ナトリウム カルシウム-塩化物・炭酸水素塩温泉
(源泉名:山口屋・青木屋共有源泉)
68.5度 / pH6.8 / 毎分51.3L / 動力揚湯 / H5.5.6
Na+ = 290.1 / K+ = 35.2 / Ca++ = 101.2 / Mg+ = 29.8
Nn+ = 0.2 / Fe+ = 0.4 / Al+ = 0.8
Cl- = 492.6 / F- = 0.4 / HCO3- = 372.7 / SO4- = 43.4
H2SiO3 = 242.9 / HBO2 = 25.6 / CO2 = 270.2
成分総計 = 1906mg
栃木県那須塩原市塩原703
0287-32-2051
男女別内湯・露天・貸切風呂
600円?(湯めぐりチケット使用)
14:00 ~ 20:00
前日宿泊した「ウェルネスの森 那須」で貰った湯めぐりチケット。那須、板室、塩原それぞれの温泉地で協賛旅館1箇所ずつ無料で入る事が出来ます。
那須では中藤屋、板室では勝風館のお風呂を利用し、残すはあと1箇所、塩原で入るのみとなりました。
とはいえ、塩原でも独自に湯めぐり手形を発行していて、今までに何度かその手形を使い色んな旅館に立ち寄りをさせて貰っています。
折角だから今まで入った事の無い所が無いかと思って探してみた所、塩原門前温泉のこちら、山口屋旅館さんに辿り着きました。
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塩原とひとくちに言ってもとても広いのですが、その広い塩原の中心街と言っても良いような場所に建っているお宿です。
中に入ると目につく所に吊るし雛が飾られていました。
訪問したのは雛祭りが終わって一週間後です。「雛人形をしまい忘れると婚期が遅れるから縁起が悪い!」 なんて言いたくなりますけど、ここ塩原温泉では「つきおくれお雛さま巡り」なんてイベントをやっているそうなのです。
そもそも、旧暦であればお雛様は一か月遅れです。地域によっては、特に東北や北陸などの雪深い地域では新暦ではなく旧暦で雛祭りをする所も多く残っているそうです。
山間にあって春の訪れが少しだけ遅い塩原ならではなのでしょうね。
お宿の人のお話によると、この吊るし雛は女将さんが手作りされているそうです。
女将さんご自身の手で作り上げたお雛様で、地元に根差した風習を守り続ける。
何だか良いですね、こういうのって。
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さて、お風呂です。
まずは内湯。
旅館の外観から想像できる通りの、少し年季が入っていていい具合に鍛えられたお風呂です。
私は真新しくてピカピカのお風呂より、お宿の歴史が刻まれている古い浴室の方が好きです。
こぢんまりとした室内には、薄っすら潮臭と金気臭の混じる、温泉の優しい臭いが立ち込めています。
掛け流しの気持ちが良いお湯で、当然ですが塩素臭はしません。
湯口からは熱い源泉が注ぎ足されています。
湯口は長い時間を掛けて形を変えてきたのでしょうね。温泉の成分が鍾乳石のようにカチカチに固まっていました。
成分表を見ると、「山口屋・青木屋共有源泉」となっています。
後日調べたら、青木屋旅館さんは2006年に廃業されているそうなのです。
と言う事は、今では山口屋さんでしか入る事が出来ない独自源泉なのかな?
ちなみに青木屋さんは山口屋旅館さんから見たら箒川を挟んだ対岸にあります。この源泉はどこから湧いているんでしょう・・・?
続いて露天風呂、内湯からそのまま外に出る事が出来ます。
比較的最近新しく増設されたそうで、庭園を眺めながら入浴出来る、木の温もりが優しいお風呂です。
温泉街のど真ん中に位置しているお宿ですので、目隠しに苦労したみたいです。簾を上手に使って視界を遮っているのですが、これが風情の良さに一役買っていて、とても雰囲気が良いです。
内湯のお湯も良かったですが、露天のお湯もなかなか気持ちが良いです。
源泉温度が高いので温度調整の為に加水がされているようですが、それでも温泉の特徴をしっかり感じる事が出来ました。
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↓ ちなみに女湯はこんな感じです。(紅鮭撮影)
塩原に限らずですが、全国的に廃業してしまう施設は後を絶たず、湯めぐりを楽しめる宿は年々減り続けています。
そんな中でも、新しく露天風呂を増設して頑張っているお宿があると嬉しくなりますね。
この素敵なお風呂と気持ちの良いお湯で、これからも続くお宿の長い歴史を刻み続けてくれればと思いました。
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2012年 3月11日 ー 初訪問・日帰り入浴
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