岩手県

夏油温泉観光ホテル (夏油温泉) ★4.5

カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉
(新太郎の湯)
47.8度 / ph6.8 / H13.6.29
Na+ = 209.9 / K+ = 14.1 / Mg++ = 12.1 / Ca++ = 470.5
H+ = 6.0 / Cl- = 160 / HCO3- = 90.3 / SO4– = 1332
HS- = 0.3 / H2SiO3 = 94.1 / HBO2 = 42.6 / CO2 = 22.1
H2S = 0.6 / 成分総計 = 2451mg

カルシウム・ナトリウム-塩化物泉
(蛇の湯)
38.3度 / ph6.4 / 4L / 自然湧出 / H13.6.28
Na+ = 821.4 / K+ = 134.8 / Mg++ = 61 / Ca++ = 397.9
Mn++ = 3.7 / Li+ = 2.7 / Cl- = 1626 / HCO3- = 555.8
SO4– = 504.8 / I- = 1.4 / Br- = 3.9 / H2SiO3 = 104.2
HBO2 = 89.3 / CO2 = 192.7 / H2S = 0.2
成分総計 = 4500mg

岩手県北上市和賀町岩崎新田畑入山国有林
090-5834-5139
男女別内湯 ・ 男女別露天風呂 ・ 貸切露天風呂
600円 (貸切露天風呂を使用の際は +300円別途)
10:00 – 18:00 (最終受付17:30)

夏油元湯の手前、夏油山荘のすぐ隣にあるホテルです。
ホテルとは言っても、少し年季の入った鄙びがかっているもので、この時がたまたまかも知れませんが利用者も少なく、とても落ち着ける雰囲気です。

お風呂は男女別の内湯と、離れた所に混浴の露天風呂があります。
まずは内湯。使い込まれて年季の入った脱衣所で服を脱ぎ、浴室へ。
浴室に入った瞬間、その造りの良さにビックリしました。とても鄙びていて良い感じなのです!
その光景は、まるでつげ義春のスケッチに出てきそうな、いかにもと言う感じの湯治場風情です。手前に洗い場、奥に浴槽が縦に2つ並んでいます。
いやぁ、素晴らしい造りです。
ではでは、早速お湯を・・・

まずは、手前側のお湯。無色透明で僅かに濁って見えるものです。
ここのお湯は、この後に入る露天風呂と同じ「新太郎の湯」と言う源泉を使用しているとの事。湯船に張られたものは、少し温めで、柔らかい肌触りです。
さて、どんな臭いがするかと嗅いでみたところ・・・
こ、コレはっ!この素敵な浴室の造りからは到底想像が出来ないような、塩素臭がするではありませんか!まさかこんな山奥でピュアな塩素泉に出会ってしまうとは!
本場イタリアのカフェでパスタを頼んだらスパ王が出てきたくらいの衝撃です。
うーん、幾ら風情良くても、これじゃちょっと・・・

続いて奥の湯船。こちらの浴槽には「蛇の湯」と言う源泉が張られています。
同じく少し温めで、見た目には殆ど変わらない無色透明のものです。恐る恐る臭いを嗅いでみたところ・・・
こちらは大丈夫、不快な塩素臭は一切しません。
肌触りはシットリとする感じのもので、僅かに潮のような臭いと、芒硝臭の崩れたような臭いがします。
塩化物泉との事で、お湯から上がると少しだけベタつくような肌触りが残ります。

惜しむらくは、源泉投入量に対して浴槽が広く、そのうえ温度が温いので、鮮度があまり宜しくない事でしょうか。
ただ、風情は良いですね。自分がこの湯小屋の中の一風景になれたと思うと、少し幸せな気分になれました。
長時間ゆったりと長湯するには向いているかもしれません。

内湯の次は、露天に入りました。
露天は建物から離れた場所にあり、サンダルを履いて100メートルほど
川原に降りていく必要があります。
折りしも雨、傘の手持ちが無かった私は、雨に打たれながら遊歩道のような道を降りる事になったのですが、暫く進むととても素朴な露天風呂が見えてきました。
川が氾濫すると一瞬で沈んでしまうような場所にあり、簡単な脱衣所があるだけです。
湯船は岩風呂がひとつあるだけで、川の水面と殆ど変わらない高さにあり、とても野趣溢れる造りをしていました。

