宮城県東鳴子温泉

高友旅館(東鳴子温泉) ★4.5

含硫黄重曹泉 ・ 重曹硫化水素泉
含土類重曹泉 ・ 純重曹泉

宮城県玉造郡鳴子町大口字鷲ノ巣18
4つの源泉に7つの内風呂
0229-83-3170
日帰り料金 : 500円

とにかくユニークな宿です。

まずは、泉質がとってもユニーク。
有名な黒湯(写真)をはじめ、他にも自家源泉を所有しており、計4種類のお湯を楽しめます。
湯の特徴はどれも個性的で語りつくせないのですが、とにかく「濃い!」の一言につきます。
あまりに濃くてきつい油臭のする強烈な湯は、温泉にあまり興味無い方には敬遠されるかも知れません。人によっては「汚れている」と勘違いされる事もしばしば。。。
その分効能は豊かで、うそかホントか、半身不随で歩けなかった人が歩けるようになったとかいう話まで伝わっています。

次に、浴室がとてもユニーク。
悪く言えば「管理がなっていない」、良く言えば「自然のままの掛け流し」浴室の管理は誰がしてるの!?ってくらいにお湯が熱いです。
貸切の家族風呂があるのですが、そこなんて75度の源泉垂れ流し状態で、そのまま入ると確実に火傷します。
もう、「勝手に水でも入れて温度調整してくれ!」状態。
でも、嫌な感じは一切しません。むしろ、特濃の天然温泉を自分流に味付けして入れる事に喜びすら感じます。
間違い無く言えるであろうことは、ここは嘘も偽りも無い、本物の温泉だと言うこと!

最後に、建物がとってもユニーク。
もう、いつ倒壊するの!?ってくらいに古い建物です。また、部屋やお風呂の場所は入り組んでおり、何も考えずにふらふら歩いていると確実に迷います。
夜になると、その異様さはさらに様子を増します。あちこち暗く、まるでお化け屋敷状態。
7つあるうちのひとつの浴槽なんか、一度階段を上がり、ふすまが外されている空室と空室の間を抜け、暗い階段を手探りで降り、湯の音を頼りにたどり着いた先にあったりします。

と、まあ、誉めてるのかけなしてるのか分からない紹介になってしまいましたが、興味ある方は是非とも行って見ることをお薦めします。
好きか嫌いか、どちらかにハッキリ分かれると思います。少なくとも、印象に残らなかったという事にはならないんじゃないかな?
ちなみに私は大好きです。このレポートを書いている時点で、すでに3度宿泊しています。
気に入っていなければ、3度も宿泊しないですよ・・・^^;

2007年1月2日再訪

おなじみ、東鳴子と言えば真っ先にその名前が思い出される、高友旅館です。
鳴子初心者な頃に3度宿泊しているのですが、それから暫くの間訪れていなかった事もあり、久しぶりに再訪してみました。
今回利用したのは混浴の黒湯のみ。相変わらずの荒廃ぶりで嬉しくなってしまう浴室に、相変わらず変な臭いのする黒湯が張られていました。
やっぱココ、凄いな~!

最後に高友に入ってから、色んな温泉を巡り歩きましたが、ココのようなインパクトがあるお湯はなかなかありませんでした。
お湯の価値が分からない頃は★3.5なんてつけていた時期もありましたが、見識の浅さに今更恥ずかしい思いです。
今回入って改めて感動しました。★は限りなく満点に近い、4.5に格上げです。

また泊まりに来たいなーっと。

2020年 1月 3日 - 宿泊

私にとって高友温泉は温泉巡りの原点となっている宿の一つです。
はじめて宿泊をしたのは2004年5月22日。週末ドライブ行くのにどこか安い宿は無いだろうかとじゃらんで探して、たまたま見つけたのがここだったのです。
1泊2日の旅行で入った温泉はこの高友温泉だけ。ドライブをして温泉旅館に泊まり、その宿の風呂だけに浸かって帰る。まぁ、普通の人の旅行ですよね。
当時はまだ温泉マニアではありませんでした。

それ以前に入った事のある東北の温泉は、いわき湯本(福島)、酸ヶ湯と猿倉(青森)、湯の越(秋田)だけで、高友で5箇所目です。ご存じの方も多いと思いますが、全部濃くて良いお湯の温泉ばかりです。
そんな温泉ばかり入った後の高友でしたので、「さすが東北!全部の温泉が濃くて凄いなぁ!」と思い込んでいました。
私にとっては東北、とりわけ鳴子の温泉のハードルをとんでもないレベルまで引き上げて上げてしまった罪深い温泉です。その後鳴子で他の宿を回った時、高友が基準値だったため、どこも少し薄く感じていた時期がありました。

