愛媛県

温泉旅館京屋 (石鎚山温泉) ★4.0

含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
(源泉名:石鎚山温泉) 16.4度 / pH6.2 / H18.10.23
Na+ = 1505 / Li+ = 11.2 / K+ = 104.4 / NH4+ = 9.3
Mg+ = 77.9 / Ca++ = 306.3 / Sr2+ = 11.1 / Ba+ = 1.8
Mn+ = 1.4 Fe+ = 0.8
Cl- = 1828 / F- = 0.8 / I- = 3.6 / SO4- = 10.8
HCO3- = 2356 / H2SiO3 = 41.6 / HBO2 = 94 / CO2 = 1702
成分総計 = 8067mg

愛媛県西条市西之川106
0897-59-0335
男女別内湯
500円
10:00~17:00

四国へ行ったら入りたいと思っていた温泉が何箇所かあります。その中の一つがここ、石鎚山温泉です。
泉質に特徴のある温泉が乏しい四国の中でも、珍しく白濁のお湯だと聞いており、祖谷温泉と並んで一度は入ってみたいと思っていたところでした。
ちなみに、石鎚山と書いて、「いしづちやま」もしくは「いしづちさん」と読むそうですね。

石鎚山についてはあまり良く知りませんでしたが、後に調べると、なんでも近畿以西では一番標高が高い1,982 mを誇るのだそうです。
また、古来より山岳信仰の修験者がよく訪れていたのだとか。
私もお遍路旅の途中で利用しました。直前に訪れた第六十番目の霊場「横峰寺」から車でおよそ30分程度の山の中にあります。

到着してすぐに目についたのは、「歓迎 ロープウェイ入口」と書かれた、古びたアーチです。
一瞬間違った所に来てしまったかと思いましたが、アーチの下に「石鎚山温泉京屋」とも書かれていました。まずは一安心。
この日はゴールデンウィークの真っただ中、ロープウェイがあるくらいですから、登山客なんかで賑わっていても良さそうな気がしますが、なんというか、どことなく寂し気な所です。

駐車場から向かって右手側がロープウェイ、左手側にお土産屋さんがあります。温泉はそのお土産屋さんで受付をします。
なんというか、このお土産屋さんもとっても寂れています。
温泉旅館とあるので、宿泊も出来るのでしょうか・・・?
ぱっと見た感じでは全くそんな感じはしません。
今でこそこんな感じですが、多くの登山者で賑わった事もあったのかな・・・?

さて、そんなこんなでお風呂。
男女別で内湯がひとつあるだけのシンプルさ。
まるで共同浴場のような手狭な浴室には先客が4名、アプローチからは想像できませんでしたが、ちゃんとお客さんが来ているようで、少し安心。
(その後、先客の方々はひとりまたひとりとお風呂から上がられて、最終的には私一人だけの独泉状態となりました、ラッキー!)

で、期待のお湯なのですが・・・

おおおおぉ!? 白いぞ!? 濁ってるぞ!?

いや、まあ、白濁の温泉なんて、今までに数えきれない程入っていますので、今更驚く事なんて無いんですけどね。
四国の温泉で白濁ってのは、かなり珍しい・・・ らしいです。

既に入浴されている先客の間を失礼し、お湯に体を沈めてみる。
冷鉱泉なので沸かしており、ジャグジーになっているので湯底からボコボコと上がる気泡で何だか少し落ち着かない。白濁度合いは結構強く、お湯に浸かってしまうと肌はしっかり見えなくなる感じ。

臭いの特徴は殆ど感じません。硫黄臭がプンプンと漂って来そうにも見えますが、硫黄臭は無し。成分臭とでも言うのでしょうか、何となく粉っぽいような、独特な臭いがします。
循環もされているようですが、塩素臭は無し。
というか、循環していてこの白濁って事は、かなりのザル循環なのでしょうね。全く濾過している様子はありません。もちろんですが、これは私からしたら高評価のポイントです。

肌触りはサラサラします。芒硝系のサラサラとは違い、粉っぽいようなサラサラ感。これはもしかしたらお湯の見た目からそう思い込んでいるだけかも知れませんが・・・
今までいろんな温泉に入っていますが、このお湯と同じような所が他にどこかと聞かれても、すぐには思い浮かびません。
加温循環の上にジャグジーですので、鮮度の良さは感じません。むしろ、これでもかとばかりに揉まれまくったお湯ですので、かなり柔らかく感じます。
これはこれで良いんですが、循環もジャグジーもしていない、ただ沸かしただけのお湯に浸かってみたいと思うのは私だけでしょうか?

ふと湯舟の裏側を見ると、析出物が固まっていました。


良く見ないと見落としてしまいそうなもので、たまたま見つける事が出来ましたが、まだまだ成長過程と言った感じです。
良泉である事を視覚的に訴える析出物は大好きです。

ちなみに、訪問時の事を思い出しながら執筆している2021年2月時点で、ここ石鎚山温泉は営業していたりしていなかったりみたいな感じらしいですね。
私が訪問した時ですら、どこか寂しい感じでしたので、このまま廃業しなければ良いけど・・・って感じがします。

四国では珍しい、特徴的な白濁冷鉱泉。
私にとっては再訪するのが難しい遠方の温泉ですが、いつの日かまた四国へ行く機会があった時も素晴らしいお湯を守り続けていてくれればと願うばかりです。

2012年 4月30日 - 初訪問・日帰り入浴

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