お湯は、うっすら白濁気味な透明のもの。降り続いた雨で加水されてしまったのか、少し温めで、40度を下回るものです。
ところどころ黒い湯花状のものが見えましたが、場所が場所だけに、湯花ではなく落ち葉などのカスと思われます。
僅かに石膏臭と芒硝臭がするもので、とても柔らかい印象。湯口は無く、なんと、足元自噴でした。

川原の一部をそのままお風呂にしたような浴槽底の一部から熱めのお湯がこんこんと湧き出ています。その真上に陣取って入ると、ちょうど腰の部分だけポカポカに暖められ、まるでその部分だけストーブに当てているような心地よさ
があります。
湧出量は浴槽全体の広さから考えるとあまり多く無く、折角の足元自噴ですが湯船に張られているお湯全体の評価としては、鮮度が良いとは言えない状態です。
ただ、湧き上がる源泉を腰で感じながら入っていると、鮮度なんてとても些細な事に思えてきて・・・
目の前を流れる川を眺めながら、ボーっと幸せな時間を過ごす事が出来ました。

お湯の鮮度や質だけで考えた場合、あまり高くは評価出来ないのですが、内湯の風情や野趣溢れる足元自噴の露天風呂などを考えた場合、とても印象深く、素敵な所でした。
是非とも宿泊して露天の足元自噴を時間気にせず堪能してみたいです。
その前に勿論夏油元湯を利用するつもりですが・・・
またひとつ課題として増えてしまった一湯です。

2007-5/13

2019年 9月 6日 - 再訪

夏油元湯に連泊で宿泊した際、子供も一緒に朝の散歩をしていたら何故かここ、観光ホテルの前についてしまいました。
この時、朝の8時です。本来であれば立ち寄りの受付時間外です。
宿の前で売られていた珍しいキノコ(コウダケ)を眺めていたら、中からご主人が出てこられました。


元湯に宿泊していて散歩していた旨を伝え、ダメ元で「立ち寄りで入れますか?」と聞いてみたところ、時間外にも関わらず「良いよ良いよ!」と快く受け入れて下さいました。

久しぶりの夏油観光ホテル。
ご主人が「ゆっくりしていってね!」と仰って下さったお言葉に甘え、男女別内湯、男女別露天、そして足元自噴の貸切露天風呂の3箇所、時間を掛けてじっくりと堪能させて頂きました。

そういえば、以前は混浴だった露天風呂、貸切にしたんですね!
正直なところ、それが正解だと思います。
3箇所とも素晴らしいお湯で大満足でした!!!

2023年 7月29日 - 初訪問・宿泊(朝食のみ)

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気の合う温泉仲間達と一緒に、夏油温泉しました。

宿泊したのは湯治部で朝食のみなので、部屋は至って簡素です。
でも、気の合う仲間達と持ち寄ったごちそう?で語り合う楽しいひと時に部屋の良し悪しは関係ありません!

この日実際支払った金額は、仲間が持ち寄った食材なんかも折半で計算されていましたので、実際の所幾らだったのかは良く分かりません。
とりあえず格安で泊れました!

ちなみに、お宿のページで確認してみると、素泊まりだと税別で4000円だそうです。
安いので文句の付けようがないのですが、それでも少しだけ欲を言うとクーラーは欲しいですね。
東北の岩手と言っても夏はそれなりに暑く、汗だくになってしまいました。
日が暮れてから涼しくなり、寝る頃には快適な涼しさになっていましたけど・・・

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肝心のお風呂ですが、およそ4年前に訪れた時とほぼ同じです。
最初に入ったのは大浴場、男湯(なのかな?)です。

湯舟が2個並んでいて、手前が白猿の湯源泉、奥が蛇の湯源泉。
手前は熱くてヘロヘロになるので、奥にある少し温めの蛇の湯源泉をメインに浸かりました。
温度差かもしれませんが、白猿の湯は少しペタペタする印象。蛇の湯源泉の方がサラサラです。
どちらからもほんのりと温泉臭。

初訪時のレポートを読み返してみたら、白猿の湯の浴槽で塩素臭を感じたとありましたが、この日は全くそんな事ありませんでした。
どちらも素晴らしく気持ちが良いお湯でした。

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なお、この男女別大浴場ですが、夜の18時~18時30分頃を目途に、男女を入れ替えるそうです。
時間を跨いで日帰り入浴時間では利用出来ない女湯側にも入浴する事が出来ました。
(なお、前回再訪時に撮影した女湯側の写真も掲載していますが、見学だけで入ってはいないので、実際に入るのはこれが初めてです!)

