北海道

てしお温泉夕映 (天塩温泉) ★4.5

最終入湯日 : 2008-7/18

ナトリウム-塩化物強塩泉
(天塩温泉) 38.9度 / ph7.3 / H11.2.9
Na+ = 11350 / K+ = 490.5 / MH4+ = 282.2 / Ca++ = 103.6
Mg++ = 115.3 / Fe++ = 0.5 / Cl- = 17160 / HCO3- = 3464
HS- = 0.1 / CO3– = 5.2 / Br- = 27.7 / I- = 1.2
H2SiO3 = 99.1 / HBO2 = 83.8 / CO2 = 230.5
成分総計 = 33180mg

北海道天塩郡天塩町字更岸
01632-2-3111
500円

今回の道北湯めぐりで、豊富温泉と並んで、 何が何でも行きたいと思っていたのがここ、てしお温泉の「夕映」です。
私の尊敬する大先輩が、かつてこの地を訪れ、「西方の湯が大○系悪臭だとすると、ここは小○系悪臭だ!」と衝撃的なレポートし、それは一体どんなお湯なのだと、とても気になっていました。
今回その念願適ってたどり着く事が出来たのですが、駐車場に車を停めただけで、感動で身震いしてしまいそうです。
果たして、本当に小○系悪臭なのでしょうか。施設に足を踏み入れるのが少し怖い気もしますが、極めて平静を装い、中に入りました。

内部は、実に立派な造りをしており、所謂センター系と言う感じの造りです。
扉を開けた瞬間に悪臭が襲ってきたらどうしようかと思いましたが、当然そんな事はありませんでした。
お風呂は2階だそうです。
結構な数の利用者がいるので驚きです。皆さん、やっぱりお湯の臭いに釣られてやって来るのでしょうか?

脱衣所は普通です。壁に、「源泉100%です」と言う、頼もしい事が書かれています。噂によると、浴室入った直後に引き返したくなる程の強烈な臭いだそうではありませんか。さて、そのお風呂に入ってみると・・・!?

・・・あれ? 意外と普通?

でも、冷静に臭いを嗅いで見ると、なんか変です。
確かに悪臭と言うか、薬品臭と言うか・・・ 今まで嗅いだ事の無い匂いがします。
なんだか、目がしぱしぱします。
とりあえず、お湯に浸かってみましょう。
広々とした浴槽には、熱めの湯、温めの湯の他に、ジャグジーや薬草風呂や水風呂など、いろいろと揃っています。
鮮度が一番良いと思われる、熱めの湯に浸かってみました。

お湯は紅茶色で、透明。僅かに黒い湯花が舞っています。
とりあえず湯口のすぐ脇に陣取ってみました。
肌触りはツルツル。食塩泉なので、お湯から上がると、ベタベタに変わります。
湯口の真横だとお湯の鮮度が素晴らしく、じっとしていると少量ながら体毛に気泡が付着します。
ガツンと温まる、重く感じるような力強いお湯で、とても良いです。
湯口のお湯を口に含んでみると、強い塩味がします。
さて、その臭いですが・・・

えぇと、何だろうこれ。今までに嗅いだことの無い匂いに戸惑います。
まず、ベースはアブラ臭だと思うんですよね。揮発性の強烈な臭いがします。
あとは、薬品臭とでも言うのかな? 私の今までの湯めぐり経験の中でも、この臭いは嗅いだことがありません。
湯口に鼻先をくっつけて、深呼吸してみたところ、鼻の奥がツーンとしてきて、ちょっと痛いです。
同時に、スースーしてきて、鼻の通りが良くなったような気がします。何故かむしょうに目がしぱしぱします。
ずっと入っているとヤバイと本能が教えてくれているようです。
でも、期待していた小○臭は感じる事が出来ません。
うーん、なんか違うのかなぁ?

ちなみに、紅鮭曰く、この不思議な臭いは、美容院のパーマ液の臭いに似ているのだそうです。
私はパーマなんてしないのでそれがどんな臭いだか分かりませんが・・・

続いて、露天風呂にも入ってみました。
こちらにも同じ源泉が張られています。三角形の湯船で、先細りになっており、日本海から吹き付ける冷たい風でお湯の表面が波立っています。
三角形の頂点の部分に湯口があるのですが、お湯が止まっています。代わりに浴槽内から熱いお湯が注がれており、どうやら循環で利用されているみたいです。

こちらのお湯は、内湯とだいぶ印象が異なります。
なんと、僅かですが、例の臭いがするのです。そう、小○系悪臭です。
吹き付ける海風でその臭いは留まる事がありませんので、あまり気になりませんが、お湯の臭いをじっくり嗅ぐと、はっきりと分かる臭素臭と、かすかながら例の臭いがします。
代わりに、揮発性のアブラ臭は影を潜めて、深呼吸しても鼻の奥をツーンと突くような刺激がありません。
あぁ、これだこれだ! これこそが私が求めていた悪臭なのかも知れない!
恐らくですが、小○系の悪臭は、お湯が劣化することで強調され、新鮮なお湯からは揮発性のアブラ臭が強くて影を潜めてしまっているのでは無いかな?
劣化したお湯が、もし内湯に張られていて、その臭いが充満していたとしたら・・・
考えるだけでも恐ろしいですね。

ともあれ、悪臭をしっかり確認出来たので、少し幸せな気分になれました。
浴後しっかり上がり湯をしてからお風呂から上がったのは言うまでもありません。

念願だった夕映に来ることが出来て、とても良かったです。
悪臭と聞いて二の足を踏んでいる人がいたとしたら、少なくとも私が訪れた時点では心配に及びません。変な臭いであることには間違い無いですが、お湯が新鮮である限りは、不快とまでは行かないでしょう。
ともあれ、温泉好きで湯めぐりをする人ならば、近くへ来た際は必ず立ち寄るべき超個性的な一湯です。

(注釈: ○はニンベンに更)

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