福島県

相模屋旅館 (新野地温泉) ★4.5

硫黄泉
(新野地温泉) 88度 / ph6.3
Na+ = 5.2 / Ca++ = 7.3 / HCO3- = 27.5 / H2SiO3 = 57.7
HS- = 7 / H2S = 17.4 / 成分総計 = 220mg

福島県福島市土湯温泉町字野地2
0242-64-3624
男女別内湯 ・ 露天風呂
500円
10:00 – 15:00

前々から行きたく、何度も計画を立てたのですが、何故かその都度機会に恵まれず・・・
一体いつになったら行けるんだ!って、歯痒い思いをし続けてきた旅館です。
今回、やっと入浴を果たす事が出来ました。感無量です・・・

たどり着いてみると、なかなか立派な旅館です。お風呂の写真を見た限りではとても雰囲気良かったので、少し意外と言うか、期待はずれな気がします。
しかし、受付を済ませ、お風呂へ向かう途中、そのような思いは一瞬で掻き消えました。
なんと、建物裏手が湯畑になっており、噴気がもうもうと上がっているんですね。
何だか嬉しくなってしまいます。
お風呂場は、宿の門構えとは似ても似つかない、湯治場風情を良く残したとても渋いものになっていました。

さて、まずは内湯です。
雪が降ったらペチャンコに潰れてしまいそうな、木造の共同浴場みたいな造りをした湯屋になっています。
浴室には浴槽が一つと、洗い場スペースがありました。
しかし、この洗い場、沢水でしょうか、冷たい水が水槽に張られているだけで、一体これでどうしろと言うような造りをしています。
恐らく、髪の毛を洗う際などは、温泉と沢水を割って利用すると言う事なんでしょうね。
宿泊者は一体どうしているのだろうかと思いましたが、どうやら、宿泊者専用の内湯もあるみたいです。

肝心なお湯ですが、青白く白濁するもので、強い硫黄臭がする、私が期待した通りのものです。
少し熱めに調整されており、鮮度はなかなか良い感じです。
長湯出来る温度ではありませんが、湯小屋の風情が良いので、お湯から出てボーっとしているだけでも、お湯に入っているときと変わらない、癒しの一時を過ごす事が出来ます。
浴槽内のお湯と、自分の体から立ち上る、硫黄の香りを嗅ぎながら過ごす一時。
何とも幸せな時間が過ぎていきます。
ココは良いナァ。
内湯だけでかなり満足でしたが、名物露天風呂にも行って見る事にしました。

露天は、内湯から桟橋のような道を歩き、50メートルほど離れた場所にあります。
恐らくは、本来は服を着た状態で移動するものと思われますが、皆さん、裸のまま内湯と露天を行き来されています。
途中、噴煙立ち込める湯畑などを見ることが出来、ムードは最高です。
思わず、秋田八幡平のふけの湯を思い出してしまいました。

で、たどり着いた露天風呂。野天風呂と言ってもいいような、実に野趣溢れたものです。ただ・・・人多すぎ。ま、覚悟はしていましたが・・・
1.5m×3m程度(目測)程度の小さな湯船ですが、最大で8人も鮨詰め状態で入っていました。
当然足など伸ばせる筈も無く、みんな、体育座りで隣の人にぶつからないよう気を使いあっています。

大量加水されている様子で、湯口から注がれるお湯は妙にぬるいです。
そのため、浴槽全体のお湯も温い。入浴客数も多く、顕著な劣化がすぐに分かります。
内湯と比べると別物と断言出来る程に浴感が乏しい、褒めどころを探すほうが難しいコンディションです。
うーん、雰囲気は良いんですけどね。人の多さとお湯の質、私にとっては留まる理由がありませんでしたので、早々に内湯へと引き返しました。
惜しいなぁと思いつつ、でもまぁ、こんなものでも、内湯が空いてくれる一因と思えば、私的には有り難い存在です。
思わず、白骨温泉の泡の湯露天風呂を思い出してしまいました。
人がいない夜中なんかに、星をボーっと眺めながら入れば気持ちが良いかも知れません。

お湯良し(内湯に限る)、風情良し、立地良し。
なんだかんだで、満足度は非常に高いものでした。
やっぱり来れて良かったと、つくづく思います。
機会を見つけて泊まってみたい一湯です。

2006-9/18

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