山形県蔵王温泉

ル・ベール蔵王 (蔵王温泉) ★4.0

酸性-硫酸塩・塩化物温泉
(源泉名:インキョ源泉、折口源泉)
50.1度 / ph1.7 / H29.1.10
H+ = 20.1 / Na+ = 42.8 / Mg+ = 83.9 / K+ = 10.4
Ca+ = 58.9 / Al+ = 32 / Mn+ = 3.1 / Fe+ = 6.2 / Zn+ = 0.2
F- = 6.8 / Cl- = 310.7 / Br- = 0.8 / I- = 0.2
HSO4- = 632.5 / SO4– = 941.2
H2SiO3 = 225.9 / HBO3 = 4.1 / H2SO4 = 31.9 / H2PO4 = 0.5
CO2 = 386.8 / H2S = 1.7
蒸発残留物 = 1948mg

山形県山形市蔵王温泉878−5
023-694-9351
男女別内湯
大人550円、子供300円
9:00 ~ 21:00

蔵王温泉の一角にあるホテルです。
ん~・・・ なんと言うか、ザックリ言うと、端っこにあります。
温泉街を普通に歩いていて、偶然このホテルの前に辿り着くって事は、基本的にありません。
ちょっと奥まっていて、目立たない所にあります。
かといって、温泉街やスキー場へのアクセスが悪い訳でもなく、とっても静かな所に建っています。
そんなわけですので、辿り着くのに少しだけ迷いました。

温泉街にある小さなお宿ばかりを見て来た私からすると、かなり立派なホテルに見えます。
建物自体はそれなりに年季が入っている感じですね。
こういうお宿って、ほっとするんですよね。真新しくて床も壁もピカピカに磨かれたホテルとかだと、なんか、ちょっと落ち着かないんです。

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フロントの目立つ所に岡本太郎氏の書が飾られていました。
受付にはミニチュアな太陽の塔も置かれています。
訪問時は「なんでだろう?」って少し気になる程度でしたが、帰ってから調べてみたら、こちらのお宿は岡本太郎氏が蔵王でスキーをする際時の定宿だったそうです。
館内には他にも岡本太郎氏の作品が色々とあったみたいです。残念、見落としました!

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日帰り入浴の敷居は低く、朝早くから夜遅くまで利用出来ます。
温泉は男女別。フロントから少し歩いた先にあります。
湯屋は建物裏手の離れにあり、途中で雪よけドームを歩くのですが、こういうの、私は大好きです。
ただの無骨な廊下なんですけど、いい味出していて、これから入る温泉への期待が高まります!

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浴室前にはお決まりの成分表がりました。
蔵王のお湯は強酸性ですので、塩素消毒を心配する必要が無いのが嬉しいです。
嬉しい事に、完全掛け流しのようで、湯使いは良さそう。
気になったのは源泉名で、「インキョ・折口源泉」と書かれていました。
初めて聞く源泉名です。
まぁ、蔵王って基本的に独自源泉だらけなので、初めてみる源泉名だからって珍しい事ではないんですけど、どんなお湯なのかは期待しちゃいますよね。

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時間によって男女を入れ替えているようですが、どちらも内風呂のみです。
私が利用したこの時は手前側が男湯でした。

ホテルの規模からしてもう少し広い大浴場を想像していましたが、かなり小ぶりです。
まるで共同浴場!? しかも壁面や床の板が使い込まれて変色し、かなり渋いです。
私の好みのストライクゾーンど真ん中で大好きな造りですけど、スキー客が戻ってきた夕方とか夜だと、かなり手狭になるんじゃないかな?

幸いにしてこの時は先客が1名いただけで、その方もすぐに出てしまったので貸切状態でゆっくり入る事が出来ました。

最初に気付いたのは浴室の狭さなのですが、次に気付いたのは臭いです。
これだけ狭くて湯気蒸す浴室であれば、硫黄臭が充満していても不思議ではないのですが、何故か硫黄臭がほとんどしません。
湯底が僅かに見える程度の灰白濁で、湯底には湯花が沈んでいました。

実際に浸かってみると、やっぱり硫黄臭は感じません。
僅かに酸っぱいような臭いがします。
湯口に鼻先を突っ込んで臭いを嗅ぐと、僅かに硫黄臭があります。
ふと思い出したのが草津のお湯。すぐにそれとはまるで違うって事に気付いたのですが、硫黄臭が前面に出て来ない酸性泉って事においては、蔵王と言うよりも草津っぽいんですよね。

これはこれで、さっぱりとして気持ちが良いです。
白濁の硫黄泉を期待して行くと、ちょっと物足りなさがあるかもしれませんけど、前日から白濁の硫黄泉ばかりに浸かっていた私からすると、これはこれで逆に嬉しかったりします。

余りにも硫黄臭がしないので、薄めているのかな?なんて思いながら湯口のお湯を手で掬って舐めて見たのですが、強烈な酸味がありました。
臭いは控えめですが力強いお湯である事には違いありませんね。
少しだけトロトロする肌触りも気持ちが良いです。
湯上りはサッと汗が引くのは酸性泉と言うよりも芒硝系の特徴かな?

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なかなか特徴的なお湯だったので満足度は非常に高かったです。
蔵王では色んなお宿に立ち寄りさせて頂いており、ある程度知った気でいましたけど、私なんかが知らない事はまだまだ沢山あるって事ですね。

これだから湯めぐりは面白いって、改めて思い出させてくれた、素敵な一湯でした。

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2023年 3月5日 - 初訪問・日帰り入浴

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