塩原温泉栃木県

赤沢温泉 (中塩原温泉) ★4.5

ナトリウム・カルシウム−塩化物温泉
(源泉名:赤沢源泉)
45度 / pH6.7

栃木県那須塩原市塩原1149
0287-46-5700
男女別内湯・露天風呂
600円
日帰り入浴時間:要相談

この日は東北の湯めぐり仲間と久しぶりに会い、塩原門前温泉の「静観荘 古山」さんに一泊です。
塩原に到着後、10人位いた私達はバラバラになって自由行動です。
私はこの日初めて塩原に訪れた仲間の案内がてら、以前入った事もある旅館に数軒立ち寄りなんかしてから静観荘さんに戻ったら、別行動をしていたTODI-Kさんが少し高揚気味に凄く良い所を見つけた!なんて言って来ました。
ふむふむ、でも今回のグループ内では私が一番塩原に来ていて知っている筈です。そんなに良いお湯だったとしたら、きっと以前立ち寄り入浴しているだろう・・・
なんて思いながら、よくよく話を聞いてみると、なにやら私が知らない所のようです。
TODI-Kさんはご丁寧にも、夜遅い時間でも日帰り入浴出来る確約を取ってくれていたので、折角だしと言う事で夕食後に連れて行ってもらう事にしました。

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場所は塩原古町温泉街から見ると箒川を挟んだ対岸にあります。
箒川の向こうには大規模ホテルなんかも見えますし、間違っても秘湯なんて場所ではありません。でも、このお宿だけ周囲に何もない所にポツンとあるので、不思議な静寂感が漂っています。
お宿に入ると、TODI-Kさんが予め話を通してくれていた事もあり、女将さんが出てきて歓迎して下さいました。

さて、肝心のお風呂です。
TODI-Kさんが絶賛していて、わざわざご自身も私達を案内する為にその日のうちに再訪してくれた位です。
でも正直、「本当にそんなに良いお湯なのかなぁ?」なんて、少し半信半疑でしたが、浴室に入ってその疑いは一瞬で晴れました。

なんて言うか、良い温泉って、浴室に入った瞬間の臭いが違うんですよね。
このお風呂の臭いがまさにそれ。ふわっと香ってくる湯の香りが素晴らしいのです。

浴槽内のお湯からはほんのり温泉臭+微硫黄臭。
12月と言う肌寒い季節には嬉しい、少しだけ熱めのセッティングで、体が芯から温まります。
とても清潔で、少し高温だと言う事も手伝ってか鮮度も良く感じます。
湯口から注がれるお湯の匂いを嗅ぐと、はっきりと分かる硫黄臭がしました。

塩原にも硫黄泉はあります。でもそれは、ここ箒川から遥か遠くに離れた、塩原元湯や塩原新湯での話です。
箒川沿いの温泉はどちらかと言うと笹濁りの炭酸水素泉だったり、無色透明の単純温泉や微塩化物泉ってイメージで、硫黄泉ってのは無いんですよね。
こちらのお湯も泉質的には箒川沿いにあるお湯と同じですが、明らかに香ってくる硫黄臭にはビックリしました。

なるほど、TODI-Kさんが「夜もう一度仲間連れて来るから!」と言って、入浴のアポを取ってきてしまう理由が分かりました。
これは本当に良いお湯です!

内湯からはそのまま露天風呂に出る事も出来ます。
静かな環境に佇むお宿とは言え、箒川を挟んで背の高いホテルが建っていますので、露天風呂にはしっかりと目隠しがされていて解放感抜群とまではいきません。
ここに張られているお湯も内湯と同じ源泉ですが、12月の塩原は流石に寒く、お湯も温めになってしまっていました。
長湯をすると体が冷えてしまいそうだったのですぐに内湯へと戻りましたが、季節が良ければこれはこれで良さそうなお風呂ですね。

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浴後に少しだけですが聞いた話によると、このお宿自体は以前からあったそうですが、それをご夫婦で買い取ってリニューアルオープンさせたのが半年程前なのだそうです。
そのため、まだ色々と手探りらしいです。
玄関先には大きなワンコがいて、私より先にお風呂から上がった温泉仲間が取り囲んで撫でていました。とても大人しい子です。
女将さんの雰囲気いい人馴れしているワンコといい、アットホームさを感じる癒しのお宿です。

館内にはアジアンテイストと言うか、異国の雰囲気が漂う調度品がチラホラと目立ちます。純粋な和テイストとは違う方向に舵を切っている印象。
この船出したばかりのお宿が、この先どう移り変わっていくのかが楽しみです。

ここはきっとまた再訪すると思います。
塩原でも箒川沿いにある、硫黄臭が香る珍しいお湯。
目移りしてしまう程に色々とある塩原温泉の中でも、是非ともお勧めしたい一湯です。

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2015年 12月19日 ー 初訪問・日帰り入浴

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