重曹泉
(田中温泉)80.5度 ・ 複数源泉所有
宮城県玉造郡鳴子町大口字鷲ノ巣24
0229-82-2010
混浴内湯 ・女性用内湯 ・ 家族風呂 など
200円
東鳴子温泉の一角、私が何度か宿泊した事のある高友旅館の目の前にある旅館です。
一言で言うと、不気味。ボロ。お化け屋敷。あ、三言も言ってしまった。^^;
何故なら、昼はともかく、夜になっても電気がついておらず、やっているのかいないのか分からないような状態なのです。
何度目の前まで行って、入れずに断念した事か・・・
今回は意を決して突入しました。
駐車場に車を停めると、意外や意外、他にもお客さんがいるみたいです。
ただ、施設はちょっと異様。人を拒むかのような玄関は締め切りになっており、端っこの通用門みたいな狭いドアから中に入ります。
受付に人がいない事が多いと聞いていましたが、この日はちゃんといました。
入浴料は僅かに200円。
玄関は電気がついておらず、昼間だと言うのに薄暗いです。自販機の明かりが妙にまぶしい。お風呂は家族風呂や混浴大浴場、女性風呂があるようです。
私はとりあえず混浴大浴場、紅鮭は女性風呂に向かいました。
混浴の大浴場はとても広々としています。
浴室の中央には中庭があり、それを取り囲むように浴槽が2つあります。
どちらの浴槽も同じお湯で、黒味を帯びた濃い黄褐色のものが張られています。
このお湯が実に特徴的で、一言で言うと高友の黒湯に似ているかも知れません。
ガソリン系アブラ臭、焦げ臭、微硫黄臭、臭素臭などが混じった、何とも不思議なものです。うーん、気持ち良い・・・?
と言うか微妙。効きそうなお湯です。
肌触りはツルツルで、適温なのですが、泉質のせいか、矢鱈と汗を掻きます。
立派な造りをしている浴室に違いないのですが、何だか薄暗く、かなり鄙びています。
かえってそれが落ち着くもので、ゴロンとトドになるとなかなか気持ちが良いですね。
お湯を口に含んでみたところ、意外な程にアッサリしています。微塩分と、微硫黄味、薬味を感じました。
ちなみに、女湯に入った紅鮭曰く、そちらのお湯はアブラ臭がしない、単純温泉っぽいものだったそうです。
ただ、湯船にカエルの死骸があったとかで、もう二度と来たくないとか言っています。
ある意味田中らしい演出ですが、コマッタコマッタ。
今まで雰囲気が怖かったので敬遠していた田中温泉。
不気味な鄙び方はどうかと思いますが、お湯は結構よかったです。
立ち寄りだったらまた来ても良いかなぁ・・・?
紅鮭は車で待つことになるでしょうが。^^;
2006年5月6日-初訪問時のレポート
2009年6月20日-再訪
東鳴子温泉にある、名物旅館、田中温泉。なんと、2009年の6月末をもって、廃業すると言うではありませんか!
私は一度訪れていますが、ココの強烈な風情と、お湯の良さは、今でも鮮明に覚えています。入れなくなってしまうなんて、寂し過ぎます。
いてもたってもいられず、廃業前の滑りこみで立ち寄りしてきました。
ちなみに、今回鳴子で湯めぐりをしたのですが、それも全て、この田中温泉に入るために組んだ行程なのです。なんと、東京から鳴子まで日帰りしてしまいました。
いままで日帰りの北限は福島の白河でしたので、大幅に記録更新です。
さて、そのお風呂。以前は貸切風呂や女性用のお風呂があったのですが、今は混浴大浴場だけとの事です。ありゃりゃ・・・?
