単純温泉
(志張温泉 B泉 E泉) 45.2度 / ph8.3 / 180L / H11.3.12
Na+ = 98.1 / K+ = 1.3 / Ca++ = 4.6
Cl- = 53.1 / F- = 1.3 / SiO3– = 56.1
HCO3- = 110.2 / H2SiO3 = 52.1 / HBO2 = 18.7
成分総計 = 426.7mg
秋田県鹿角市八幡平字切留平2-4
0186-25-8188
男女別内湯
9:00~18:00
500円(小学生250円)
下記レポートは訪問時のものです。
その後、志張元湯は復活し営業をしております。
鹿角八幡平ICから国道341号線を南下して、暫くすると、数多くの名湯がひしめく、秋田八幡平の温泉密集地帯に辿り着きます。その最初に現れるのがここ、志張温泉。
国道341号線沿いに志張温泉ホテルがあるのですが、こちらは数年前に廃業してしまい、現在は建物だけが寂しく残っています。
今回私が訪れたのは、この志張温泉ホテルの奥、国道341号線を外れて少し走った先にある志張元湯です。
さて、辿り着いた志張元湯。厳しい冬から目覚めたばかりの、美しい新緑に囲まれた渓流沿いにあり、これぞ秘湯と言う感じがする素晴らしいロケーションにあります。
周囲にはこの志張元湯以外の建物が無く、とても落ち着ける静かな環境ですね。
早速建物の中に入ります。お宿の方や、業者と思われる方が、宿からリネン類等を運び出しています。宿泊で使用した物のクリーニングでしょうか?
しかし、中に居たご主人に立ち寄りをお願いすると、なんと、「もう廃業だよ」と、驚きの回答が返って来ました。
なんと、運び出していたリネン類は、クリーニングの為などではなくて、廃業に伴い色々と整理する為のようです。
なんと・・・一足遅かったか!?一瞬落胆するも、ご主人、「風呂、清掃とかあんまやってないけど、入っていって良いよ!」と仰りました。ご厚意に甘えて利用させていただく事に。
私が「お幾らですか?」と聞くと、「もう営業してないよ、入ってけ入ってけ」と、なんと無料にして頂けました。
廃業を知らずに来る人が結構いるらしくて、ご主人がいる間はサービスで入れて下さっているようです。
さて、そのお風呂。男女別で内湯のみです。とても広々として立派なお風呂で、脱衣所から入ってすぐの所に掛け湯用の大きな桶があり、湯船はその奥。
大人数でも足を伸ばしてゆっくり入ることが出来る、大きな物です。湯船も洗い場も、すべてヒノキ造りで、とても美しいです。
ご主人は清掃とかしていないと仰っていましたが、とても清潔な印象。
今から廃業してしまうお宿のお風呂にはとても思えません。
お湯は無色透明で、無味無臭です。ほぼ適温で、肌触りが少しだけツルツルする、鮮度が非常に良くて気持ちの良いアル単泉です。
湯口からは少し熱いお湯がドボドボと注がれており、完全に掛け流し。
広い湯船に私ひとり、良いお湯を一人占めです。
とても肌に馴染む優しい感触の物で、幾らでも入っている事が出来そうでした。
濃かったり特徴的だったりするお湯は、もちろん好きですけれども、こう言う普通に気持ちが良いお湯と言うのは、成分によるまやかしが効かないので、本当に貴重だと思います。
その貴重なお湯を持つ宿の灯りが、また一軒消えてしまう・・・
残念と言う言葉だけでは表せない寂しさを感じます。
ただ、この物件は一応売りに出しているそうで、お宿のご主人の話だと買い手がつくかも知れないのだそうです。
もしかしたら経営が変わって再び利用出来るようになるかも知れませんね!
滑り込みセーフで利用出来た運の良さに感謝しつつ、復活を願ってやまない一湯です。
<2008年5月6日廃業・5月10日入浴時のレポート>
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