山形県蔵王温泉

すのこの湯 かわらや (蔵王温泉) ★5.0

酸性・含鉄・硫黄-アルミニウ ム-硫酸塩-塩化物温泉
(川原屋源泉) 48.1度 / ph1.7
H+ = 22 / Na+ = 49.3 / K+ = 30.6 / Ca++ = 89.8
Al+++ = 172 / Mg+ = 52 / Fe++ = 28 / Mn++ = 3
F- = 23.4 / Cl- = 447 / HSO4- = 1100 / SO4– = 1492
H2SiO3 = 152 / HBO2 = 6.9 / H2SO4 = 60.8 / H3PO4 = 2.9
CO2 = 314.9 / H2S = 10.1
成分総量 = 4060mg

山形県山形市蔵王温泉43
023-694-9007
男女別内湯
500円
9:00 – 20:30 (冬季は20時まで)

私が大好きだったかわらや旅館さん。2010年3月に火災で全焼してしまいました。
大変に気に入っていた宿だっただけに、当時そのニュースを大変な驚きと悲しみで聞いた事をよく覚えています。

しかしその後再建され、2011年5月に「すのこの湯 かわらや」さんとして再開されました。
焼失などがきっかけでそのまま廃業してしまう宿が多い中、復活してくれたのはすごく嬉しいです。
一度行ってみたいと思っていたのですが、蔵王自体なかなか行く機会に恵まれず、結局こんな遅くなってしまいました。

建物はすっかり変わっております。日帰りでの利用がメインになった事もあってか、駐車場がかなり広くなりましたね。
基本的に日帰り施設ですが、朝食付きのみでの宿泊を受け付けているようです。
リニューアルしたら高級路線過ぎて二度と行けなくなってしまった・・・ みたいな所が多いので、これは素直に嬉しいです。
自販機で入浴代を払い、受付で渡して、中へ。

浴室は以前と全く変わっていません。
火災前に撮影した写真と見比べてみましたが、間違い探しみたいなものですね。話に聞くと、浴舎だけは焼失から免れたのだそうです。
そのままで残っていてくれているのがすごく嬉しいです。

お湯の印象は以前と同じ。
上湯共同浴場あたりで入るとビリっと来て攻撃的な印象ですが、かわらやさんのお湯は以前と変わらず、どこか少しマイルドで肌触りがよく、優しいです。
硫黄臭は少し控えめ。
かといって塩化物泉のように体が火照って汗が引かないなんて事もありません。不思議な程に汗が止まり、肌がサラサラして気持ちが良い。酸性でかつ、硫黄と芒硝を多量に含む泉質のお陰で、皮膚表面の脂分がすっかり取れる感じです。
私にはこのお湯が一番肌に馴染みますが、乾燥肌の人は湯上りに化粧水や乳液をしっかりつけた方が良さそうな気もします。

ちなみにこのかわらやさんのお湯、以前のレポートで「蔵王のお湯は体が温まらないけれども、このかわらやさんのお湯は温まる」と書いています。
蔵王のお湯が温まり難いという印象は今も変わりません。
今回の入浴でひとつ気が付いた事があり、それは「かわらやさんのお湯も他の蔵王の温泉と同じで、体が温まり難い」と言う事です。
でも、かわらやさんのお風呂に入ると、とても体がよく温まるのです。

一体どういう事か?

木の温もりに包まれた足元自噴の湯舟に浸かる。至福のひと時ですよね?
でも、お湯に浸かっていると体が熱くなってくるので、「そろそろ出ようかな」となります。お湯から出ていきなり脱衣所直行・・・ はせずに、洗い場で少し涼みますよね?
お湯からあがると不思議とすぐに汗が引くので、「仕上げにもう一回入っておくか・・・」となって入るわけです。
ぐーっと足を延ばし、足元から湧き出るお湯を堪能。やっぱり気持ちが良い。ぼーっと見上げるとなかなか見事な天井。なかなか出られなくなり、気が付いたらまた温まりすぎてしまう。
「今度こそ出ようかな」と思って洗い場に上がります。涼みながら湯舟を眺めていると、みるみるうちにお湯が満たされていき、そのうち湯舟からあふれ出すようになります。湯面が鏡のように綺麗になり、湯底のスノコもよく見えます。
思わず見とれていると、また体が冷えてきます。「もう一度入るか・・・」なんてお湯につかると、気持ち良くて出れない。
今度こそ帰ろうと思いお湯から出る。でもちょっと名残惜しい。洗い場で少し休む。するとまた体が冷えるから、また入る。

出る → 入る → 出る → 入る・・・

出るに出られないんです、気持ちよすぎるから!
結果的によく温まるんですよね。

もしも短時間だけの入浴であったら、他の蔵王のお湯と同じで、温まり難いって結論になっていたと思いますよ。

浴後女将さんと少しお話をさせて頂きましたが、とても感じよくて、これはまた泊りに来なければと再認識しました。
今度はゆっくりしていきます。それまでお元気で!

以前とは変わったのは建物だけ。
以前と変わらない、素晴らしい温泉でした。

コメント