下風呂温泉青森県

足湯 (下風呂温泉)

含硫黄-ナトリウム・カルシウ ム-塩化物温泉
(海辺地2号泉) 57.2度
Na+ = 896.3 / K+ = 109.5 / NH4+ = 2.7 / Mg++ = 59
Ca++ = 239.6 / Mn++ = 7.0 / Cl- = 1797.7 / Br- = 3.8
So4– = 273.8 / HCO3- = 219.4
H2SiO3 = 71.3 / HBO = 254.2 / CO3 = 607.9 / H2S = 55.2
成分総量 = 4605mg

青森県下北郡風間浦村大字下風呂字下風呂
男女別内湯
0175-35-2111 (風間浦村観光課)
無料

唐突ですが、歴史の話を少々・・・
第二次世界大戦中、本州最北端、下北半島の大間崎は、軍事上の重要拠点として、俄かに注目を集めました。
その大間崎へ軍事機材を運ぶ為、「大間鉄道」の建設が開始され、1939年には第一期工事が完了し、下北から大畑までの区間が開通しました。
その後の第二期工事で、大畑から大間までの鉄道建設がはじまったのですが、戦争の激化による資材、人員の不足から1943年には工事が中断。
終戦を迎えた後も、作業が再開される事は無く、当時の作りかけの陸橋などがそのまま残されました。
そして、大間鉄道は、地元の人と、一部の鉄道マニアのみぞ知る、 幻の鉄道として、半世紀以上もの長きに渡り、静かに語り継がれる事となります。

さて、そんな寂しい歴史を持つ「幻の大間鉄道」に、ひょんな事から再び日の目を見る機会が訪れます。
風雨に晒されていた大間鉄道の「作りかけの一部」を、何とか有効利用出来ないかと考えた自治体が出てきました。
それがここ、下風呂温泉です。
下風呂温泉の温泉街には、数多く残る大間鉄道の遺構でもひときわ立派な、13連のアーチ陸橋が残されていました。
その陸橋に、総事業費1億2000万円を投入し、「鉄道アーチ橋・メモリアルロード」を整備。
2005年4月19日、下風呂温泉の新たなシンボルとなるべく完成しました。

さて、このメモリアルロードですが、基本的 にはアーチ陸橋の上を歩けるだけという、ただの遊歩道。
しかし、目の前には津軽海峡が広がり、とても心地の良い遊歩道です。
晴れた日中には遠く北海道を見渡せ、夏の夜には水平線の漁火を見ることが出来そうです。うーん、ロマンチック!
そして、温泉好きにとって何より嬉しいのが、この陸橋の途中にある、駅舎を模した東屋で、足湯が用意されていて、誰でも利用する事が可能です。
旅館の女将さんが強くオススメしてくれた事もあり、完成したての足湯を早速利用してみました。

足湯は、何組か同時に利用してもスペースが足りるであろう、なかなか広々としたものです。
源泉が気持ちよくドボボド投入されており、正真正銘の源泉掛け流し。
臭いは、大湯よりもハッキリと分かる、とても心地よい硫黄臭。何より特徴的だったのは、お湯の色で、墨汁を溶かしたような、薄い墨色に濁っていました。
私が宿泊した「まるほん旅館」の女将さん曰く、新湯とも大湯とも違う、別源泉なんだそうです。
あまりにも気持ちが良いお湯なので、他に誰も居なかったことをいいことに、思わず全身浴してしまいました。
(その後、「非常識だ!」とご指摘下さる方もおり、今はただただ反省しております・・・)

しかし、ね・・・ 良いお湯を見ると、やっぱ全身でお湯の良さを味わってみたいのは人情。
大湯、新湯に続く、第三の共同浴場として、是非ともこのお湯の良さを多くの人に味わってもらいたいモンです。
そだなー・・・
やっぱ、メモリアルロードを渡った先に作るのはどうでしょう?
半露天みたいにして、海を一望出来る造りにする。当然、メモリアルロードを利用する人も増え、一石二鳥。

物騒な軍事物資を運ぶ筈だった陸橋が、湯上りポカポカ、笑顔溢れる人々が行き交う橋になってくれれば、、、
幻と消えた大間鉄道も、きっと幸せなのではなかろうかと思う、今日この頃。

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