単純温泉
(源泉名:瑠璃の湯) 34.7度 / pH8.4 / 動力揚湯 / 毎分124.8L / H15.6.4
Na+ = 225.2 / K+ = 0.7 / Ca+ = 26.9 / Mg+ = 0.7 / Fe+ = 0.1
F- = 6.7 / Cl- = 102.5 / HS- = 0.2 / SO4- = 344.6
HCO3- = 73.7 / CO3- = 1.0
H2SiO3 = 26 / HBO2 = 14.2 / CO2 = 0.5
成分総計 = 823mg
栃木県日光市鬼怒川温泉滝37
0120-883-489
男女別内湯・露天風呂・貸切風呂
500円
要確認
関東を中心に激安温泉ホテルを展開するおおるりグループ。
とにかく安い事がウリで、東京から無料送迎バスなんかが出ていて、1泊2食で7,000円とか、ぶっ飛んだ価格設定から話題に挙がる事も多いお宿です。
そんな訳で、私もかねてからその存在は知っていましたけど、クチコミなどを見ると「施設が古い」とか「飯がイマイチ!」「接客がなってない!」「隣の部屋がうるさい!」などなど、安かろう悪かろう的な批判も多くて、あまり興味が沸かずにずっとスルーしていました。
でも、ひょんな事がキッカケで、職場で気の合う仲間と草津のホテルおおるりに泊まったのがつい先日の話。
行ってみたら、すごく良かったんです!
もちろんダメな点もありましたが、それを差し引いたとしても、「この金額で文句言う奴の方が頭おかしいわ!」なんて思えてしまい、すっかり気に入ってしまいました。
で、そんな折、思ってもいないニュースが飛び込んできました。
なんと、おおるりグループが運営する12箇所のホテルのうち、10箇所を売却すると言うではありませんか!
一気に10箇所ですよ!? 残るのはたったの2箇所、塩原温泉の「ホテルおおるり」と草津温泉の「ホテルニュー紅葉」だけなのだそうです。(ちなみにどちらも未湯)
せっかく、これから色んなおおるりに泊まってみようと、楽しみにしていた矢先でしたので、かなりショッキングです。
でもまぁ、閉鎖が決まってしまったのは、仕方がありません。
行けるうちに行っておこうと思い、慌てて予約を入れたのがこちら、鬼怒川温泉にあるホテルニューおおるりです。
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ナビ通りに辿り着いたホテルニューおおるり、想像通りにデカかったです!
目の前に鬼怒川が流れる絶好のロケーション、遠目に見ると激安ホテルには見えません。
近くで見ると、看板とか建物の壁面とか、最後に手入れしたのいつなんだろう?って位に古かったりしますけど、安さを考えたらそんな事は気にしちゃ駄目!
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建物に入って、エントランスやフロント周りなんかは、広々としていてまぁまぁに立派です。
宿泊したこの日は、8月最後の週末土曜日となる28日。30日で営業終了ですので、閉館前ギリギリでの宿泊でした。
閉館を聞いて慌てて来る私みたいな人達で、さぞかし混雑しているかと思いきや、思った程でもありません。
まぁ、そのへんは、コロナの影響とかもあると思うので、仕方が無いのかもですけどね。
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お部屋は、まぁ、こんなモノでしょって感じの、シンプルなものです。
布団は予め敷かれていましたが、個人的にはその方が有難かったりします。
窓からは目の前を流れる鬼怒川を見下ろせ・・・ ません!
ベランダが邪魔なんですよね~
まぁ、目の前が隣のお宿なんて部屋も多々ありますし、眺望は良い方なので、駄目とまでは言いませんけど。
折角のロケーションを生かし切れていない造りなんかを見ても、古い建物なんだなぁってのが良く分かります。
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何はともあれ、まずはお風呂。
こちらには、露天風呂、大浴場、貸切風呂があります。
まずは露天風呂。
脱衣所には「当館では源泉を持っており毎分150リットル・・・」なんて、頼もしい張り紙がされていました。(成分表だと毎分124.8リットルになっているけど、まぁ、誤差みたいなもんです)
でも、湯使いは加温・塩素・循環なのだそうで。
まぁ、これは、源泉温度が約35度と低いので、仕方がないのかも知れませんけど。
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ただ、お湯に浸かってみた感じは、悪くありません。
と言うか、凄く良いです!!!
これは私の偏見も入っていますけど、鬼怒川温泉にある大規模ホテルの湯使いって、まるで良いイメージが無いんですよね。
反感買う事を厭わずに書くと、「塩素臭くて当たり前!それが鬼怒川温泉の特徴です!」 って位に思っていたりします。
そんな訳で、激安の大規模ホテル、おおるりのお湯には、正直なところ全く期待していませんでした。
でも、入ってみてビックリです。
お湯は僅かに緑がかって見える微濁のもので、ハッキリと分かる金気臭 + 臭素臭みたいな、ちょっと複雑な臭いがします。
脱衣所の掲示によると、塩素消毒されているようですけど、少なくとも塩素臭は全くしません。
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湯口周辺は温泉成分によるものと思われる変色で赤茶色になっています。
湯口からは2本のお湯が注がれていて、手前のパイプは適温のお湯、奥の岩肌に沿って温めのお湯が注がれていました。
温めのお湯の方は、かなり金気臭が強くて、もしかしたら源泉なのかも知れませんね。
泉質は単純温泉との事で、成分表を見る限りでは、そんなに濃いお湯ではありません。
それなのにしっかりと特徴を感じる、良いお湯です。
成分分析、もう一度やった方が良いんじゃないですかね・・・?
