和歌山県湯の峰温泉

旅館あづまや (湯の峰温泉) ★4.5

含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉?
(環温泉)

和歌山県田辺市本宮町湯峯122
0735-42-0012
男女別内湯 ・ 露天風呂
700円
13:00 – 15:00

湯の峰温泉の中心地、つぼ湯のすぐ目の前にある老舗旅館です。
独自で源泉を持っていると聞いており、是非とも立ち寄りたいと思っていたのですが、日帰りで入浴出来る時間が13時から15時までの2時間と極めて短いのが難点。
つぼ湯に入るため朝一番で湯の峰に訪れたのですが、その後一旦川湯や渡瀬など他所の温泉巡りをして時間を潰し、再度湯の峰に戻ってきてからの入浴となりました。

内部は歴史がある旅館と言うだけあり、ちょっと古めですがなかなか良い趣を醸し出しています。増改築を繰り返しているらしく、内部は複雑な感じですが、私はこういう迷路みたいな造りって結構好きです。
歴史を感じるお宿が多いですし、お風呂に辿り着くまでの束の間の冒険みたいなワクワク感が楽しいんですよね。
館内を少し歩いたところに、男女別の内湯と露天風呂、家族風呂が2箇所ありました。
ちなみに、浴場は時間帯によって男女を入れ替えているみたいです。
私が入浴した際は、男湯は内湯と露天が廊下を挟んで分かれている方で、女湯はひとつの脱衣所から内湯にも露天にも行けるようになっています。
私は、まずは内湯の方から入る事にしました。

内湯内部は木造で実に渋い造りをしています。
まるで草津にある白旗の湯を想像させるような素敵な湯屋で、洗い場が数人分と、湯船がふたつ。
ひとつは大きめなもので、4~5人入れそうなもので、もうひとつは1人入るのが精一杯の小さなものでした。

まずは広い方。適温で、甘く優しい硫黄臭が漂う、とても気持ちが良いものです。
朝入ったつぼ湯やくすり湯のモノと似ていますが、若干違う印象で、こちらの方が肌触りがツルツルして玉子スープ状の湯花も僅かに舞っています。
源泉の温度が高い為、温度調整の為に若干加水をしているようですが、それでも温泉の特徴がしっかり残っていて薄くなっているような感じはあまりしません。
湯口からは少し熱めなお湯が注がれており、何故か大玉の気泡が湯面に浮いていました。
なんだか、西方の湯を思い起こさせる光景です。
勿論、お湯の感触などは全く異なるわけで、奇臭は一切しませんが・・・

続いて小さい方の湯船。こちらは「さまし湯」と名付けられています。
ただ、名前だけで判断すると水風呂のような響きですが、実際は広い湯船と同じくらいの適温に調整されており、どうやら「源泉を冷まして加水無し100%の状態で入れる」と言う意味で「冷まし湯」のようです。
入った感触は、広い方より若干濃く感じるもので、肌にまとわりつくツルツル感も強いです。小さな湯船なので、浴槽に体を沈めるとお湯がザバーっと溢れ、一瞬ですがとても贅沢な気分になれます。
ただ、残念な事に、湯口から注がれるお湯の量がチョロチョロでしたので、溢れさせるのは一度しか楽しむ事が出来ませんでした。
私が入ったのは恐らく清掃直後だったと思われ、とても新鮮なお湯でしたが、これが何人も入った後だと受ける印象がだいぶ変わってしまいそうです。
高温のお湯を100%で掛け流すのって難しいものだと、改めて認識させられました。

内湯の次は露天風呂。廊下を挟んですぐの所にあり、裸でも移動出来そうなほどすぐ近くにありますが、一応服を着てから移動しました。
こちらはシンプルに露天風呂がひとつあるだけで、洗い場などは一切ありません。
お湯は内湯と同じ源泉が張られているようで、同様にいツルツルする透明のお湯が張られていました。
鮮度などは、想像した通りといった感じで、あまり良くはありません。お湯も温めで少し物足りなさを感じるもの。
外の空気を吸いながらゆったり入りたい人には嬉しいかも知れませんが、お湯の質を求める人には内湯が正解と思われます。
男湯と女湯は衝立一枚で繋がっています。女性の場合、全く見ず知らずの人が男湯に入っている時は少し落ち着かないでしょうね。

入浴料700円。東北などと比較してしまうと、ベラボーに高く感じます。
ただ、それでも入るだけの価値がある素晴らしい一湯でした。
特に内湯の風情は素晴らしく、宿泊して時間を気にせず入浴出来たらどれだけ素晴らしいかと思います。
和歌山にはなかなか来る事が出来ない私ですが、機会があれば是非とも泊まってみたいと思いました。

2007-3/24

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