福島県飯坂温泉

平野屋旅館(飯坂温泉) ★4.0

アルカリ性単純温泉

福島市飯坂町字十綱町17
貸切内湯×3
024-542-3227
宿泊 : 3800円(素泊まり) ~

3月の連休にあたる11日と12日に連泊で宿泊して参りました。
宿の検索には、インターネットの「じゃらん」を利用しました。
飯坂温泉には、この「平野屋旅館」以外にも多くの旅館やホテルがあるのですが、ここはとりわけ駅に近く、また、一泊一人3800円と非常に安価で宿泊する事が出来ます。

まず外観ですが、お世辞にも綺麗とは言えない、よく言えば歴史を感じる佇まい、悪く言ってしまえば、古い建物です。
これは飯坂温泉全体の問題ですが、平野屋の周囲にはバブル崩壊後に倒産したホテルや大型旅館などがそのまま廃墟になっていて、夜になっても部屋に明りが付かず、一種異様な光景が広がっています。
また、建物は多く立ち並んでいるのですが、商店や飲食店などは、閉店している所が非常に目立ちます。
「温泉街だし駅も近いし、多分食べる所は幾らでもあるだろう」と思って素泊りにしたのですが、食事が出来る所を探すのに非常に苦労しました。
(初日の夜は地元のスーパー「アルタ」で食料を買い込んで旅館で食事。
二日目は、凍える寒さの中を探し歩いた挙句、やっと見つけた「平居」でラーメンと餃子を食べました。)

旅館内部ですが、外観と正比例するように、古く、歴史を感じる造りになっています。
今回通されたのは、「桜の間」という、10畳に6畳の次の間がついた、広々とした部屋です。
室内も相応に古く、お世辞にも綺麗な部屋とは言い難い年季の入ったものですが、恐らく開業当時はかなり贅沢なお部屋だったのでしょう。
壁や天井、障子等に、当時の面影を残す「粋」な造りを見て取れます。
私を含めて4人という人数で宿泊をしたのですが、2泊3日を広々と快適に過ごす事が出来ました。

お風呂ですが、大浴場1箇所と小さめの浴場が2個所、計3個所あります。
いずれも内湯で、特に男女の区別は無く、入った人が中から鍵を掛けて勝手に貸切に出来ます。
ここの造りもなかなか趣があり、一言で言うと「昭和」。

ともすると見落としてしまいますが、大浴場前の番台が使っていたと思われる受付部屋や、途中の階段にある天井など、じっくり観察していると賑やかだった頃の面影を味わう事が出来てなかなか楽しいです。

お湯は飯坂温泉の源泉掛け流し。飯坂温泉のお湯は無色透明の単純温泉で、あまり個性的ではありません。
飯坂のお湯を、自販機に売られている飲み物で例えるならば、「美味しい水」だと思います。
つまり、ガブ飲みしてしまえばただの水ですが、じっくり味わえば「ほほぅ・・・」と、ジュースやコーラと違う、素朴でクリアな味わいがある事に気が付く。
新鮮なお湯を広いお風呂でゆっくりと味わう事が出来、とても気持ちが良かったです。

なお、お湯が熱い事で知られる飯坂温泉ですが、どうやらそれは公衆浴場での話。
旅館のお湯はちゃんと熱すぎないように調整されています。
大浴場の浴槽は、私が入浴した時で43度。一般的に適温と言われる41度よりも若干熱いですが、寒い東北の冬は芯からしっかり暖まるこれくらいの温度で丁度良かったです。

今回の旅行は、飯坂にある9箇所の公衆浴場巡りが目的で、平野屋旅館に対しては安く泊まれる事以上の期待を抱いていませんでした。
しかし、いざ泊まって見れば、どこか癒される「昭和」の風情を残す、ただ古臭いだけではない、小さな魅力が沢山ある建物や、計算外だった源泉掛け流しの新鮮なお湯。
そして、何より特筆すべきは、宿のおもてなしです。
湯巡りから帰ってくると必ず「お帰りなさい」と声を掛けてくれる旅館スタッフ。
一回お願いしただけなのに、とてもこまめにポットのお湯を変えてくれる気配り。
そして、チェックアウト後、私の車が旅館から見えなくなるまでお見送りしてくれた宿の主人。
細かい事を挙げればキリが無いのですが、素朴で小さな心配りが良く出来る、とても素晴らしい旅館でした。
今後、飯坂だけでなく、高湯や土湯、岳などの福島近郊の湯巡りをする際には、是非ともまた湯巡りの拠点として利用したいと思いました。

2005-2/11

温泉と言えばケロリン桶。ケロリン桶と言えば黄色。
しかし、平野屋の大浴場には、ケロリン登場から僅かな期間しか製造されなかった貴重な白ケロリンが普通に現役で使われていました。
私が持参したマイ白ケロリン桶と一緒に記念撮影。

些細な事ですが、この旅館の歴史を感じる事が出来、少し幸せな気分になれました。

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