単純温泉?
大分県由布市湯布院町川北
男女別内湯
100円
6:30 – 20:30
由布院に数ある共同浴場のひとつです。幾つかの共同浴場は、観光客の利用を意識して作られているのに対し、この石武温泉は住宅街のど真ん中にある、完全に地元住人向けの共同浴場です。
事前にネットで調べても、おおよその場所しか分からなかった為、現地で迷いながら、やっと発見する事が出来ました。
何とも渋い外観の湯小屋で、鄙びた温泉が大好きな私の気持ちが高ぶります。
共同浴場の前には車を数台停める事が出来ます。場所さえ分かってしまえば使い勝手が良さそうだと思いながら、早速喜び勇んで中に入ると・・・
入り口目立つ所に、地元住人以外は16時30分以降に利用するようにとの張り紙が貼られているではありませんか!
ふと時計を見ると、まだ15時過ぎです。うーん、困った。
鍵が掛かっている訳でもなく、無視して入ろうと思えば入れてしまう訳ですが、ルールを破ってご迷惑お掛けする事は当然出来ない訳で・・・
とりあえず一旦退散。行程を入れ替えて、他所のお風呂に入ってから再度立ち寄る事にしました。
さて、そんなで、時間を改めて訪れた石武温泉。再度張り紙と時間を確認し、問題が無い事を確かめてから中へ。
料金箱に100円玉を入れて、ふと中を見ると、先客におじいちゃんがひとり。
ちょうど入れ違いで、服を着ている最中でした。挨拶をして早速入浴。
内部は外観からも期待出来る通りの、脱衣所と浴室が一体型の渋い造りをしています。
湯船はコンクリート製で、脱衣所から見て手前と奥の2つに分かれていますが、この日は奥の湯船にしかお湯が張られておらず、手前は空っぽです。
お湯は無色透明。
湯口から注がれたお湯は、浴槽の縁にある切れ込み状の掛け流しポイントから洗い場に流れ去っています。
お湯の温度は43度くらいでしょうか。ぴったり適温です。お湯は澄みきった透明な物で、見た目からも鮮度の良さが伝わるような、美しい物です。
お湯からはほんのり芒硝系の温泉臭がしますが、お湯の肌触りは芒硝泉と言うより、塩化物泉に近いです。
とても柔らかい肌にシットリと馴染みますが、お湯から上がってもなかなか汗が引かず、温まり感が強い印象です。
湯口のコックを捻ると、お湯の投入量を調整出来ます。少し熱めのお湯が注がれており、MAXにすると、掛け流しポイントからお湯が盛大に溢れます。
ふと脱衣所を見ると、先ほどのおじいちゃんがまだいます。脱衣所と一体型なので、思わず目があい、どちらからとなく会話が始まりました。
私は湯船の中、おじいちゃんは脱衣所と言う、何だか不思議な位置関係で、この温泉の話やおじいちゃんの昔話に花が咲き・・・気付いたら30分近く話し込んでしまいました。
こう言う出会いがあると、湯めぐりも一層楽しくなりますね!
外来者の利用時間に制限はありますが、とっても心温まる共同浴場でした。
鄙びた風情も素晴らしくて、とても印象に残った一湯でした。
2010-4/30
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