カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉
(宇佐美温泉 宇佐美2号) 44.2度 / pH8.3 / H20.2.26
Na+ = 154.8 / Ca++ = 656.4 / Mg++ 0.2 K+ = 3.9
Fe++ = 0.2 / Cl- = 463.7 /SO4– = 1249 / HCO3– = 11.2
CO3– = 1.7 / Br- = 0.3 / H2SiO3 = 29 / HBO2 = 4.3
成分総量 = 2575mg
静岡県伊東市宇佐美1849
0557-48-9270
男女別内湯
350円
14:00 – 20:00
宇佐美と言えば、宇佐美石油。ごく稀に温泉つきのガソリンスタンドがあるんですよね。
でも、この宇佐美は、伊東のちょっと手前にある、石油屋さんとは関係が無い温泉地です。駅前に共同浴場があると言うので、行って見ました。
辿り着いたのが、ここ、宇佐美ヘルスセンターです。センターなんてついているからセンター系かと思いきや、かなり渋めの温泉銭湯です。
駅から近いと聞いていましたが、車で来たので、どこに駅があったのか良く分からず、あまり実感ありません。
住宅街の一角にあり、日も沈んだ後に訪れたので、周囲はかなり暗いです。空を見上げると、星空がとても綺麗です。う~ん、ここって本当に駅前なのだろうか。
入浴料は250円です。温泉としてはかなり安いですが、共同浴場と考えると、それほどでも無い気がします。受付があり、そこでオバちゃんにお金を払う仕組みです。
脱衣所はいかにも銭湯と言う感じの物です。木製の四角い脱衣棚が、何ともレトロで良い雰囲気を醸し出しています。
浴室は共同浴場と呼ぶには結構広いです。タイル張りで、右側に瓢箪を縦に割ったような形状をした湯船、左側に洗い場が並んでいます。
湯船は泳ぐ事が出来そうな程に大きく、ゆったりとした造りをしていました。
さて、そのお湯。無色透明で、芒硝臭がします。
じっくりと嗅ぐと、ほんの僅かに硫黄臭を感じる気がしますが、来る途中で箱根の大涌谷源泉のお湯に浸かっている為、体に沁みついた自分の臭いを嗅いでいる可能性大です。
お湯の温度は、ほぼ適温の43度。肌触りは柔らかく、芒硝系のお湯にしては、少しツルツルした感触があります。
広い湯船で、利用客もそこそこいたので、鮮度抜群とは言えませんが、悪くもありません。
ちゃんと掛け流されており、湯船からは絶えずお湯が溢れ出ています。
湯口は、脱衣所から一番離れた浴槽内にあります。無骨なパイプからお湯が勢い良く注がれていました。これだけの湯量があれば、多少湯船が広くてもお湯は大丈夫ですね。
でもまぁ、個人的には、もう少し湯船が小さいと嬉しいのですが・・・
ふと洗い場の一角を見ると、何だか変なポーズを取る彫像を発見。
そして、その変なポーズを真似る友人も発見。
うーん、何とコメントしたら良いのか困りますが・・・
物言わぬ彫像と語り合うかのような友人の姿。今まさにこの瞬間、彼は、この彫像と意気投合したに違いありません。心なしか、彫像の表情が穏やかに見えます。
互い認め合った者同士でなければ分からぬ、見えない絆を感じます。
もし、この場に遭遇した幼子がいたとしたら、周囲の大人に「見ちゃ駄目っ!」諭される前に、自ら目を背けたに違いありません。
何人たりとも近づくことの出来ない荘厳な空気。彫像と友人の周囲を包み込む、穢れなき聖域。人知を超えた底知れぬ神秘。私の目の前に、神々し過ぎる光景が広がっています。
普段何気なく生活をしていて、ふとした時に感じる、爽やかな敗北感。「あぁ、この人には、絶対に敵わないや」と言う、聖なる諦め。久しぶりにそんな思いをかみ締めることが出来ました。
私なんかは、一生掛かっても、彼の域に達する事は出来ないでしょうね。
お湯も素晴らしかったですが、彫像と人間が友情で結ばれる貴重な瞬間を目の当たりにする事が出来て、とても満足感が高い一湯となりました。
もし再訪したら、その時は私もこの彫刻と語り合う事が出来るだろうか。
彫刻は今日も静かな微笑みを湛え、湯浴みする人々を優しく見守り続ける。
いつかまた訪れる友との再会を夢見て。。。(オチなし)
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