含鉄・ナトリウム・カルシウム-塩化物強塩泉
長野県下水内郡栄村堺小赤沢
男女別内湯
0257-67-2297
500円
10:00 – 20:00
小赤沢温泉は、日本でも有数の野湯として知られる「切明温泉」のほど近く、信州の秘境秋山郷にある温泉の一つです。
秋山郷は新潟県の津南駅から国道405号線で南下し、およそ1時間ほどの所にあります。
途中の道のりは非常に狭く、すれ違い困難な箇所が多くある場所のため、運転に自信の無い方にとっては苦難の連続となるでしょう。
豊かな自然に囲まれた山間の秘湯で、お湯に浸からなくても心身共に癒されるような、とても素敵なロケーションです。
さて、今回私が利用した楽養館は、山小屋風の外観をした日帰り専門の入浴施設です。
内部には休憩所や食堂があり、所謂日帰り施設としての設備は一通り揃っています。
「日帰り施設」と聞くと、風情のカケラも無いスーパー銭湯のようなものをイメージしてしまう私ですが、この楽養館は違います。
ヘタな湯治宿では太刀打ち出来ないような、とても鄙びた癒される雰囲気です。
さて、お風呂ですが、勿論男女別ですが、内湯だけです。
折角自然に囲まれた場所にあるんだから、露天があれば良いのに・・・とも思いましたが、浴室に入って納得。
まるで東北の湯治場に来たかと錯覚させるような、実に風情がある、外に出るのが惜しい造りをしていました。
「風情がある」なんて言葉では形容しきれません。湯治場の歴史と野趣が入り混ぜになった、もはや芸術の域に達している雰囲気と言うしかありません。
肝心のお湯はと言うと、「これ、泥でしょ?」と言いたくなるほどに強く濁った、赤錆色をしたものです。
鉄分を多く含むらしく、臭いは強金気臭と、見た目通りな土類系の臭いがします。
浴槽は2つで、10人程度入れるちょっと浅めな湯船と、2人用と思われる寝湯があります。
どちらも非常にぬるく、体感で38度程度。
舐めてみた印象は、強食塩味で鉄味と苦味の混じった、非常にマズイものです。
肌触りは若干ザラザラし、塩分が多く含まれている為か、とてもベタつくお湯でした。
温いので長湯出来るのですが、後から塩分がジワジワと効いてきて、湯上りは体が芯から温まりました。
泉質、風情、どちらをとっても素晴らしい、大満足の施設でした。
いつまでも今のままの姿で残っていて欲しいと思いました。
なお、これは余談ですが、楽養館の裏庭(?)に浴場から出た廃湯をプールしている湯溜まりがあります。
ぱっと見、絶好の野湯ポイントに見えてなりません。
こんな開放的な所で入浴出来たら気持ちが良いだろうなぁ~・・・と思いつつ、当然の事ながら入浴はしませんでしたが・・・
ちょっと気になりました。
2005-7/17
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