒に気泡も絶えず上がってくるので、入っていて気持ちが良いですし、見ているだけでも楽しめます。

定期清掃などはされていない野湯ですが、これだけの湯量ですから、お湯はとても綺麗です。
湯舟から溢れたお湯は、そのまま川に流れ去っていくのですが、湯舟と川の間がちょっとした小川のようになっていました。
湯舟の大きさに対する源泉投入量で言ったら、全国屈指のレベルと思います。

それにしても気持ちが良い!
で、実はこのお湯、入った瞬間から感じていた事ではあるのですが、私が大好きな鹿児島の温泉、湯川内温泉のかじか荘にそっくりなんですよね!
気泡がポコポコと出て来る足元自噴で、湯量豊富、甘い硫黄臭、泡付きのある鮮度抜群の温いお湯。
うん、これはまさにかじか荘のお湯だ!

思わず案内してくれたOさんに「このお湯、かじか荘だよね! そっくりだよね!」なんて、興奮気味に語ってしまいました。
Oさんは「似ているね」と同意してくれましたが、今考えてみたら、わざわざ北海道まで来て貴重な野湯に案内してあげたのに、このお湯はかじか荘だと騒いで喜んでいた私を見て、どう思われた事でしょう・・・ (;^ω^)

北海道と鹿児島、日本の端から端くらいに離れていますし、もちろん全く別の温泉なのですが、旧友に会えたような、懐かしい気分に浸る事が出来ました。

.

北海道の大自然に囲まれた、素晴らしい野湯です。

最後にこんな事を書くのもですけど、私は野湯って苦手なんですよね。
行くの面倒だし、脱衣所無かったりして不便だし・・・
でも、そんな私でも、この川又温泉はとても気に入りました!
何事も食わず嫌いは良く無いですね。

私みたいに「野湯はちょっと・・・」なんて言っている人にも、是非とも入ってみて欲しい、最高の温泉でした。

.

2023年 9月3日 - 初訪問・日帰り入浴

コメント