アルカリ性単純温泉
(源泉名:湯本温泉 白石地蔵の湯)
(台帳番号 湯元第83号、98号混合泉)
57.9度 / ph7.3 / H30.7.11
Li+ = 0.02 / Na+ = 296 / Mg+ = 0.05 / NH4+ = 0.75 / K+ = 3.43
Ca+ = 29.8 / Al+ = 0.03 / Sr+ = 0.13
F- = 0.86 / Cl- = 305 / Br- = 0.79 / OH- = 0.27 / SO4- = 245
NO3- = 0.01 / HCO3- = 34.2 / CO3- = 4.13 / HSiO3- = 12.1
SiO3- = 0.04 / BO3- = 8.47
H2SiO3 = 38.7 / HBO3 = 8.67 / CO2 = 0.03
成分総計 = 989mg
神奈川県足柄下郡箱根町湯本777
0460-85-6121
男女別露天風呂?、貸切内湯、足湯
大人 900円、子供 400円
貸切風呂 1000円(45分) / 足湯 200円
10:00 ~ 20:00
今でも仲良くさせて頂いている方の多くが、湯めぐりを始めて間もない頃に出会った方達です。
私が本格的に温泉めぐりをするようになって、もう15年以上経ちますので、もう長い付き合いになりましたね。
さすがに15年も経てば、お互いに歳を取ったなぁと感じる時があります。
お世辞で「まだまだ若いですね!」なんて言う事はありますが、毎日着実に確実に老けて行くのは、これはもう仕方が無い事ですからね。
でも、その中のおひとり、青森に住むHさんと言う方がいるのですが、この方は全くそんな事を感じさせません。
それどころか、会うたびに若くなっているような気がするほどです。
なんとそのHさん、親子で富士山に登るのだとか。
よく富士山なんて登る気になるなぁ~
私も誘われましたが、とてもとても、迷う暇も無く断りましたけどね・・・ (;^ω^)
Hさんは富士山に登る前日に箱根に前泊をするそうで、折角なので私もご一緒させて頂きました。
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投宿先は、箱根湯本にあるカッパ天国と言うお宿です。
同じく温泉仲間のYさんが手配してくださいました。
場所は箱根湯本駅のすぐ真裏、切り立った崖の斜面にあります。
昔からある宿なので、温泉めぐりをしている人には行っていて当たり前に近い宿なのですが、私は初めてお邪魔しました。
駐車場にバイクを停めて「この階段を上る」と書かれている通りに階段を上っていきます。
途中でなだらかな坂になるので、お宿はもうすぐそこかな? と思いきや・・・
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また階段です。
たいした段数ではありませんし、疲れる程ではないです。
でもこの日は蒸し暑かったので、妙につらく感じてしまいました。
そんなヘタレなワタシですので、富士山には行かないで正解ですねw
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受付は山小屋って感じです。
宿泊の出来るお宿なのですが、日帰り入浴や食堂にも力を入れている様子。
ごめんくださ~いと呼びかけると、お宿のご主人が食堂の方から出て来られました。
食事をしている人に「ごめんごめん、宿泊の人来たから、ちょっと待っててね!」なんて声を掛けていましたので、常連のお客さんでも来ていたのかな?
そのご主人にお部屋を案内して貰ったのですが、このお部屋もなかなか面白い所にあります。
今さっき階段を上って来たばかりだと言うのに、フロントから階段を降りて、廊下を歩いて、そのまま建物の外へ。
建物の裏手にある細い通路を抜けると、今にも崩れ落ちてしまうのではと言うような階段があり、それを更に降りて行きます。
なんだか、千と千尋の神隠しにあったワンシーンを思い出しました。(千尋が崩れ落ちる階段を駆け下りて釜爺に会いに行く場面)
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さて、そんなで辿り着いた部屋ですが、建物としては別館になるのかな?
フロントとは別の建物です。
今回はHさん親子と、私とYさんの、2部屋を確保。
布団は予め敷かれていて、ベッドもあります。
質素ながら、広々としていて快適な部屋です。
窓の外からは箱根湯本の駅を見下ろす事が出来ます。
角部屋のHさん親子部屋からはこのお宿の足湯も見下ろす事が出来ます。
駅を上から見下ろしても、あまり面白い風景ではありませんが、眺望はそれなりに良いですね。
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お風呂は男女別の露天風呂と、貸切湯、足湯があります。
まずは露天風呂へ。
部屋からだと来た道をフロントまで戻って、そこから更に階段を上った先にあります。
斜面に建つお宿なので仕方が無いですけど、どこへ移動するにも階段があるのが凄いです。
ここで働いていたら良い運動になるでしょうね!
男女別の暖簾があったので、やっと温泉かと思ったら、そこから更に階段が!
その先に脱衣所があったのですが、思わず息を飲んでしまいました。
ここは本当に箱根でしょうか!?
いまどき東北の湯治場ですらなかなかお目に掛かれないような、すごく素朴で、物凄く私好みな風情なのです。
脱衣所だけでもノックアウトしそな程に素晴らしいのですが、お風呂はもっと素晴らしいです!
つげ義春の漫画にそのまま出て来そうな光景です。
もう一度書きますけど、ここは本当に箱根でしょうか!?
まるでどこかの山奥にある鄙びた湯治場です。
箱根の中で、ここだけが50年くらい時代から取り残されているような感じです。
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ここの素晴らしさは見た目だけではありません。
お湯も最高です。
独自源泉で完全掛け流しなのです。
泉質はアルカリ性単純温泉ですので、成分的には特筆するようなものでもありませんが、僅かに芒硝臭に近い温泉臭がします。
湯舟が広くて空気に晒されている時間が長いせいか、鮮度の良さは感じませんでしたけど、しっかりと揉まれて柔らかくなっているお湯が肌に優しくて、入っていて気持ちが良いです。
湯口は浴槽内にあり、そこから熱いお湯が静かに注がれています。
浴槽の大きさに対して湯量はさほど多くありません。
これは源泉温度が高いから仕方が無いかな?
