秋田県

湯の越の宿 (湯の越温泉) ★4.5

含硫黄-ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉

秋田県南秋田郡五城目町内川浅見内後田125-5
018-854-2683
男女別内湯
400円
8:00 – 20:00

初訪問日 : 2004年 5月 3日
再訪日 : 2012年 8月 12日
レポート執筆日 : 2020年 5月 22日

私にとっては非常に思い出深く、湯めぐりの原点とも言えるお宿です。

初めて訪問したのは2004年のゴールデンウィークでした。
その頃の私は免許を取り立てで、とにかく車でドライブをする事が楽しく、週末になるとあてもなく走り回っていました。
旅先で温泉に入ることもありましたが、あくまでもドライブが目的です。
温泉自体は嫌いではありませんでしたが、あまり意識はしていませんでした。

運転も拙く、北東北に車で来ること自体が初めてだった私にとって、この時旅行は大冒険でした。紅鮭と一緒にじゃらんなどを読み、どこに行くか大雑把に決めただけで北上開始です。
節約も兼ねて東京からずっと一般道を走り、仙台 → 気仙沼 → 盛岡 → 青森 → 竜飛岬とめぐりました。
途中で入った温泉は猿倉と酸ヶ湯の2箇所だけです。当時の私は、宿泊先のビジネスホテルのお風呂で十分だったのです。
未知の領域だった東北地方。見るものすべてが初めてで、楽しく感動の日々でした。

でも、はじまりあれば終わりありです。北上しきったら後は戻るだけ、楽しかった連休も終わりが近づいてきました。寂しさと名残惜しさを感じつつも、そろそろ日常に戻らなければなりません。
車の中で休憩しながら夜中掛けて一般道を南下するつもりでいたので、そのまえに風呂代わりに温泉に入ろうとなりました。
近くにどんな温泉があるかなんて知らなかったので、ナビで近くの温泉を探しました。その時たまたま出てきたのがここ湯の越温泉だったのです。
楽しかった旅の最後の観光、期待に胸を膨らませてたどり着いた先は、静かな集落の中にある小さな宿でした。
温泉地と言う雰囲気が無くて少しガッカリしたことを覚えています。

浴室に入った第一印象は、「歯磨き粉臭い!」でした。
洗い場で地元の人と思われるオジサンが2、3人、みんな仲良く、何故か歯を磨いていました。浴室に充満する歯磨き粉臭。。。 う~ん、控えめに言って最悪! その前に入った酸ヶ湯や猿倉の雰囲気から比べたら、だいぶ違います。
でも、歯磨き粉の臭いに勝るとも劣らずハッキリと分かる、強い硫黄の臭い。

お湯自体はとても気持ちがよく、長時間の運転で浸かれた体を癒してゆっくりできました。
温泉から出た後も自分の身体から硫黄の臭いが消えず、湯の越の臭いを自宅まで持ち帰ったのをよく覚えています。
それにしても、歯磨き粉の臭い、強烈でした。忘れたくても忘れられない、記憶にこびり付く臭いでした。

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で、時は少しだけ流れ。
本格的な温泉好きになったのはそれから1年も経たないうちの話です。
そして、ふと思い出すわけです。
あの時の真っ白に濁った歯磨き粉臭い温泉、どこだっけ・・・?と。
調べたらそれがここ「湯の越温泉」だという事はすぐに分かりました。

ただ、再訪しようと思っても、場所は秋田県。それも、ちょっと行きにくい場所にあるんですよね。
ずっと気になりつつ、たまに秋田に来る機会があっても他にも色々と行ってみたい所があってそちらを優先したりして、なかなか再訪出来ずにいました。

やっと再訪が出来たのは初訪問から8年も経った後の話です。
以前は木の湯舟でしたが、石造りで立派になっていました。
張られていたお湯は思い出の中にあった通りのものです。真っ白に濁り、ハッキリと強い、でもどこか優しい、心地の良い硫黄臭がする温めのお湯です。

あの旅行の後、全国各地で色々な温泉に入り、それなりに経験を積んだ私です。その私が改めて断言できます。このお湯は記憶していた通りに素晴らしいです!
ただ一つ、記憶と違っていたのは、歯磨き粉の臭いが全くしなかった事ですね。

この日も相変わらず地元の方達で賑わっていました。ご近所の方たちが銭湯代わりに利用されているみたいです。
あのとき歯磨きしていたおじさん達も、きっと地元の方達だったのでしょう。

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2020年5月。
あれからまた8年の歳月が流れようとしています。

最近耳にしたのですが、2020年3月末をもって湯の越温泉が休業したそうです。これがただの休業で、そのうちまた復活してくれるのか、それとも完全に廃業なのかは分かりません。
中国で発生したコロナの影響で世界中が大混乱し、明日がどうなるかも分からない日々。あちこちの温泉が廃業に追い込まれており、その知らせ聞くたびに胸が痛いです。
その中でも、私にとって思い出深い湯の越温泉の休業は、殊更に胸が締め付けられました。

コロナ騒ぎが落ち着いたら、毎日入りにくる地元の人たちの為にも、きっと復活してくれるに違いない。
そう信じ、再び入れる日を待ち続けます。

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