ナトリウム-炭酸水素塩泉
(源泉名:土湯温泉山根屋1号井)
60度 / ph7.0 / 動力揚湯 / 毎分93.8L / R3.12.8
Na+ = 229.9 / Mg+ = 4.9 / K+ = 11.8 / Ca+ = 20.3
Mn+ = 0.1 / Fe+ = 0.1
F- = 1.0 / Cl- = 74.7 / SO4– = 66.6 / HCO3- = 489.6
H2SiO3 = 83.4 / HBO2 = 21 / CO2 = 132.1
成分総計 = 1136mg
単純温泉
(源泉名:土湯温泉 [2号泉、15号泉、新1号井、16号泉] の4源泉の混合泉
60.4度 / ph7.2 / H19.6.6
Li+ = 0.3 / Na+ = 73.8 / Mg+ = 0.9 / K+ = 12.6 / Ca+ = 13.2
NH4+ = 1.8 / Sr+ = 0.1
F- = 2.1 / Cl- = 55.3 / SO4– = 95.4 / Br- = 0.2 / NO2- = 0.5
NO3- = 0.3 / HCO3- = 51.9
H2SiO3 = 55.5 / HBO2 = 15.3 / HAsO2 = 0.6 / CO2 = 8.4
成分総計 = 421.2mg
福島県福島市土湯温泉町油畑3
024-595-2116
男女別内湯、露天風呂、貸切風呂
日帰り入浴のみ不可
中国の武漢で発生したコロナウイルスの影響で、なかなか会う事の出来なかった東北の温泉友達から、久しぶりにオフミのお誘いを受けました。
集合場所は花巻南インターで、朝の8時30分だそうで、自宅からだとおよそ500km程の場所です。
休憩をせずにぶっ通しで走ったとしても、夜中の3時頃に家を出なければ間に合いません。
そこで、少しだけ北上した所で前泊する事にしました。
色々と候補地を探して最終的に決めたのがここ、土湯温泉の山根屋旅館です。
本当はもっと花巻から近い所が良かったのですが、この日は動けるのが午後からだったので、遠すぎても辿り着かないんですよね。
土湯温泉は自宅と花巻の中間位の場所にあって、ちょうど良かったのです。
もうひとつは、この山根屋旅館さん、日帰りでは入浴出来ません。
温泉に入りたいのであれば、宿泊するしかないんですよね。
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と言う訳で、自宅から片道でおよそ3時間、山根屋旅館さんに無事到着。
余談ですが、紅鮭と子供達は自宅に残しての独り旅です。
紅鮭と子供達に「パパだけずるい~!」と言われながら見送られてきました。
本当は一緒に来たかったんですけどね、長女の夏期講習と予定が重なってしまったので、仕方がありません。
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そんなこんなで辿り着いた山根屋旅館さん、土湯温泉街のほぼ中心に位置していて、とても立派なお宿です。
宿の前に傾斜があり、私がバイクをどう停めたものかと難儀していたら、お宿の人が「あちらの方が平坦で停めやすいですよ」と丁寧に案内してくれました。
とてもオシャレで素敵なお宿です。
玄関先には土湯こけしが飾られていました。
こけしって、なんか、見ていると無性に欲しくなるんですよね~
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エントランスも素敵でしたが、お部屋の方もなかなかです!
今回私が利用したお部屋ですが、素泊まりで1泊1万円です。
素泊まりですよ!? スゲー高い!!!
本当は9千円のもう少し安い部屋があったのですが、それにしたって高いです。
実は、某ネット予約サイトの期間限定ポイントがちょうど1万円分あって、それが今月いっぱいだったのです。
使わなければ無駄になるので、使い切る為にグレードアップした部屋にしてみました。
こんなに良いお部屋を、私一人で使ってしまってスミマセンって気分です。
寝室がちゃんと別になっているのも良いですね!
