アルカリ性単純温泉
(源泉名:湯元ホテル 第1源泉(岩風呂))
29.6度 / pH8.7 / 自然湧出 / 毎分50.9L / H26.12.15
Na+ = 71.6 / K+ = 0.6 / Ca++ = 49.9 / Mg+ = 0.3
Sr+ = 0.1 / Al+ = 0.2
Cl- = 51.9 / F- = 0.6 / SO4- = 174.2 / Br- 0.2
HCO3- = 6.7 / OH- = 0.1 / CO3- = 6.0
H2SiO3 = 30.9 / HBO2 = 2.9
成分総計 = 396.2mg
アルカリ性単純温泉
(源泉名:湯元ホテル 第2・第3源泉(大浴場))
32.2度 / pH8.6 / 自然湧出 / 湧出量測定不能 / H26.12.15
Na+ = 78.2 / K+ = 0.6 / Ca++ = 52.6 / Mg+ = 0.3
Sr+ = 0.1 / Al+ = 0.2
Cl- = 56.3 / F- = 0.6 / SO4- = 184.3 / Br- 0.2
HCO3- = 12.5 / OH- = 0.1 / CO3- = 4.1
H2SiO3 = 32.9 / HBO2 = 3.8
成分総計 = 427.2mg
山梨県南巨摩郡身延町下部35
0556-36-0021
大浴場・岩風呂(男女入れ替え制)
日帰り入浴のみ不可
突然ですが、車を乗り換えました。
今まで乗っていたのは FIAT 500C と言う、とても小さな車。
狭いながらも一応4人乗りで、子供が小さいうちは荷物も少なくて大丈夫だったのですが、子供たちが成長するにつれて、だんだん手狭さを感じるようになってきました。
本当は 500C にかなりの愛着を感じていたので、そのまま乗り続けたかったんですけどね・・・
たまたま不具合があってディーラーに行ったところ、500C を一回り大きくした FIAT 500X で、電動サンルーフが初採用された限定車があったので、今後の事も考えて買い換えてしまいました。
500C は4人乗りでしたが、500X は5人乗りです。
今までの4人乗りだと、母も乗ろうとすると定員オーバーだったのですが、5人乗りならば大丈夫。
折角新しい車が納車されたのだからと言うことで、母も誘って温泉に行く事にしました。
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と、まぁ、どうでも良い前置きを書きましたが、やってきたのは山梨県を代表する温泉のひとつ、下部温泉です。
実は下部温泉に来るのは初めてだったりします・・・
大小結構な数の宿があり、どこに泊まろうか迷ったのですが、調べた中で、
・ 比較的料金が安い
・ 立ち寄り入浴のみの受け入れをしていない
・ 自家源泉を3本所有していて湯量は下部でも一番多い
と言う点が気になって、こちら、湯元ホテルにお邪魔する事にしました。
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さて、到着した下部温泉。
石和みたいに市街地にある温泉街をイメージしていましたが、小さなお宿が肩を寄せ合うように立ち並んでおり、まるで東北にある鄙びた湯治場みたいな雰囲気でした。
そんな中にあった湯元ホテルは、ひと際大きく立派・・・ なのですが、かなり年季が入っていて少し古びた印象のあるお宿です。
正面玄関は道路から下部川を挟んだ対岸側にあり、橋が掛かっていました。
この橋が、何とも、カラフルと言うかレトロと言うか、昭和の空気を醸し出していて素敵です。
ホテルの規模にしては少し手狭な印象のあるフロントと、少し雑多な感じのくつろぎスペース。
きっと、何十年も前から変わっていないのでしょうね。
私はこの雰囲気、大好きです。なんか、肩肘張らなくて良いし、初めて来たのにどこか懐かしい感じがするのです。
通された部屋は畳10畳+広縁の和室です。
大人3人+子供2人ですが、広々とはではいかないものの、必要にして十分な広さです。
広縁からは下部川を見下ろす事が出来ますが、同時に対岸のも丸見えなので、開けっ放しにすると中が丸見えと言う欠点つき。
少し残念だったのは、部屋が少し煙草臭かった事くらいかな?
私はあまり気にしませんが、紅鮭がファブリーズを借りてました。
と、まぁ、昔懐かしさを感じる趣あるホテルです。
私にとっては、この「古さ」は長所でしかないのですが、人によっては欠点に感じるかも・・・?
