山形県

西屋旅館 (白布温泉) ★4.0

含硫黄-カルシウム-硫酸塩温 泉
(白布2号源泉) 59.7度 / ph7.1
Na+ = 60.7 / Mg++ = 1.6 / Ca++ = 300.3
Cl- = 7.5 / HS- = 1.9 / HSO4- = 739.2 / HCO3- = 85.6
H2SiO3 = 102.7 / H2S = 2.2
蒸発残留物 = 1230mg

山形県米沢市関1527
0238-55-2480
男女別内湯
500円
12:00 – 15:00

白布温泉に3軒ある旅館のうちの一つがこの西屋旅館です。
白布温泉は昔ながらの茅葺屋根が残る温泉地として有名でしたが、2000年に隣接する中屋本館から出火し、中屋本館と東屋旅館が焼失してしまいました。
幸いな事に西屋だけは難を逃れ、茅葺屋根の建物を残すのはここ一軒だけになってしまっています。
内外装共に昔の湯治場風情をよく残している建物で、始終テンションが上がりっぱなしになってしまいました。

さて、肝心のお風呂ですが、内湯のみです。
実に風情がある造りをした浴室で、こう言う歴史を感じる浴室に入ると無条件に嬉しくなってしまいますね。
浴室内には5人程入れる湯船と、打たせ湯、2人入ると一杯な小さな湯船があります。
打たせ湯は湯口の役割も果たしており、大きい方の湯船と繋がっていて衝立のような壁で遮られていいました。
まずは大きい方の湯船に浸かる。ホースで多少の加水がされているらしく、少し温めの適温に調整されています。
お湯は無色透明。所々に黒い湯花が舞うもので、少し焼けたような薄い硫黄臭がします。
湯船からざぶざぶとお湯が溢れ出す大量掛け流しで、なんとも言えぬ心地よさに時間を忘れてゆっくりと入浴出来ました。

次に、小さい湯船に入ってみる。こちらは一切加水されていない完全掛け流しで、湯口からは手でも触れないほどの熱湯がドバドバと掛け流されています。
当然ながら、浴槽内のお湯はかなり熱く、48度以上ありそうです。
一応入って肩までしっかり浸かってみましたが、あまりの激熱にすぐに飛び出してしまいました。
もう一つ、打たせ湯ですが、こちらも同じく手でも触れない程の熱湯です。
こんなお湯で打たせしたら、火傷するっつーの!
いつもこんな熱いのかな?
氷点下の冬場でこんなに熱いなら、夏は一体どうなってしまうのでしょうか???泉質云々ではなく、無理なものは無理って事で、適温の浴槽にすごすごと引き返しました。
うーん、源泉100パーセントのお湯を目の前にしながら、加水された湯船に浸かるのも少し悔しいですが、熱湯で火傷の恐怖に怯えるよりもこっちの方が気持ち良いからヨシとしましょう。
見事な湯屋造りをした天井を眺めながら入っていると、加水なんてちっぽけな事だと思えてくるから不思議ですね。

日本が誇るべき文化、温泉。
その集大成が詰まっているような風情ある建物は、お湯云々ではなく素晴らしいものがあります。
中屋と東屋の茅葺建築が焼失してしまったのは残念でなりませんが、この西屋だけでもいつまでもこのままの姿で残って欲しいものですね。
激しくオススメの一湯です。

2006-2/4

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