いつもであれば、食い散らかしで散乱するテーブルを端に寄せて、ギリギリの隙間に布団を配置して、子供達に蹴飛ばされながら寝るのですが、誰にも邪魔される事無く広々と寝れるのが嬉しいです。
ガラス戸も可愛らしいです。
窓を開けると目の前には川が流れていて、その川向の旅館とコンニチワって感じのロケーションでしたが、まぁ、悪くはありませんね。
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肝心のお風呂ですが、もちろん男女別です。
大浴場と中浴場があり、時間帯による入れ替えです。
最初に入ったのは大浴場。
脱衣所から入って目の前にあるのが、アメーバ状の広々とした湯舟です。
左手側に岩で組まれた湯口があり、そこから熱い源泉が注がれています。
そのため、左側が少し熱めで、湯口から遠ざかる右側が温めになっていました。
途中で加水もされているのですが、湯口からの距離で温度調整しているのは珍しいですよね。大きな湯舟だから出来る芸当です。
お湯は湯底が見える程度の笹濁りで、光の加減かも知れませんが、少しだけ緑色に見えます。
僅かですが茶色と黒の湯花も舞っていました。
ほんのり硫黄臭とアブラ臭、それに臭素臭のような特徴的な成分臭が加わります。
肌触りはトロトロ。
実は土湯のお湯って久しぶりに入ったんですよね。
アレ!? こんなに良いお湯だったっけ!?
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大浴場にはもうひとつ、アメーバ湯舟の脇にあって目立ちませんが、円形の湯舟もあります。
こちらに張られているお湯もアメーバ湯舟と同じ源泉です。
ただ、お湯の印象は断然こちらの方が濃いです。
温度は44度前後で熱め。硫黄臭と臭素臭のような成分臭も強いですが、それ以上に感じたのがアブラ臭です。アメーバ湯舟のお湯よりも強いんですよね!
湯舟の形状もレトロで何とも素晴らしいです。
ずっと入っているとグッタリして来るので、お湯に浸かっているよりも湯舟の横で座り込んでいる時間の方が長かったですが、たまに掛け湯をして汗を流すだけでも全身がアブラ臭に包まれて幸せを感じる事が出来ます。
脱衣所には「油の様な匂いがする場合がございますが・・・」と言う張り紙がされているんですよね。アブラ臭がするお湯が沸く事から、町名も「油畑」なのだとか。
土湯温泉にアブラ臭の印象は無かったので、このお湯には本当に驚きました!
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内湯からは露天風呂に出る事もできます。
岩風呂がひとつあり、洗い場等はありません。
屋根が掛かっていて樹々にも覆われているため、眺望はありません。でも、これはこれで素晴らしい風情で、とても落ち着ける造りです。
こちらに張られている源泉は内湯とは異なる単純温泉です。
内湯に使用されているお湯は山根屋さんの独自源泉ですが、この露天のお湯は共同浴場などでも利用される共有源泉みたいですね。
お湯の特徴としては、無色透明で、内湯と同じように茶色と黒の湯花が舞っています。
ハッキリと分かる硫黄臭に加えて、ガス臭のような臭気が混じります。
一言で言ってしまうと、素晴らしいお湯です。
内湯と異なるのは、このお湯からはアブラ臭が無いのですが、それはそれとして、素晴らしいお湯です。
これほどまでに硫黄臭が強くて、個性のあるお湯が、なにがどうして単純温泉なのか理解に苦しみます。
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19時30分以降は、大浴場と中浴場が男女で入れ替わります。
折角なので、中浴場の方も利用してきました。
中浴場にも内湯と露天があります。
大浴場と比べて、分かりやすい違いとしては、浴室の広さです。
中浴場の方も十分な広さがありますが、大浴場がかなり広々としていたので、だいぶ狭く感じてしまいます。
もうひとつの違いは、大浴場には湯舟が2つありましたが、中浴場にはひとつしかありません。
大浴場にあった円形湯舟がありません。
内湯のお湯は大浴場のアメーバ湯舟と同じ印象です。
ふんわりと香る硫黄臭と臭素臭、それにアブラ臭が加わります。
加水で温度調整されており、少しぬるめなので入りやすいのは嬉しいですが、加水のし過ぎでしょうか、お湯の表面は適温ですけど底の方がだいぶ温くなっていました。
大浴場にあった円形湯舟のお湯と比べてしまうと、別物と言って良い程に薄いお湯です。
加水される前の、原液って感じの濃さを感じる円形湯舟のお湯の方が好きです。
大浴場には女湯の暖簾が下がっていて、もう戻る事が出来ないのが残念。
でも、温いお湯は体への負担は少ないですし、これはこれで気持ちが良いんですよね。
