神奈川県

松坂屋本店 (箱根芦ノ湯温泉) ★4.5

含硫黄-カルシウム・ナトリウム・マグネシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉
(芦苅の湯) 59.1度 / ph8.1 / H17.2.3
Na+ = 69.6 / K+ = 7.02 / Mg++ = 32.3 / Ca++ = 96.6
Cl- = 4.88 / HS- = 4.84 / SO4– = 339 / HCO3- = 225
HCO3- = 211 / H2S = 0.43 / 成分総計 = 1003mg

神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯55
0460-3-6511
男女別内湯
1000円
14:00 – ? (宿泊客優先の為、断られる事が多い)

もう、「遂に入れた!」としか言いようが無い温泉です。
箱根でも貴重な天然の自噴源泉の硫黄泉で、温泉通の間での評価も高く、その存在を知ってから常々入ってみたいと思っていました。

初めて行ったのは2年くらい前かな?その時はアッサリ門前払い。
次に箱根に行く機会があった時も立ち寄りましたが、門前に「日帰り入浴不可」の看板があり断念。
そして、この入浴を果たす前日、平日を狙って行ったのですが、この日も「日帰り入浴不可」の看板がありました。
食い下がってみようとお願いしたのですが、やっぱり駄目と断られる。
とても丁寧な断り方で、嫌な印象は全く無いのですが、残念です。
その時に受付のオジサン、「明日だったら大丈夫ですから」と仰っていたので、口惜しさのあまり、翌日リベンジとなった訳です。
ちなみに、「平日何やっているんだ!?」と声が聞こえてきそうですが、この月は転職に伴う有給消化だったのですね、ハイ。

受付には同じオジサンがいました。
私が「また来ました」と言うと、オジサン、とても嬉しそうにお風呂の場所を案内してくれました。

お風呂は内湯のみです。
シャンプーなどがちゃんと備え付けられた洗い場と、広い湯船がありました。
浴槽は2つに分けられており、広い方が少し温めの適温、狭い方が熱めの適温です。
それぞれが41度と44度程に調整されていました。
温めの方は濁りの度合いが強く、ほんのり青緑色をした白濁です。熱めの湯船のお湯は透明度が高く、濁り度合いが少なめです。
優しい硫黄臭が心地よく、シットリと肌にまとわりつくような気持ちの良いお湯です。
しっかりと暖まり、汗だくになるのですが、それがまた何とも言えない快感です。
イメージ的には奥日光のお湯が似ている感じがします。とにかく柔らかくて気持ちが良い!

湯口には飲泉用のコップが置かれていました。ココのお湯、箱根では物凄く貴重な、源泉に一切手を加えていないそのままのお湯なんです。
つまり、加水、加温、循環、塩素、一切無しと言う事。
だから飲んでも安心なんですね。
口に含むとほんのり硫黄の苦味が広がる飲みやすいお湯です。嬉しくなって思わず沢山飲んでしまいました。
しかも、カランから出るお湯も温泉と言うのだから二重に驚きです。
ここ、本当に箱根だよね・・・?

ただ、非常に濃いお湯と聞いており、とても期待していましたが、確かに素晴らしいお湯です。
もし東北に持っていったとしても全く遜色が無いです。
でも、東北のお湯と比較した場合、平均的な線ではないでしょうか。
比べる対象ではないと思いますが、滅茶苦茶良いと思っていただけに、それだけは少し期待外れでした。
でも、濃すぎず薄すぎず、丁度良い具合です。
私にしては珍しく1時間30分も長湯をしてしまいました。

帰り際、受付のオジサンに挨拶すると、おじさん、受付のガラス越しに親指を立てて「Good」のポーズをすると、伺いたてるように首を傾げました。
私もGoodポーズをして「気持ちよかったです!」と答えると、オジサンも嬉しそうに満面の笑顔。
私の思い過ごしかも知れませんけど、私を昨日断った時、きっとこのオジサン、本心では入れてあげたいって思っていたんじゃないかな?
でも、老舗旅館のルールで、情だけで入浴許可をする事は出来ない。
入浴お断りするのも、案外辛い仕事なのかも知れませんね。
帰り際にGoodポーズをしてくれたオジサンは、お堅い老舗旅館の受付にはとても思えない、人情味溢れる優しい表情をされていました。

いつかは宿泊してみたい一湯です。

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2006-10/19

2024年 10月11日 - 初訪問・日帰り入浴

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かなり前に一度入っている松坂屋旅館、再訪してきました。

松坂屋さんは箱根でも指折りの老舗旅館です。
前回訪問時は、立派なお宿ながら年季を感じるものでしたけど、リニューアルされたみたいですね。
前回訪問時の面影がほとんどないほど立派になっていました。