少なくとも、私が入った限りでは、単純温泉って感じしませんよ、コレ。
お湯だけでなく、開放感もなかなかです。
目の前に鬼怒川、と言いたいところですが、かなり低い場所にあるので、覗き込まなければ見下ろすことが出来ません。
とはいえ、対岸の樹々を見ているだけでも癒されます。
余りにも気持ちが良いお湯だったので、チェックイン後と就寝前にゆっくりと浸からせて頂きました。
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続いて、大浴場。
露天風呂の方は、湯舟があるだけのシンプルなものですが、こちらには洗い場もしっかりとあります。
ホテルの規模相応に広々としているので、大人数でもゆったりと利用できます。
お湯は露天と同じ、僅かに濁って見えるもので、加温・塩素・循環と言う湯使い。
ただ、こちらも塩素臭はせず、僅かに温泉臭を感じる事が出来ます。
露天の湯口と同じように、こちらの湯口も赤茶色に変色していました。
個人的には、鮮度の違いと眺望の良さで、露天の方が好みです。
でも、この大浴場も悪くはありません。
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最後に、貸切露天風呂。2箇所があり、宿泊者は無料で30分間利用出来ます。
ただ、人気があるので、予約がいっぱいで入れなかったなんて話もチラホラと聞くんですよね。
廃業直前ですので、今回のチャンスを逃したら二度と入る事は出来ません。受付開始の15分前からフロントでウロウロして、一番乗りで予約を入れました!
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「満月」と「蒼月」の2箇所ある貸切風呂。予約の際にフロントで「どちらが良いですか?」と確認してみたところ、どちらも同じと前置きをされた上で、満月の方が少しだけ眺望が良いとの話でした。
と、言う訳で、私が利用したのは満月。
場所は、建物の屋上にあります。なんと言うか、本当に屋上なんです。
屋上にポツンと、手造り感溢れる目隠しで囲われた貸切風呂がありました。
中に入ってみると、これまた手作り感満載!
檜製の舞台湯がポツンとあるだけで、とてもシンプル。
眺望は確かに最高です。すぐ真下に鬼怒川と、それを跨ぐ橋が見えます。
開放感は抜群ですね!
小さな湯舟に源泉が掛け流されていますので、鮮度も抜群です!
お湯はちょっと温めで、体感ですけど、40度を少し下回る程度と思われます。
ずっと浸かっていても疲れません。それだけに、僅か30分だけと言う時間制限が惜しく感じます。
お湯からは僅かな金気臭と、気のせいかも知れませんが、硫黄臭も感じます。
大浴場や露天風呂で使われている源泉と同じものと思われますが、湯使いの違いは段違いで、まるで別の源泉に浸かっているような気分です。
舞台湯ってのも、爽快感の演出に一役買っていて、素晴らしいです。
お湯から出入りする度に「ザザァ~!!!」と、盛大にお湯が溢れて、良い音を立てるのです。
貸切風呂、最高!!!
鍵を貰ってフロントから移動して、写真を撮って、着替えをして、自分だけでなく子供たちの面倒を見たり、「あぁ、もう5分前だ、急がなきゃ!」なんて感じで慌ただしく出たりして、ゆっくりと入浴出来たのほんの僅かな間です。
出来ればもう少し時間のゆとりが欲しかったのは本音ですが、無料で楽しませて頂けたので、文句はありません。
何はともあれ、無事に入る事が出来て良かった!
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最後に、食事についても触れておきます。
まぁ、金額を考えたらこんなモノ・・・ と言うより、むしろ、金額考えたら十分以上の内容です。
ひとつひとつは、まぁ、安っぽいけど、とりあえずお腹いっぱいにはなります。
草津に宿泊した際はあわびの踊り焼きでしたが、今回は伊勢海老の半身がついてきました。
アルコールも最初の一杯は無料で、お替りは一杯200円です。居酒屋のハッピーアワーみたいな金額設定!
朝食はバイキング形式ですが、可もなく不可も無くで、一通りありました。
とりあえずお腹いっぱい。
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最後に、肝心の宿泊料金。
詳細は忘れましたが、宿泊料金は大人が6,600円×2人、子供が2,000円×2人、入湯税やら食事の際のお酒なんかも含めて、支払った総額は18,520円でした。
家族4人で、2食付きで泊って、たったの18,520円! ハッキリ言って、安すぎます!!!
この金額でこれだけ充実しているんだから、文句などあろう筈もありません。
ネットの掲示板や宿泊予約サイトの口コミでは、おおるりグループの宿に対して、辛辣なレビューをする人もいます。
そんな人たちに対して、草津のホテルおおるりの記事でも書きましたが、私はもう一度、声を大にして言いたい。
「金額見てから文句言え! 完璧求めるならばもっと高い宿に泊まれ!」
コストパフォーマンスの化け物みたいなこのお宿、廃業してしまうのは残念でなりません・・・
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【追記】
と、まぁ、廃業しますよって前提で紹介したこちらのレポート。途中まで書いたけど続きを書くの忘れていて 諸事情により掲載が遅くなったのですが、そんな事をしている間に再オープンしていました!
営業再開を望む声が多かったとの事で、2022年の6月から再開したとの事です。
えぇ!? じゃあ、廃業するって聞いて慌てて泊りに行ったのは、なんだったんだ!?
でも、復活は素直に嬉しいです!
とはいえ、廃業した10箇所のうち、奇跡的に復活出来たのは僅かにここ1箇所だけ。
今後また再開があるかは分かりませんけど、既に売却が完了していて、おおるりとは全く関係の無い宿として生まれ変わっている所もあるみたいですね。
財布に優しいおおるりの宿、一度は数を減らしてしまいましたが、再開も含めて、ここからの巻き返しに期待しています!
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2021年 8月28日 - 初訪問・宿泊(2食付き)
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