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なんというかですね、語彙力が無いので簡単な一言で済ませますけど、素晴らしいです!

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湯舟は全部で3つあります。
お宿の公式HPによると、蛇の湯源泉は男湯にしか引かれていないので、3つある湯舟全てで白猿の湯が使われている事になりますね。

まず脱衣所から入って一番手前の湯舟。
結構アチチです。体感で44~45度位。

別に入ろうと思えば入れるし、これくらいの温度は嫌いじゃないけど、この日はひたすら暑い日で一日を通して汗だく、部屋にもクーラー無いしで、あまり攻める気になりませんでした。
なので、チャポって浸かって、それだけで済ませました。
湯口にこびり付いた温泉成分の析出が見事です。

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続いて、浴室内の一番奥に堂々と鎮座する一番大きな湯舟です。
湯口に白猿の湯と書かれている通り、白猿の湯源泉が張られています。

個人的にここが一番落ち着きました。
温度は約40度で、ちょっと温めです。
何度も繰り返しますが、この日はとても暑かったので、温い方が気持ち良く入れるんですよね。

析出物がビッシリこびりついた湯口からは熱い源泉が注がれていますが、湯舟の大きさから考えたら量は決して多くありません。
お湯の鮮度と言う話をしたら、正直に書くと、良くはありません。
でも、しっかり柔らかくなるまで揉まれている印象で、肌にシットリと馴染むんですよね。
基本的に私は鮮度抜群でビシバシ攻撃的なお湯が大好きですが、たまにはこういうお湯も良いですね。

ふんわり香る温泉臭に包まれながら、足を伸ばして全身の力を抜くと、体がそのままお湯に溶けていくような感覚になります。
あぁ、このままお湯になって一生を終えても良い! なんて思えてくるわけです。

実際そんな事があったらちょっとした事件ですけど・・・

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女湯側にはもうひとつ、入口からだと衝立越しに見えない場所にお一人様サイズの壺湯があります。
その名も金運の湯。
入ると金運が上がるのかどうか分かりませんけど、何だかご利益のありそうな湯舟です。
(なお執筆時点では効果の程は確認出来ておりません)

夜中入った時はひたすら温くて、極上気分でしたが、朝風呂で入ったら熱湯になっていました。
湯口が蛇口タイプなので、誰かがお湯を出し過ぎたのかもですね。

それにしても、この蛇口にへばりつく析出物は凄すぎます。
誰が名付けたか知りませんけど、通称「エビフライ」だそうです。

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内湯だけではなく、露天風呂も堪能しました!
実はこの露天、前回も入っている事だし、今回はパスしようと思ったんですよね。
T-Kさんが熱心?に誘ってくれたので一緒に入りました。

ちょっと熱めです。
でも、お湯の鮮度も良く、大浴場のお湯とは少し違うフレッシュな温泉臭が実に素晴らしい!
ずっと浸かっているとヘロヘロになるので、お湯から上がって掛け湯しながら過ごす時間の方が長かったですが、とても気持ちが良い湯浴みをする事が出来ました。

寝る前に入ったので、お陰で気持ち良くぐっすりと寝る事が出来ました。

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最後に、夏油温泉観光ホテルと言ったら欠かせないのがこちら、川沿いにある足元自噴のお湯、新太郎の湯です。

前回訪問時と同様、今は貸切風呂として利用されています。
一組で30分と言う時間制限つき。
露天風呂まで行って帰ってくる時間まで考えると、あまりゆっくり出来ないのが少し残念ですが、一箇所しか無い温泉を少しでも多くの人に楽しんで貰う為には仕方が無いかもですね。

目の前に川が流れる野趣あふれる温泉で、しかも足元自噴です。
こんな時にビシッと決められる言葉があれば良いのですが、とりあえず思いつかないので、ありふれた一言で書くと「最高!」です。

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↓ とりあえず成分表

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最後に食事ですが、今回は夕食は持ち込みで済ませました。
湯治部には自炊室もあるので、食材さえ持ち込めば簡単なものであれば調理出来ます。

今回の旅行は花巻市がテーマでしたので、花巻のグルメを持ち寄ってお腹いっぱいになりました!
注. 夏油温泉は北上市です、花巻市ではありませんw

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たまにフラッと来たくなる夏油温泉。
冬季閉鎖されてしまうので雪深い時期は来れませんけど、次はもう少し涼しい時期に来たいと思います。

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