いわき湯本温泉福島県

伊勢屋旅館 (いわき湯本温泉) ★4.5

含硫黄-ナトリウム-塩化物・ 硫酸塩温泉
(常磐湯本温泉 湯元温泉源泉)
59度 / ph8.1 / H12.11.29
Na+ = 523 / K+ = 16.2 / Ca++ = 59.8 / Sr++ = 0.8
Cl- = 556.6 / F- = 5.3 / Br- = 2.1 / HS- = 9.5
SO4– = 390.3 / HCO3- = 106.9 / CO3– = 6
HPO4– = 1.9 / H2SiO3 = 45 / HBO2 = 15.2
H2S = 0.8 / 成分総計 = 1743mg

福島県いわき市常磐湯本町吹谷80
0246-42-3135
男女別内湯(実際は貸切で利用)
日帰り不可

いわき湯本で、私のお気に入りのお宿、割烹旅館の「みよし」さん。そのみよしの隣にあるのが、ここ、越後屋旅館です。
さはこの湯からだと、ゆっくり歩いて5分弱の場所にあります。
以前訪れた際も、外観が気になっていていましたが、通常は立ち寄りでの入浴を受け付けていないそうです。
今回はフラオンパクの湯めぐり手形を利用し、平日に立ち寄る事が出来ました。

なお、フラオンパクの湯めぐり手形を使っても、立ち寄り入浴出来ない所が沢山あります。
ここ、越後屋さんも、最初は清掃中だからと断られかけましたが、どうしても入りたいとご無理を言って、この時間だったら良いよと仰っていただき、ご都合が良い時間に伺いました。
交渉の余地も無く断られてしまったお宿が多い中、受け入れて下さった事は、素直に嬉しいです。
お忙しい中、立ち寄りをお許し下さった越後屋さんに、この場をお借りして感謝申し上げます。

さて、その越後屋さん。玄関の造りが、昔の面影を残す、高い段差になっています。
バリアフリーとは程遠い造りです。でも、古い日本家屋が減っている昨今、少し嬉しくなります。
中に入り入浴をお願いすると、最初は難色を示されましたが、電話で連絡した旨を告げると、快く受け入れて下さいました。
お風呂は男女別です。ただ、男性用には先客がいるとの事で、「ご主人も見知らぬ人と一緒では落ち着かないでしょうから、少し狭いですけど宜しければご一緒に・・・」と、
女湯を貸切で使わせて下さいました。
たかだか立ち寄り客。でも、そんな立ち寄り客の立場に立って、貸切にして下さる心遣い。
立ち寄り入浴のハードルを上げる要因のひとつを見たような気がします。

その女湯ですが、お宿の規模相応と言っても良いのでしょうか、とても小ぢんまりとした物です。
ちいさな湯船がひとつと、猫の額ほどの洗い場があります。
女湯と言うより、家族湯と呼んだ方がしっくり来るかも知れません。
ハッキリ言って、狭い。でも、私はこの小さな湯船が、身震いする程大好きなのです。
思わず写真を沢山、ついでに、滅多にやらないのですが、携帯でも写真を撮ってしまいました。

飛び込みたい衝動を抑え、じっくり掛け湯して、身を沈めたお湯は・・・
一言で言って、素晴らしいです。
熱いと思ったら、意外な事に適温です。湯船に浸かると、お湯がザバーっと盛大に溢れます。
湯船が小さければ小さい程、溢れさせた時の感動が大きいのです。
まさに至福の瞬間!
お湯は白濁で、僅かに青味を帯びています。クリーミーでとても濃く、鼻先を抜け
る硫黄臭が、少し甘く感じます。
いわき湯本のお湯はこんなに濃かったかなと錯覚する程に良いお湯です。
みよしさんのお湯も大好きですが、ココも負けてはいません。2軒並んで、なんて素晴らしい湯使いをされているのでしょうか!

特筆すべきは、湯口です。薄い岩が貼られており、温度を自然に冷ます為か、その岩の少し高い位置から源泉が注がれています。
岩はお湯の通り道が成分で真っ白にコーティングされています。
源泉は当然ながら共同源泉の引き湯ですが、まるでココで湧出しているかのような演出です。

シットリと肌に絡みつくような肌触りがあり、「これ独自源泉だよ?」と言われても、素直に騙されてしまいそうな、特徴的な物です。
それにしても、いわき湯本のお湯は不思議です。同じ源泉なのに、本当に受ける印象がお宿ごとに違うのです。引き湯距離なのでしょうか?

この日は、いわき湯本で沢山湯めぐりをして、ここが最後の一箇所です。その最後を締めくくるに相応しい、大変に素晴らしいお湯でした。

2010-1/22

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