ちなみに、以前の松坂屋さんは運が良ければ日帰り入浴出来るって感じで、立ち寄り湯のハードルが非常に高いお宿でした。
リニューアル後は予約をすればちゃんと日帰り入浴出来ます。
但し、利用出来るのは貸切露天風呂のみで、入浴1時間 + 休憩1時間で、1室ご利用料金:8,800円(1〜2人)、3人以上だと1人あたり3,300円追加となります。(子供料金同額)

金額が高いと言う点で、いまでも敷居は高いって感じですね。

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お宿について駐車場に車を停めると、従業員の方が来られて予約名を聞かれました。
名前を告げると、お待ちしておりましたこちらへと、中に通され、ソファに案内されました。
そこでスタッフが入れ替わり、会計を行います。

会計が済んだら、また別のスタッフが出て来て、お風呂場入口まで連れて行ってくれました。

フロントから浴場入口まではそこそこ距離があり、その間「以前来た事あります」「ずいぶんと変わりましたね」なんて話をしましたが、応対がとても感じが良いです。

お風呂に行く途中に松坂屋さんの歴史を物語る資料なんかが展示されていました。

リニューアルして随分とオシャレになりましたが、老舗旅館の風格はしっかり残っていますね。

それにしても、ただの日帰り入浴客相手に、恐縮してしまう位に丁寧で、なんだかかえって申し訳ないです・・・

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日帰りで利用出来るお風呂は貸切風呂のみです。
以前入った事のある大浴場もリニューアルされているそうですが、いまでもあまり変わらずあるそうです。
ただ、そちらは宿泊客専用。
駄目モトでお願いしてみましたが、笑顔が素敵なスタッフのお姉さんに、とても爽やか&丁寧にお断りされてしまいました。(笑)

貸切風呂は離れにあります。
サンダルを履いて少し歩くと湯小屋がありました。
貸切風呂は全部で5室。
今回はその中のひとつ、兵蔵を利用。

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一言で言うと、かなり贅沢な造りです。
脱衣所にはソファがあり、浴後にゆっくり寛げます。
しかもこの脱衣所、エアコンまでついているんですよね。

オシャレ&綺麗なパウダールームもありました。
その隣にはシャワーもあります。
個人的にはシャワーは要りませんけど、温泉の臭いが残るのがイヤだったり、髪を洗いたいなんて人には有難いでしょうね。

1時間で8,800円も取るだけの事はあります!

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温泉は露天風呂のみで、湯舟がひとつあるだけです。

ただ、この露天風呂も、空間の使い方が贅沢とでも言うのかな?
湯舟自体はさほど大きくないのですが、板張りスペースが広々していて解放感もあります。

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肝心のお湯ですが、無色透明、湯底に玉子スープ状の湯花が沈殿していました。
以前入ったお湯は白濁でしたので、この透明度にはビックリです。

お湯自体はとても良いです。
はっきりと香る硫黄臭、シットリと肌に馴染むような感覚、良いお湯です。

ただ、見た目だけでなく、以前のお湯よりも少し薄く感じます。

湯口から注がれるお湯は素手で触るには少し熱いもので、静かに注がれていました。
口に含んでみたところ、はっきりとわかる硫黄の苦みがあります。
源泉温度は約58度との事ですが、湯口から注がれるお湯で確認する限りでは加水はされていない様子。

お湯が薄く感じてしまったのは、たまたまこの日のコンディションなのか、20年近くの歳月で源泉の素性が変わってしまったのか、私の記憶違いなのか・・・?
まぁ、いまとなっては分かりませんけどね。

でもまぁ、以前の事はともかくとして、これはこれでとても気持ちの良いお湯でした。

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温泉を1時間しっかり堪能した後はフロントの脇にあるフリードリンクコーナーでひとやすみ。
ちなみにこの松坂屋さん、最近流行りのオールインクルーシブ(滞在中は飲み物などのサービスが無料)なのだそうです。
日帰り入浴でもそれは一緒で、浴後の生ビールも飲み放題!

この日は温泉仲間のYさんの車で来ましたので、ハンドルを握る必要の無い私は、Yさんにごめんねと謝りつつ、ビールと日本酒を1杯ずつ頂きました。

非常に有難いですけど、松坂屋旅館さんって、箱根でも公共アクセスの悪い場所にあるんですよね。
車で来ることが必須なので、折角来ても運転する人はソフトドリンクしか飲めないので注意!

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以前お邪魔した松坂屋旅館はもっと、なんかこう、歴史はあるけど鄙びたお宿って感じだったんですけどね。
湯上りに首を傾げながら親指を立ててくれたオジサンがいたなんて、想像もつかないような高級お宿になっていました。

そんな人情味あるオジサンはもういませんでしたが、スタッフの皆さん、浴後もすれ違う度にとても感じ良く、最後まで気持ち良くお見送りして下さいました。

泊るときっと高いんだろうなぁ~
でも、いつか泊まってみたいなぁ~

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