ただ、温泉好きにとって、このホテルはどうやら 最高 のようです。
と言うのは、部屋に水差しが置いてあったのですが、この水差しの中に入っていたのはこのお宿の源泉水なのです。
幾つかある源泉の中でも第二源泉なのだそうですが、ご自由にお飲みくださいと置いてありました。
どんな銘柄のお茶やお菓子よりも有難いサービスです。
まだ風呂に入ってすらいない段階で「この宿に泊まって間違いなかった!」と確信したわけでして。
そんな訳で、否が応でも期待値があがってしまうお風呂。
大浴場と岩風呂があり、時間帯によって男女別に入れ替わっています。
大浴場は正午~朝6時までが男性時間、朝6時~正午までが女性時間です。
階段を降りた先に大浴場があるのですが、途中に気になる張り紙。
「当館の脱衣所及び浴室内は撮影禁止」との事。
なんてこったい!
浴室の写真を撮るのも趣味のひとつになっている私にとって、これはかなり残念。
でもまぁ、お宿が決めたルールは守らなければですので・・・
と言う事で、写真はありませんので、私の画力で浴室の魅力をお伝えします。
どうですか?
素敵なお風呂だって、伝わっていますよね?
脱衣所はひとつですが、浴室への入り口は2箇所あります。
とりあえず私は何も考えずに右側の入り口から入ったのですが、アメーバ状の湯舟が一つあるタイル張りの浴室にでした。
浴槽には無色透明のお湯が張られており、43度くらいの適温。
湯口が2箇所、ひとつは湯舟の縁で、もうひとつは浴槽内にあります。
残念ながら循環されているようで、恐らく浴槽内にある湯口から出ているお湯が循環された後のお湯と思われます。ただ、不快な塩素臭は一切ありません。
それどころか、とても鮮度が良く感じてしまう程の気持ちが良いお湯です。
お湯からははっきりと分かる甘い硫黄臭が漂っていて、肌触りはシットリ系、とても気持ちが良いです。
これだけでもかなり満足度が高いのですが、このお宿の真価はこれではなく、もうひとつ隣にある浴室のお湯です。
壁に小さく開いた通用口?のような穴で隣の浴室と行き来出来ます。
元々は男女別の内湯だったところを改装したのかな? って感じの造りで、同じ程の大きさの浴室がありました。
タイル張りの長方形湯舟がひとつあり、こちらにも無色透明のお湯が張られています。
温度は、いきなり入るとびっくりするほどの冷たさで、およそ30度ってところでしょうか。
こちらは非加熱で源泉掛け流し。湯舟の中に湯口があり、結構な勢いで新湯が投入されていました。
これが物凄く気持ち良いんです!
ほんのりと甘い硫黄臭が漂っており、少しの間じっとしていると、体毛に細かい泡が付着するほどに鮮度が良いです。
この日は下部温泉の大黒屋さんでもぬる湯かけ流しのお湯に入っていますが、大黒屋さんのお湯からは硫黄臭がほとんどせず、泡付きもありませんでした。
もちろん大黒屋さんのお湯も素晴らしく、私は大好きでしたが、ここ湯元ホテルのお湯からは大黒屋さんのお湯からはほとんど感じなかった硫黄臭がハッキリと分かります。
冷たいと言えば冷たいのですが、長い事入っていると体が慣れてきて、不思議とポカポカしてきます。
たまにあつ湯に入って体を少し温めて、またぬる湯に戻る。
この繰り返しをしているとエンドレスに入浴出来ます。
このお宿、かならず夏場に再訪しよう!
まだ夕食すら食べていないのに、こんなにも早くも再訪を誓ってしまう事は珍しいです。
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さて、ちょっとお風呂に入っただけで再訪を誓ってしまったお宿の夕食。
1階の食堂で頂きます。
自慢ではありませんが、私は味に疎い!
