ナトリウム-塩化物温泉
(源泉名:西ききょう温泉 2号井)
62.4度 / ph7.0 / 動力揚湯 / 毎分400L / R1.9.9
Na+ = 2593 / K+ = 153.3 / NH4+ = 1.2 / Mg+ = 269.6
Ca+ = 694.8 / Mn+ = 0.2 / Fe+ = 2.0
F- = 0.4 / Cl- = 4879 / Br- = 2.6 / I- = 0.5
SO4- = 890.2 / HCO3- = 951.5 / CO3- = 0.7
H2SiO3 = 57.7 / HBO3 = 29.5 / CO2 = 174.8
成分総計 = 10700mg
北海道函館市西桔梗町441-1
0138-49-7294
男女別内湯・露天風呂
大人 390円、小学生 150円、未就学児 無料
5:00 ~ 23:00
お盆休みを利用して北上、下北半島の大間崎 → 函館までフェリーで渡っての函館湯めぐり。その最後を飾ったのはこちら、西ききょう温泉です。
今回湯めぐりをするにあたり、色々と調べ、「ここは絶対に入りたい!」と言う所は何箇所もありましたが、ここもその中のひとつでした。
案内してくれたのは、今回の旅にお付き合い下さったT-Kさんです。
T-Kさんの車に乗って、T-Kさんの運転で来たので、どこをどう走ったのかはイマイチ分かりません。
ただひとつ言える事は、とても変な場所にあります。
ついさっきまで市街地走っていたのに、温泉に近づくにつれて風景が変わり、その一帯だけ空地と言うか更地だらけで、妙にだだっ広く閑散とした場所に出ます。
途中で「え? 本当にこっちで合っているの?」と言う気分になりました。
そんな中にポツンとあるのがこちらの温泉。
すぐ近くには野球場やサッカー?などのグラウンドがあるので、そういうエリアなのかも知れません。
さて、そんな場所にある温泉。
センター系で立派な施設だと想像していたのですが、なんとも素朴な建物でした。
建物内部も少し雑然としていて、ちょっと仮設チックな感じすらあります。
途中に待合室があるのですが、そこの壁には何故か長野県の渋温泉でやっている湯めぐり手ぬぐいが飾られていました。
渋温泉の湯めぐり、私も大好きでこれまでに3回? 4回かな? 行っていますけど、何故函館で!?
何とも手作り感のある館内です。
待合室の隣にはロッカーがあり、「え? もうここから脱衣所!?」と思ったら、使い古したロッカーを男女別の脱衣所を仕切る壁代わりにしているだけでした。
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訪れた時間が夕方だったせいか、既に地元の方達で賑わっていました。
内湯と露天がありますが、どちらも人でいっぱい。
まずは内湯。入ってすぐに目に飛び込んで来るのが、3つ並んだ円形湯舟。
これは土管なのでしょうか? 土管にしてはかなり大きい気がしますけど、こんなサイズもあるのかな?
張られているお湯は僅かに笹濁りで、変色した土管状の湯舟(以降、土管と表記)の影響もあると思いますが、茶褐色に色付いて見えます。
それぞれの土管には熱めのお湯がザブザブと注がれている掛け流しです。
てっきり、土管によって温度が違うのかと思いきや、どの土管もおおよそ44度位です。
言うまでもなく、鮮度ば抜群に良いです!
内湯にある洗い場のカランから出るお湯も温泉です。
源泉温度が高くお湯だけだと熱いので、桶の中に水も注いで適温にする方式。
お湯からは強めの金気臭と潮臭に似た成分臭がします。
湯口のお湯を口に含むと、ハッキリわかる塩分と金気味、苦味もありました。
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続いて露天風呂。
内湯から露天に出る事が出来ますが、脱衣所ともダイレクトで出入り出来ます。
こちらにも土管が3つ並んでいました。
温度は脱衣所から見て手前2個が熱めで、矢張り44度位です。
両方に入り比べましたが、どちらが熱いとかはありません。
お湯の印象は内湯のものと同じで、鮮度抜群で気持ちが良いお湯です。
一番奥の土管だけが水風呂になっていました。
内湯と露天、どの土管に入っても温度が高くてヘロヘロになったので、この水風呂はとても有難いです。
温泉と水風呂を行ったり来たりしていたら、エンドレスで入浴出来ます。
話によると、この水風呂も地下水らしく、多分鉱泉になるだろうとの事。
温泉に比べると特徴は僅かですが、ほんの少し金気臭と成分臭を感じました。
この後フェリーに乗って帰らなければならない為、あまりゆっくり出来なかったのが心残りです。
いつかきっとまた来ようと思います。
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最後に余談ですけど、前述の通り、地元の方達で賑わっていました。
皆さんご近所なのかな? お知り合いのようで、挨拶したり雑談したりと、楽しそうです。
でも、なんか不思議なのが、知り合い同士でも同じ土管に入らず、それぞれがひとつずつの土管に分かれて入っているのです。
その土管から首を出して大声でお喋りして、土管から出て涼むにしても、土管を真正面に見張るように座っているのです。
「この土管は俺のもんじゃい!」って主張するヌシみたいです。
誤解が無いように書いておきますが、その方達から何かされた訳はありませんし、むしろ私が入るとニコニコしながらスペース開けてくれる、皆さんとても良い人達です。
余所者が珍しかったのか、「どこから来たの?」なんて声を掛けてくれて、水風呂に入っていたら「この水風呂も鉱泉なんだよ」「3日清掃しないとコケが生えるんだよね、ほらここ緑色でしょ?」なんて気さくに教えてくれたりしまさいた。
でも、なんか、ほんとみんな土管からピッタリついて離れないんですよね。
その土管に生息するモンスターみたいで、何だか可愛らしいかったですw
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来る途中で不安を感じる不思議なロケーション。
手作り感満載な建物。
土管湯舟が醸し出す最高の風情。
鮮度抜群でザブザブと掛け流される気持ちの良いお湯。
火照った体を冷ます鉱泉水風呂。
土管を大事に守り続ける土管モンスター。
函館湯めぐりの最期を飾るに相応しい、素晴らしい温泉でした!
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2023年 8月14日 - 初訪問・日帰り入浴
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