群馬県

王湯会館 (川原湯温泉) ★3.5

含硫黄-カルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉
(源泉名:川原湯温泉(新湯))
79.3度 / pH7.2 / H23.6.6
Na+ = 352 / K+ = 6.93 / Ca+ = 341 / Mg+ = 0.56
Cl- = 680 / HCO3- = 49.1 / SO4- = 579 / F- = 0.7
Br- = 2.7 / HS- = 2.6 / H2SiO3 = 87.9 / HBO2 = 39.1
CO2 = 6.6 / H2S = 1.9
成分総計 = 2150mg

群馬県吾妻郡長野原町川原湯491-6
0279-83-2030
男女別内湯・露天
大人:500円、子供:300円
10:00 ~ 17:30(最終受付)

私にとって、川原湯温泉は感情を抜きに語る事の出来ない温泉です。
なので、読んで気分を害される方もいらっしゃると思います。
予めお詫び申し上げます。

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八ッ場ダム計画によって、開湯800年の歴史ある川原湯温泉は川底に沈む事となりました。
この王湯会館は、八ッ場ダムによって湖底に沈む事となった川原湯温泉の代替地として、高台に新しく出来た、生まれたばかりの川原湯温泉にある共同浴場です。

新しく出来た川原湯温泉街の方に目をやると、道幅広く綺麗に整備された区画に、建築中だったり新築ホヤホヤの建物が立ち並んでいます。ダム計画の為に引っ越しを余儀なくされた方達の新しい住まいなのでしょう。色んなハウスメーカーが建てたと思われる真新しい家々、まるで住宅展示場みたいな様相です。
そんな建物の合間に、ポツンポツンと、これまた新築したばかりの、お洒落な旅館が何軒かあります。看板を見ると、昔から川原湯温泉にあった、知っている宿名が掲げられています。

ここは本当に川原湯温泉なのでしょうか?

私が大好きだった川原湯温泉は、日が当たらない吾妻渓谷の狭い一角にあって、細い坂道の両サイドに小さな宿がお互い助け合うように肩を寄せ合っていて、どの建物もなんか少し草臥れていて、ひっそりとしていてちょっと寂しく、でもなんかとても心温まる、すれ違う人の表情がみんな穏やかで、日本中どこを探しても絶対に代わりなんかない、川原湯温泉にしかない魅力に溢れた、唯一無二の素晴らしい温泉街でした。

なんか違う。いや、全然違う。何一つ面影が無い。まるで別物。
狐につままれているような気分です。

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憂鬱な気分になりながら、それでもとりあえず、移転して新しく出来た王湯に入る事としました。

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真新しく出来た共同浴場。男女別である事は当然なのですが、なんと、共同浴場なのに露天まであります。

まずは内湯。

真新しくて綺麗な湯舟には、浴槽の色なのか光の加減なのか、うっすら緑がかって見える透明なお湯が張られていました。
とても柔らかいお湯で、肌が少しツルツルします。お湯からはごく僅かに硫黄臭と、硫黄臭以外にも温泉臭を感知出来ます。

お湯単体で評価すると、しっかりと特徴があって良いお湯です。

ただ、移転前の川原湯温泉のコールタールのような硫黄臭は全くしません。まるで別源泉です。私はあの川原湯の臭い、大好きだったんですけどね。

内湯からそのまま出れる露天風呂、屋根が掛かっていますが眺望が良く、解放感は十分にあります。
訪れた時期が少し遅かったので紅葉は終わっていましたが、紅葉の時期は勿論、新緑の時期なんかも気持ちが良さそうです。

内湯もですが、源泉温度が高い為に加水だけはしているけど、それ以外は何も手を加えていない掛け流しです。

爽やかに吹く風に当たりながら入る露天風呂はとても気持ちが良かったです。

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これが川原湯温泉ではなくて、どこかまったく別の温泉だったら、何も感じる事はなかったことでしょう。

でも、ここ、川原湯温泉なのだそうです。

正直、私はこのまるで昔の面影を残さない川原湯温泉を、どう受け止めれば良いのか分かりません。

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故郷がダムに沈む。平和な町に突如沸いたダム計画は半世紀以上も川原湯に住む方達を苦しめてきました。部外者の私には想像すらできない程の苦労をされた事だと思います。

新天地に移り未来に向かって一歩を踏み出した川原湯温泉街。
そこに住み、そこで生活を営む方達は、前を向いて一生懸命頑張っておられる事と思います。
新しく生まれ変わった川原湯温泉の事を、心の底から応援しています。

でも、私は川原湯温泉が大好きだったのです。
私は、この新しい川原湯温泉も大好きだと言える日が来るのでしょうか?

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2014年 11月22日 ー 初訪問・日帰り入浴

2021年 2月24日 ー 八ッ場ダム初訪問

非温泉マニアな友人と一緒に草津へ行きました。
中には群馬自体初めて行く人なんかもいて、草津に向かう途中にある八ッ場ダムも観光する事となりました。
本音で言うと、私は行きたくない場所でした。

実に立派なダムです。
この日は天候にも恵まれて、凄い!デカい!綺麗だ!と、嬉しそうにはしゃぐ友人達。
案内役みたいな形で同行した私からすると、楽しそうにしている彼らの姿を見る事は、悪い気分では無い筈です。

でも、ダムに沈む前の川原湯温泉を彼らは知らないのです。


ダムが必要だったのか不要だったのか、私には難しい事は分かりませんし、考えたくもありません。
八ッ場ダムがもたらす治水効果を高く評価する人も多くいます。
でも、そんな人たちの中で、ダムに沈んでしまった川原湯温泉に胸を痛める人がどれほどいるのでしょうか。

コメント

  1. Kama より:

    確かに、以前の王湯の下から沸く元の湯が入ってなければ、あの匂いは出ない・・・。

    引く予定になってるのに、いつ引くのか・・・と思ってましたが、やっと引いて以前よりは軽い感じではありますが、油臭も戻ってきましたよ!

    風情を含め、前の王湯が凄く良かっただけに想いは色々ありますよね。

    かたくりの湯も綺麗になって浴槽も大きくなって賛否両論色々とありますが、あそこの熱い湯と油臭は健在ですよ~!(笑)

  2. Jake より:

    >>Kamaさん
    コメント有難うございます~!
    アブラ臭戻ってきたんですね!? つい先日目の前を通過しましたが入らずでした。
    改めて行かなければですね!

    旧川原湯温泉は、温泉に目覚め始めた頃、草津や万座の行き帰りの途中で温泉玉子を作るために寄り道してました。
    でもなぜか川原湯温泉そのものには浸からず、やっと王湯共同浴場に入ったのは温泉玉子を10回以上作ってからなんですよね。

    かたくりの湯は普通に再訪したいですけど、今はコロナでジモ専化しているみたいですね。
    あのお湯が健在だと言うのは何より嬉しいです!

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