宮城県

三浦旅館 (湯浜温泉) ★4.5

単純温泉 – 内湯
(いわなの湯) 57.5度 / ph7.8 / H3.8.30
Na+ = 117.5 / K+ = 9.2 / Mg++ = 0.4 / Ca++ = 8.5
Cl- = 155 / F- = 2.4 / HCO3- = 73.1 / SO4– = 29.5
H2SiO3 = 157.9 / HBO2 = 80.8 / 溶存物質総量 = 634.9mg

硫黄泉 – 露天

宮城県栗原市花山字本沢岳山1-11
090-8925-0204
男女別内湯 ・ 混浴露天風呂
500円
7:00 – 19:00

岩手との県境ほど近くにある秘湯です。国道398号線、秘湯を守る会の宿として有名な温湯温泉「佐藤旅館」から更に進んだところにあります。
国道沿いの駐車場に車を停め、山道を歩くことおよそ10分。山の中にある一軒宿が、今回宿泊で利用したこちら、三浦旅館です。
自家発電に頼り、夜はランプの光だけで過ごす、所謂「ランプ宿」です。
ランプの宿はココだけでなく、全国に数箇所あるようですが、今まで機会無く泊まった事がありませんでした。どんなものかと期待で胸が膨らみます。

何はともあれ、まずはお風呂。こちらには男女別の内湯と、混浴の露天風呂があります。

まずは内湯。お宿の中にあり、こぢんまりとした普通なものです。
簡単な洗い場と湯船がひとつあります。
お湯は無色透明で、玉子スープのような白い湯花が沈んでおり、かき混ぜるとひらひらと舞い上がります。
お湯からは優しい潮の香りと硫黄臭が漂い、湯口のお湯を口に含むと、臭いから想像がつく通りの、薄塩味と硫黄味がします。
何となくですが、福島の西山温泉のお湯に似ているような印象があります。

少し熱めに調整されていて、体が芯から暖まり、グッタリと疲れますがとても気持ちが良いです。
洗い場にトドになっていると無上の幸せを感じる事ができ、とても気に入りました。

続いて露天風呂。こちらは宿からおよそ5分くらい歩いた所、駐車場から宿に向かう山道の途中にあります。
掘っ立て小屋のような脱衣所と、岩風呂があるだけのとてもシンプルなもので、ヨシズに覆われているので山道からは直接見ることが出来ません。
目の前には川が流れており、野趣溢れるとても開放的な造りをしています。

こちらのお湯は、宿の内湯とは別源泉で、硫黄泉です。
透明なお湯で、肌触りがツルツルするとても心地が良いものです。
今回はたまたまお湯を張り替えた直後、オーバーフローが始まる前の一番鮮度が良い状態で入浴する事が出来たのですが、素晴らしい浴感に感動してしまいました!
感触としては、典型的なアルカリ性単純温泉って感じです。私の中のイメージとしては、鹿児島にある吹上温泉「みどり荘」の露天風呂って感じでしょうか。
東北でこれだけピュアなアルカリ性の硫黄泉はちょっと珍しいかも知れません。
ランプの光に照らされ、出たり入ったりを繰り返しているうちに、気が付いたら1時間以上の時間が経過していました。

さて、このお宿、前述の通り、ランプの宿です。
今回初めて泊まった感想としては、「悪くない、いや、とっても良いかも!?」です。

一言で言うと不自由。なんせ、部屋は勿論、廊下、階段、トイレ、お風呂、夜中露天へ向かうまでの山道、全てランプの光のみに頼らなければなりません。
でも、その不自由さが実に楽しいのです。ランプの灯りを頼りに山道を歩いていると、来るときに歩いているただの山道も、まるで冒険の舞台のような楽しいアトラクションに変わってしまいます。
歩いた先に露天を見つけた時の喜びと言ったら・・・!
そこに露天がある事は予め分かっていた事で、明るいうちに確認済みなのですが、それでもなんか、宝物を発見したような満足感を味わう事が出来ます。

部屋に戻ると、仲間との語らい。普段は蛍光灯の元、それはそれで楽しいひと時なのですが、ランプの灯りの下だと、なんだか雰囲気が違います。
話している内容はいつもと変わらず他愛も無い事ですが、とても楽しいのです。
薄暗い部屋の中、たったひとつあるだけのランプの光を中心に、何故だか不思議と話が弾みます。
宿泊前は、「きっと長い夜になるだろうなぁ」と思っていましたが、振り返ってみるとあっと言う間に時間が過ぎていってしまいました。

お湯も演出も最高なとても素晴らしい一湯でした。
ココは立ち寄りでは魅力の半分も伝わらない気がします。
利用する際は是非とも宿泊する事をオススメします!

2007-5/12

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