大浴場の円形湯舟を知らなければ、これはこれで素晴らしいお湯です。
なんだかんだで、出たり入ったりしながら、ゆっくり湯浴みを楽しみました。
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中浴場で気に入ったのは、内湯ではなく、露天の方だったりします。
使用されている源泉は大浴場の露天と同じで、土湯共有源泉の単純泉です。
このお湯、不思議と体に馴染むんですよね。
こちらも、源泉温度が高いため加水されています。
加水なんて、しないで済むならばそれに越したことありませんが、温度が高すぎても疲れちゃいますし、多少温い位の方がゆっくり寛げるんですよね。
露天全体が薄暗くて雰囲気が良いのも、とても落ち着けて良い感じです。
ふんわりと優しい硫黄臭を嗅ぎながら寛いでいると、今日はこのままここで一晩明かそうかな?って気分にすらなってきます。
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ちなみに内湯と露天のそれぞれのお湯ですが、加水されていてもしっかり特徴を感じるものでした。
とても力強いお湯でしたので、さぞかし濃いお湯だと思って、部屋に戻って成分表を見たら驚きました。
内湯の独自源泉は成分総計で約1100mgほどです。露天の単純温泉に関してては総計でわずか400mg程度しかありません。数字で見るとかなり薄いお湯なのです。
でも、「ちょっとぬる過ぎじゃない!?」って位に加水しているにも関わらず、誰が入っても「これは温泉だ!」って分かるだけのアブラ臭や硫黄臭がしっかりと残っているんですよね。
もうひとつ不思議なのが、硫黄臭のあるお湯なのに、成分表を見る限りではどちらの源泉にも硫黄成分が含まれていない事になっているのです。
ん~・・・
温泉めぐりをしていると、たまに「この成分表に書かれている内容、ぜったいウソでしょ~!?」って疑いたくなるのがありますが、ここのお湯がまさにそれです。
これだけハッキリと特徴のあるお湯が、こんなに薄いはずありません!
少なくとも、硫黄成分が0mgだなんて、これだけプンプンと香っているのに、あり得ないと思うんですけど・・・!?
もう一度検査して欲しいくらいです。
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まぁ、これは完全に私の持論ですが、成分表の数値なんて、意識高い系のラーメン屋が熱く語る蘊蓄や苦労話みたいなものだと思っています。
長ったらしい泉質名なんて、良い温泉だと思いこませるためのスパイスでしかありません。
温泉は結局のところ、実際に入ってみて気持ちが良いかどうかに尽きます。
胸を張って言いますけど、この山根屋さんのお湯は本当に素晴らしかったです!
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と言う事で、ひとしきり満足して、部屋に戻り、備え付けの冊子を見ていると・・・
ん!? ナンダコレ!?
湯治の湯として多くのリピーターがいる「上の湯」なんてのがあるらしいです。
詳しくはフロントスタッフまでとあったので、慌てて聞きに行ってみました。
対応して下さったのは女将さんです。
なんでも、足元自噴のお風呂で、貸切風呂として利用しているのだとか!
それは是非是非、絶対に入りたい!
でも、残念ながら、湯温が低いので夏季しか入る事が出来ないそうで、この日は温度が低いので利用出来ないとの事でした。
ナンテコッタイ!
何でも、震災以降温度が上がり難いそうですね。地震が多い年は温度が高くなりやすいのだそう。
だいたい8月~9月位は入る事が出来るみたいでね。
ちなみに私が泊まったのは7月も間もなく終わる28日。
泊まるのがあとちょっとだけ遅かったらと思うと、悔しくてなりません・・・ (´;ω;`)ウゥゥ
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なにはともあれ、足元自噴の上の湯無しでも素晴らしい温泉でした。
それだけに、足元自噴も入る事が出来ていれば非の打ち所無しだったのに・・・ と思います。
女将さんいわく、「事前に電話でご連絡頂ければ、上の湯に入れるかどうかお伝え出来ますよ」との事だったので、次回はちゃんと確認をしてからお邪魔したいと思います。
・・・我が家的には、素泊まりでも9000円からって、かなり高いんですけどね。
仕事頑張ろうっと。 (;^ω^)
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2023年 7月28日 - 初訪問・宿泊(素泊まり)
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