福島県

井筒屋旅館 (木賊温泉) ★4.5

単純硫黄温泉
(木賊温泉 井筒屋)
46度 / ph8.5 / 108L / H17.4.25
Na+ = 104.9 / K+ = 2.7 / Ca++ = 8.9 / Cl- = 111.9
F- = 7.9 / Br- = 0.5 / HS- = 2.8 / SO4– = 29.5
HCO3- = 45.8 / CO3- = 9 / H2SiO3 = 29.3 / HBO2 = 1.5
H2S = 0.1 / 成分総計 = 355.5mg

福島県南会津郡南会津町宮里字湯ノ坂1988
0241-78-2452
男女別内湯
300円
11:00 – 14:00

日本秘湯を守る会の会員宿です。
足元自噴のお風呂が有名で、私もいつかは入りたいと思っていましたが、足元自噴の浴室が男性用で、女性(紅鮭)が入るには宿泊をして女性専用時間を利用するしかないのです。なので、泊まりに来ようと決め、あえて近づかないでいました。
しかし、今回はネットで知り合った方と湯巡りをする事になり、関東近郊でお互い未湯の場所はどこかと探した結果、この一帯しか残っておらず、自分に課した掟を破って日帰りで利用する事になりました。

通り沿いにある駐車場に車を停め、お宿はそこから坂道を下った川沿いにあります。
宿へのアプローチは期待通りに素晴らしく、いかにも秘湯に来たのだと言う気分になれます。
坂道には残雪が残っており、都会の靴で来てしまった私は、転ばないように必死になりながら、恐る恐る坂道を降りました。
この辺りは豪雪地帯なので3月に入っても油断禁物なのです。

お宿に入り、中から出てきたご主人に、足元自噴の男湯に紅鮭を入れてあげる事は出来ないかと交渉してみましたが、ご主人申し訳なさそうに、「そろそろお泊りの方も見えられる時間ですので・・・」と仰います。
残念。でも、無茶な交渉でしたが、とても親切な対応でほっとしました。やはりココは泊まりで来るしか無さそうです。
どうしようかなと一瞬迷いましたが、折角ココまで来た事ですし、
ちゃんとそれぞれ男女湯に入ると言う事で、入浴をお願いする事になりました。

さて、その男湯。事前に聞き知ってはいたものの、素晴らしいです。
旅館の玄関先からさらに降りた所に湯小屋があります。
お風呂のすぐ目の前には川が流れており、低い所にある湯船の水面は、恐らく川の水面とほぼ同じくらいの高さしかありません。
湯船がひとつあるだけのシンプルな造りをしていますが、実に美しいです。

お湯は無色透明。光の加減で僅かに青味がかって見えて、とても綺麗です。
温度は40度を下回るくらいに温めです。
肌触りがツルツルして気持ちよく、お湯からは甘い硫黄臭が香っています。
高い所に湯口があり、そこからお湯が注がれていますが、それ以外にも湯底にパイプ穴が開いていて、そこからお湯が湧出している模様。
時折気泡がポコポコ上がって気持ちが良いです。
苦言を呈するならば、湧出ポイントに座ろうとすると、上から降ってくる湯口のお湯がちょっと邪魔な事でしょうか。。。

それにしても、温めなので、時間を忘れてゆっくり入っている事が出来ます。
お湯の鮮度は申し分ありません。じっくり浸かっていると、僅かずつですが、体に気泡が付着します。
単純に比較をして良い物ではありませんが、鹿児島のかじか荘のお湯に迫る素晴らしいお湯だと思います。

このお湯に時間を気にせず浸かる事が出来たらどれだけ幸せでしょう。
良いお湯に巡り合えた事は素直に嬉しいですが、投宿せず日帰りで利用してしまった事を少し後悔しました。

絶対に泊まりで来ようと固く誓ってその場を後にしました。
日帰りだけで満足をしてしまっては勿体無い一湯です。

2008-3/8

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