正直、これだけ良い風情のお風呂ですので、鮮度の良し悪しなんてどうでも良く感じてしまうから不思議です。
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夜の風情も最高です!
ひとつ難点は、お風呂は 日帰り入浴終了と同じ 21時まで(日帰り入浴は20時まで)なんですよね。
宿泊したからと言って24時間入れる訳ではありません。
24時間入れないお宿はここに限らずあります。
だとしても21時までってちょっと早すぎませんか!? ※ 追記あり
あともうひとつ、これは難点ではありませんけど、露天風呂と銘打っているこのお風呂は、これは私が知っている露天風呂ではありません。
天井はしっかり屋根で覆われていますし、どこを見ても空なんか見えません。
とはいえ、この素朴な湯小屋って感じの造りは完全に私好みです。
もう最高! ここに住みたいって位に大好き!
でもまぁ、開放的な露天風呂を期待して来る方がいたとしたら、ガッカリするかもしれませんね。
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続いて貸切風呂。
これは私達の部屋がある建屋にあります。
露天風呂が広々としていたのに比べて、こちらはかなりコンパクト。
私を含めて大人4人で利用しましたが、かなりの手狭さを感じました。
露天風呂と同じ源泉が張られていますが、お湯の鮮度は段違いで良いです。
こちらの方が温泉臭が強く、ハッキリと分かる薬臭を感じる事が出来ます。
タイル張りの浴室も結構私好み。
難点を言えば、湯気がこもってしまうので、一度掻いた汗が全く引かない事ですね。
夏場のこの時期に汗だくはちょっとツライです・・・
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最後に、今回宿泊した部屋にはお風呂もついています。
こちらに引かれているお湯も温泉。
折角なので熱い源泉のままお湯を張って、そのまま一晩寝かせて温く冷ましてから浸かってみました。
言うまでも無く、鮮度は抜群に良いです。
貸切風呂のお湯と同様に薬臭のような温泉臭がします。
ユニットバスなので風情が全く無いのは残念ですが、源泉の特徴をしっかり感じる事が出来るので気持ちが良いお湯です。
ちなみに1泊素泊まりで7,850円也。
素泊まりなのに高いなぁと思いましたが、これは部屋風呂ありだったからのようで、部屋風呂無しだと5,650円でだいぶ安くなります。
箱根は高い宿が多いので、この金額で泊れるのは嬉しいです。
駅が目の前なので、少し歩けば食べる所はありますからね。
風情はとにかく最高!
東京から僅か1時間ちょっとで鄙びた湯治場の風情を楽しめる、素晴らしい温泉です。
これで24時間入る事が出来れば、言う事無いのですが・・・
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2023年 7月6日 - 初訪問・宿泊(素泊まり)
追記
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この記事を掲載して1ヶ月弱。入浴可能時間が21時までで24時間利用出来ない理由について、なんと、かっぱ天国さんから直接ご連絡を頂きました。
とても丁寧に説明を頂いたのですが、要約すると、21時(繁忙期は22時)までの理由は、約60度ある高温の源泉に一切加水せず、100%の源泉掛け流しで入浴出来るようにする為との事です。
温泉の入れ替えと清掃は毎日されているようで、宿泊客が毎朝7時から入浴出来るように、毎日21時にお湯を抜き、清掃を23時頃に終わらせる必要があるそうです。
清掃終了後、その日の気温などに合わせて源泉の投入量を調整し、一晩かけて湯を冷ましながら、適温の42度まで下げているそうですね。
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最近では温泉に限らず飲食店や観光地、はたまた車や家電、果ては生活用品や日用雑貨に至るまで、いろんな物のレビューやクチコミを目にします。
利用する側は良かった悪かったと、好き勝手にあーだこーだと言う訳です。
まぁ、そんな情報が結構役に立ったりするわけで、最近ではどこへ行くにしても何を買うにしても、クチコミって参考にしちゃうんですけどね~
私なんか、そんなレビューを15年以上に渡ってやっているベテランと言うか典型というか、まぁ常習犯みたいなモンで、当たり前のような顔をして温泉に立ち寄って、お宿の事情も考えずに無責任な事を書き散らかしているわけです。
でも、自由気ままに情報発信している裏には、色々と苦労されている受け入れ側の人がいるんですよね。
今回かっぱ天国さんからご連絡頂いた事で、そんな忘れかけていた当たり前の事を改めて思い出し、申し訳ない気持ちと同時に、こうして楽しく湯めぐりをさせて頂ける事は、なんて有難い事なのだろうと痛感しました。
このページはあくまで備忘録です。
事実に反する事や過度な批判は論外ですが、引き続き、実際の体験を元に思ったままの事を書かせて頂く事には変わりありません・・・ (;^ω^)
何を書くにせよ、受け入れて下さる温泉施設の方々への敬意は忘れてはならないと、強く自戒しました。
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かっぱ天国さん、近いうちにまたお邪魔します!
今回は嫁子供は留守番でしたので、今度は友人とではなく、家族で行きますね!
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折角だから画像追加
今回は利用しなかった足湯です。
全身で浸かれるお風呂があるわけで、敢えて足だけってのも、ね。
しかも暑い日だったので、汗だくになりそうでしたからw
次回は寒い時期に再訪して、その時は足湯も利用させて頂きますね!
夜はライトアップされていて雰囲気も良かったです。
ビールでも持ち込んで足湯したら気持ちが良さそう!(足湯での飲酒禁止でしたらゴメンナサイ)
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