ナトリウム-塩化物温泉?
成分表発見できませんでした (気付かなかっただけ?)
島根県邑智郡美郷町湯抱315-3
0855-75-1250
男女別内湯
650円
事前連絡必須
雰囲気が良いと言ううわさで、是非とも立ち寄って見たかったのです。ただ、予約をしなければ入ることが出来ないそうです。
電話をしてみたところ、「ちょうどいま、他の方が入っていらっしゃいますけど、その方たちが出られたら入れますよ」との事です。是非お願いしますと伝え、急いで車を走らせました。
ちなみに、電話をした場所は、三瓶温泉の共同浴場「鶴の湯」の駐車場。ここから湯抱温泉までは、車で10分程度です。
さて、たどり着いた湯抱温泉。山間にあるとても小さな温泉地です。中村旅館のほかに、旅館が数軒。どうやら廃業してしまっている旅館もあるようです。とても長閑で静かな印象。
中村旅館の中に入ると、女将さんがとても丁寧にお出迎えして下さいました。「まだ先客の方が入浴中ですので・・・」と、おっしゃる傍から、先客のご夫婦が出てこられました。ちょうどタイミングバッチリだったようです。
ちなみに、そのご夫婦に、「先ほど三瓶温泉にいらっしゃいましたよね?」と言われてしまいました。どうやらお互いに湯めぐりの真っ最中だったようです。温泉めぐりをする人たちって行動パターンが似ているって言いますからね。
もう少しお話をしたい気持ちもありましたが、軽いご挨拶だけに済ませて、お風呂へと向かいました。
さて、そのお風呂。男女の別は無く、内湯がひとつだけあります。
その為、貸し切り入浴となり、立ち寄り入浴は30分以内。
貸切風呂にしては結構広々とした浴室で、洗い場のスペースが広々と取られています。
湯船は小ぢんまりとしたもので、詰めて入っても4人がせいぜいといったところでしょうか。
最初に目を引くのは、床の析出物です。なんと、ガチガチに固まっており、宮崎の城山温泉や青森の碇ヶ関周辺の温泉を彷彿とさせられます。お湯は微白濁で、オレンジ色を帯びています。
それが外の光に照らされてキラキラと輝いて見えます。うーん、神秘的!お湯云々を差し置いて、この見た目だけでやられてしまいました!
肝心のお湯の感触はと言うと、石膏成分を多く含む、土類鉄泉って感じです。
肌触りはキシキシ、しっとりとする感じで、お湯からは金気臭と土類臭、少し抜けてしまった感じはしますが、炭酸臭も感じます。
湯口は湯船の中にあります。柵がされており、どうなっているのかは不明ですが、そこから加温されたお湯が注がれている様子。
一部で足元自噴と紹介されていましたが、どうやらそれは違うみたい。ちょっと残念。熱くなりすぎた時の為に、冷たい源泉を注げる蛇口もついています。
良いお湯なのは勿論のことですが、それ以上に、この風情には参りました。
お湯に浸かって浴室を見渡すと、それだけで満足出来ます。
あぁ、幸せっ!
浴後、玄関先で女将さんにお礼を言って帰ろうとしたところ、女将さんが「今お茶を出しますので」と、ソファを進めて下さいました。
せっかくなのでと腰掛けて待っていたところ、出てきたのはなんとお抹茶ではありませんか!お茶菓子として可愛らしいコンペイトウつきです。
浴後にお茶をご馳走になる事は何度かありましたが、抹茶が出てきたのは初めてです。
帰り際も、女将さん、三つ指ついてお見送りして下さいました。
うーん、長閑なところだと感じた湯抱温泉、中村旅館さんも、所謂鄙び宿かなって思いましたが、素晴らしいおもてなしの立派なお宿ではありませんか!
お宿の雰囲気は東北の湯治宿っぽくもありますが、精神的な支柱は、東北的ではなく、京文化的とでも言うのかな?お客さんを迎え入れる側の、誇りやプライドのような物を感じました。
今度は是非宿泊してみたいと思った一湯でした。
2008-10/12
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