なので、たいてい何を食べても満足してしまうのですが、ここのお宿の食事も大満足でした。
味に疎い私でもはっきりと分かるのは、料理に対する姿勢とでも言うのでしょうか・・・? 提供の仕方がしっかりしています。
一番安いプランでしたけど、傷みやすいお刺身などは鮮度が良いうちに、天ぷらや焼き魚などは暖かいうちにと、一品ずつ配膳してくれます。
接遇も良いです。高級ホテルではありませんので、洗練された一流のサービスなんて雰囲気は微塵も無い、肩肘張らない対応なのですが、とても心地が良いのです。
チェックイン時にお部屋に通してくれた女性従業員の方が配膳してくれたのですが、常につかず離れずで、子供達にも愛想良く、気持ち良く食事をする事が出来ました。
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さて、一晩明けて翌朝。
少し早く目覚めたので、6時過ぎに昨晩は女湯だった岩風呂に入ってみました。
ちなみに、こちらには撮影禁止の張り紙ありませんでしたが、大浴場前に「当館の脱衣所・浴室は・・・」とありましたので、当然ここも撮影NGだろうと言う事で、絵で紹介します。
こちらの浴室はひとつだけで、岩風呂と言っても、ぱっと見だと「壁に岩貼り付けただけじゃね?」的な、一部岩張りのタイル張りなお風呂です。
湯舟が並んでおり、入って左側があつ湯、右側がぬる湯です。
まずはあつ湯。加温・循環で、湯口からザブザブとお湯が注がれていますが、恐らく循環後のも混ざっていると思われます。
温度は43度くらいの適温。循環されているとはいえ、しっかりと硫黄臭が香る気持ちの良いお湯です。塩素臭はしません。
大浴場の方でも感じましたが、循環でもこれだけ気持ちが良ければ、それはそれで悪くありません。
続いてぬる湯。大浴場で入ったぬる湯よりも温度が少し低くて、ぬるいと言うより、冷たいと言って良い温度です。
こちらはかけ流しで、ほんのり硫黄臭があり、じっとしていると体毛に泡が付着します。
言う間でもなく鮮度抜群! とても気持ちが良いお湯です。
湯口は浴槽の奥にあり、浴槽内にパイプが2本。岩の間に湯溜まりがあり、そこからお湯が注がれる仕組みです。
大浴場のぬる湯よりも冷たいので、あまり長い事入っていると体が冷えてしまいます。
でもこの場合、浴室がひとつですぐ隣にあつ湯があるのはとても助かります。
わざわざ歩いて隣の浴室に行かなくても、湯舟をまたいで隣にドボンと浸かるだけでからだを温める事が出来ます。
お陰で、あっち入ったりこっち入ったりと、知らない人が見たら随分とせわしない入浴方法ですが、快適に湯浴みする事が出来ました。
利用時間だけで見ると、大浴場=男湯、岩風呂=女湯みたいな使われ方で、最初は「男湯だけ広くてズルい!?」って気がしましたけど、どちらも素晴らしくて甲乙つけ難いと思いました。
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最後に朝食。
焼き魚と小鉢、温泉玉子、サラダ、味噌汁、納豆、海苔などなど。
旅館の朝食で期待する物が一通り揃っています。
一品一品美味しくて、朝からしっかりとお替りをしてしまいました。
個人的な発見として、納豆に玉ねぎスライス、合いますね!
紅鮭が納豆嫌いなので紅鮭の分も食べたのですが、美味しかったです。
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最後に余談ですが、チェックイン時に宿の人とお話をしました。
源泉は3本あり、大浴場と岩風呂で使われている源泉が違うのだそうです。
岩風呂の方にあるぬる湯源泉ですが、実際に岩から染み出しており、源泉館と結貴屋の3軒で共同利用されているようです。
昨晩紅鮭が入浴していたら、ぬる湯湯舟の水位がみるみる下がり、浴槽内のパイプ位置まで減ってしまったそうです。
その話を宿に人にしたところ、源泉館とお湯が繋がっているため、源泉館が夜中にお湯を抜くと水位が下がって、岩風呂の方も水位が下がってしまうのだとか。
なんだそりゃ?と思った反面、お宿同士で貴重なお湯を大切に共有しているって事で、それはそれで素晴らしいと思いました。
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湯元ホテルさん、大満足でした!
撮影禁止じゃなければ手放しで★5だったかも? (;^ω^)
ここには必ず再訪します。
施設の古さなどもあり、万人にお勧め出来るかと言ったら疑問符がつきますが、ぬる湯好きの温泉マニアであれば絶対に満足できると保証出来る一湯です!
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2021年 10月17日 ー 初訪問・宿泊
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