女性用のお風呂を覗いてみたら、確かにお湯が張っていません。貸切風呂も密かな楽しみにしていたのですが、まぁ、仕方が無いかな。何はともあれ、混浴風呂へ。
中は、田中の最後を惜しんでか、妙に多くの人で賑わっています。
私も廃業を知って慌てて来たひとりですが、普段からこれくらい活気があれば、廃業などせずに済んだのかも知れません。
大浴場の風情は昔と変わらずです。円形の浴室の中央には吹き抜けがあり、その吹き抜けに沿った湯船と、外周に沿った湯船があります。
前回はどちらも黒湯でしたが、今回は吹き抜け側の湯船のお湯が白濁していました。
まずはその白濁のお湯。ずっしり重くて力強いお湯です。強い硫黄臭と、潮臭に、金気臭らしきものと、ゴムが焦げたようなアブラ臭が交ります。
なんと言うか、一言で言うなら、これは田中臭です。他に表現のしようがない、いろんな成分が交る複雑なお湯と言う印象です。
お湯の温度は43度くらいで、適温です。しかし、お湯そのものが非常に濃く、また、塩分を含んでいるせいで、ずっしりと重くて体力が奪われます。
こんな良いお湯が今月いっぱいで入れなくなってしまうなんて・・・
続いて、外周の湯船。こちらに張られたお湯は墨のような黒いお湯で、透明度が高く、湯底に沈めた自分の足先がはっきり分かります。温度は40度程度で、温めです。
じっくり入っていられる温度ですが、こちらも成分が濃いのか、ずっと入っていると湯あたりしそうです。
臭いは白濁のお湯と明らかに違います。硫黄臭も多少しますが、比較すると弱いです。
代わりに、こちらもゴムアブラ臭が強めで、これまた他の成分と融合して、摩訶不思議な臭いです。
白濁のお湯が田中臭Aだとしたら、このお湯は田中臭Bです。どの成分がどのように反応して・・・とか、考えてしまうのは、いささか無粋な気がして来ます。
一言で言うならば、良いお湯です。それ以上の説明は不要じゃないかな?
お湯に浸かって、中央の吹き抜けを見ていると、まるで光の柱です。幻想的で神々しくも感じます。
ボーっと見ていると、この光の柱を伝って天に召されそうな気になってきます。
こんな極上なお湯がなぁ~・・・廃業なんて、残念だなぁ。
でも、考えてみれば、田中は廃業するんじゃないかと言う噂は、前々からありましたし、むしろ今まで頑張ってくれたと考えるべきかも知れません。
目の前にある高友旅館も、一昔前は「新田中温泉」なんて呼ばれていた時期があるようです。そんな歴史ある温泉が廃れてしまうなんて、これも時代の流れなのかな?
お湯自体が枯れた訳ではないので、今後は何か別の形で残るかも知れません。今後も湧き続けるであろう田中温泉を、陰ながら応援していきたいと思いました。
田中旅館、お疲れ様でしたと言う気持ちでいっぱいです。
少し名残惜しさを感じながらその場を後にしました。
願わくば、こんな思いは、もう他所ではしたくないものです・・・
コメント
20年位前 何度か湯治に 三種類の温泉があり竈門だきのご飯が🍚とっても美味しく不思議に心も身体も癒されて帰ってきたものです♪ いわゆる観光旅館ではありませんね、このところ疲れているので 行きたいと思って調べたら閉館なのですね!ガッカリ😮💨
>>匿名さん
コメントありがとうございます。
田中温泉ですが、2009年の6月末で廃業していますので、もう12年経つんですよね~
全国的に見てもかなり珍しい泉質のお湯でしたので、入れなくなってしまった事はとても残念です。
最近はコロナや災害の影響もあって、廃業してしまう旅館が多いですよね~
入る事が出来るうちに入りに行きたいなぁと思う今日この頃です。
宿泊や日帰り温泉としては廃業となったので、不特定多数の一般客は入浴不可ですが、完全には廃業していないので特定の知り合い(昔からの利用者で会員になった人?)であれば今でも入浴可能です。
丸新別館とこちらは入浴できるうちに入浴しなかったことを後悔しています。
新規会員になることはできないようなので、現会員の方と親族になるぐらいしか入浴する補法はないのかな?
廃業した理由は温泉の成分が濃すぎて排水の為に濾過槽を設置しなければならなかったが高額過ぎて設置できなかったってことらしいですね。
>>匿名さん
田中がジモ専化しているのは、実は知ってましたw
でもまぁ、表向きは廃業ですし、入れるかもしれないと思って突撃する人がいると宿にもご迷惑をお掛けしますので、当ホームページでは廃業として扱っています。
廃業の理由は知りませんでした。そういう事情だったんですね~?
濾過器以前に、お世辞にも宿としての設備にお金を掛けている様子無かったので、それでトドメを刺した感じなのかもですね。