そんな思い出がある高友温泉。立ち寄りではたまに利用していましたが、宿泊するのは久しぶりです。
ちなみにこの時は一人旅。普段は紅鮭が一緒なのですが、この時は正月と言う事もあり子供を連れて鹿児島に帰省していたんですね。
温泉仲間に高友に泊まると言ったら「え? 高友!? お湯は良いけどボロいじゃん?他に宿なかった!?」くらいの事を散々に言われました。
いや、私、この高友の雰囲気大好きですよ。しかも正月に一人で泊まるなんて、色んな意味で自分の人生を反省出来そうで良いじゃないですか!かなり前から泊まる事を楽しみにしていましたよ?
ちなみに高友に宿泊するのはこれで4度目です。15年のうちに4回って、少ないと感じる人もいるでしょうけど、あちこちの温泉浮気(宿泊)しまくっている私が4回も泊っているっていうのはかなり珍しい事なのです。

宿泊を楽しみにしていたので、私からしたらかなり早い15時過ぎにチェックイン。宿はボロでもお宿の人は優しいです。帳場で受付をしながら素朴なやりとりが心地いい。

↑ この日の寝床、自炊部3階の角部屋でした。1泊素泊まりで6,450円(税込)です。鳴子基準だとかなり高いけど、館内湯めぐり出来る事を考えたらリーズナブル?
部屋には簡素な台所があります。蛇口をひねると赤さび色の水が出てくるのは昔から変わっていません。ミネラルウォーター持参で泊まりましょう。

↑ 高友の象徴であり絶賛される最大のウリここ、黒湯です。揮発性のアブラ臭でクセになる温泉マニア続出の名湯。混浴だけど宿泊すれば女性専用時間あり。深呼吸すると脳みそが溶けそうになります。

↑ プール風呂、黒湯の隣にあります。別源泉で揮発アブラ臭は無く、ほんのりと優しい硫黄臭+粘土臭。黒湯の印象が強すぎて影が薄いですが、これ単体でもかなり良いお湯です。

↑ 黒湯脱衣所と黒湯隣にある婦人風呂。婦人風呂は男性入浴不可(紅鮭撮影)

↑ ラムネ風呂の隣にあるひょうたん風呂(男性用)、これはこれでとても濃くて気持ちが良いお湯です。ラムネ風呂と同一源泉。泡付き無し。

↑ ラムネ風呂、基本的に女湯ですが時間帯で男性専用になります。僅かな泡付きあり。土類と硫黄とアブラが入り混じったような臭いで特徴的なお湯、泡が付かなくても十分気持ちが良いです。

↑ 自炊棟の1階にある貸切風呂。湯底に湯花が大量沈殿していてかき混ぜるとぱっと舞い上がります。誰も入っていないと60度以上で熱いので加水必要。ほんのり硫黄臭の優しいお湯。プール風呂と同一源泉かな?

↑ 貸切の家族風呂、普通絶対気付かないような場所にあります。帳場で受付の際も説明がありませんでしたので帳場のご主人に聞いたら、少しニヤッと笑い「知ってるの?じゃあ入っていいよ」との事。後で高友公式ページ見たらはたご宿泊者のみ入浴可となっていました。ありがとうございます。
ほんのりアブラ臭と土類+鉱物臭、複雑な臭いがする特徴的なお湯ですが少しマイルドで優しい印象です。

余談ですけど、友人から散々「なんで高友!?」と言われながらの宿泊でした。むしろ、「なんで駄目なの?」と思っていた私。
部屋は一人で泊るには十分に広く、ファンヒーターも元気に動いて部屋を暖めてくれています。
館内で湯めぐりを楽しみ幸せに包まれ就寝、、、 したのですが、明け方4時に寒くて目を醒ましました。
寝るときには元気に動いて部屋を暖めていたファンヒーターが燃料切れで止まっていたのです。
今年は暖冬とは言え、正月の鳴子は流石に寒いです。布団に包まって頑張ってみましたがどうにもなりません。
お陰で早起きでき、だいたいいつ行っても人がいる黒湯を独り占めで入浴出来ましたので、悪い事ばかりではありませんけどね。

でもまあ、そういう所も含めて私は好きな宿です。
きっとまた宿泊すると思いますよ。今度は娘たちも一緒に来よう。きっと誘い文句は「お化け屋敷みたいで楽しい温泉があるよ!」ですね。

ただ、「温泉? 素敵♪ 良いなぁ私も行きたいなぁ~♪」なんて感じの夢見る乙女には絶対にお勧め出来ません。付き合いたてのカップルなんかが行ったら破局迎えそうな気もします。
色んな意味で濃いお宿です。繰り返しますが、私は大好きです。

コメント