茨城県

民宿くろさわ (平潟港温泉) ★4.0

ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉
(五浦元湯温泉2号泉) 63度 / pH8.0 / 450L / H21.8.3
Na+ = 3009 / K+ = 53.4 / Mg++ = 2 / Ca++ = 1428
Fe++ = 0.2 / NH4+ = 6 / Li+ = 1.8 / Sr++ = 18.9
Ba++ = 0.1 / Cl- = 7384 / F- = 2.2 / Br- = 2.4
SO4– = 2.5 / HCO3– = 9.1 / CO3- = 8.9
H2SiO3 = 50 / HBO2 = 53.6 / 成分総計 = 12030mg

茨城県北茨城市平潟町343
0293-46-2971
男女別内湯 ・ 露天風呂
500円
営業時間 要問合せ

茨城県には、温泉が少ないです。うん、唐突に何を言うって感じですが、だって本当なんだもん。
群馬栃木茨城は、北関東3県なんて言い方でひとくくりにされる事が多いです。
その3県で比較すると、栃木には那須、塩原、日光、鬼怒川があり、群馬にも、草津、伊香保、水上、四万など、全国的にも名前の知られる温泉地があるのに対し、茨城には有名所がありません。

でも、そんな茨城県にも、勿論温泉はあります。その中のひとつがここ、平潟港温泉です。
元々は漁師町だった平潟港の町に温泉が沸いたのは、昭和の終わりを告げる60年代。
今では立ち並ぶ民宿や旅館、ホテルなど、多くのお宿の内湯として利用されていますが、その歴史はまだまだ浅いです。
平潟港温泉を、温泉街だと思って歩くと、良い意味で期待を裏切られます。
立ち並ぶ宿の屋号が「○○丸」だったり、軒先で干物を売っていたりします。また、お宿の売り文句も、あんこう鍋一色で、温泉を前面に持ってきてアピールする所が少ない印象を受けます。
お湯が沸いて20年以上経っても、ここは温泉街ではなく、漁師町のままなのですね。そんなギャップが、とても良い雰囲気を生み出しています。
民宿くろさわは、そんな不思議な温泉街にある、小さなお宿です。

中に入ると、とても感じの良い女将さんが出てこられました。「すみません、立ち寄り湯ですが・・・」と言うと、どうぞどうぞと、とても感じ良く中を案内して下さいました。
実はこの日は、友人達と一緒に湯めぐりをするため、事前に連絡して入浴の許可を貰っていたのです。
電話先でとても感じ良く対応してくれた女将さんは、実際にお会いしてみると、想像した通りに、親しみ安いとても良い方でした。

楽しみにしていたお風呂。男女別に内湯がありますが、お宿の規模相応に小ぢんまりとしたものです。
男湯には合計4人、中が良いから一緒に入れますが、これが他人同士だと、かなり気まずい思いをしそうです。
お風呂の造りは至ってシンプルで、舞台湯状の湯船がひとつと、手前に洗い場があるだけです。

さて、そのお湯。ヒノキの湯船に、光の加減で僅かに黄褐色に見えるお湯が張られています。
源泉掛け流しで、湯口から注がれたお湯は、注がれた量と同じだけ湯船から溢れています。
手を差し入れてみると、少し熱めの44度でしょうか。鮮度の良さが分かる、とても良い温度です。

早速湯船に体を沈めると、ザバーっと良い音を立ててお湯が溢れ出します。
お湯からはゴムを焦がしたようなアブラ臭。湯口に鼻先を近づけて臭いを嗅ぐと、その特徴を顕著に楽しめます。
他にも、モール系んお臭いや、金気臭、潮臭等も感じる、とても複雑で個性的なお湯です。

ふと、湯気越しに友人を見ると、幸せそうな顔をしていました。
きっと私も同じような顔をしているに違いありません。
とても気持ちが良いお湯です。

湯口のお湯を舐めてみると、強い塩分を感じます。海が近いからなぁと、改めて実感します。
かなりの塩分濃度で、お湯が少し熱めと言う事もあり、短時間でもグッタリ。ヘロヘロになってしまいます。漁師町に相応しい、ガッツリと力強い男の湯って感じがします。
勿論浴後はポカポカ。汗がなかなか引かずに、少し困ってしまった程でした。

いやあ、良いお湯でした!
平潟港温泉、歴史が浅くても名湯は名湯です。
これからも、漁師町と温泉を上手に融合させて、魅力的な街を築いて行って欲しいと思いました。

2010-1/9

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