長野県

BELL 鈴蘭小屋(乗鞍高原温泉) ★4.5

酸性硫化水素泉

長野県南安曇郡安曇村鈴蘭
男女別内湯・露天
0263-93-2001
宿泊 : 8000円前後 ~

これで3度目となる、乗鞍高原温泉での宿泊です。
今回は乗鞍高原温泉でも最初に引湯が開始された、鈴蘭地区にある旅館、「BELL鈴蘭小屋」を利用することになりました。

乗鞍高原温泉と言えば、入浴剤問題で昨年マスコミを賑わせた白骨温泉と同じ、長野県安曇村にある温泉地です。
前回宿泊した宿が、白骨温泉問題が発覚した後にも関わらず、利用者に知らせる事無く露天で温泉ハップを利用していました。
しかも、長野県の温泉利用調査にも「入浴剤未使用」と発表していて、とても残念な思いをした記憶があります。
乗鞍のお湯自体はとても良いので、とても気に入っているのですが、前回の事を思い出すと、「今回の所は大丈夫なんだろうか・・・」という、一抹の不安がよぎる。

さて、事前に立ち寄った岐阜の濁河温泉を出発したのが4時50分。
ナビが示す、鈴蘭小屋までの距離は、およそ75km。
宿の夕食は6時からなので、山道を平均時速75kmで飛ばせば間に合うのですが、現実的には不可能です。宿に連絡を入れ、「少し遅くなります。6時半頃には着くと思います。」と、連絡を入れ、車を飛ばす。
途中、予定していた野麦峠を越えるルートが冬季閉鎖中で、30km程遠回りになる美女峠に迂回する。これで、およそ30分程のロス。必死に飛ばした結果、宿に到着したのは7時頃になってしまいました。

宿に到着し、真っ暗な駐車場の中、「さて、どこに停めようか・・・」と、暫く車を動かしていた所、宿のご主人が玄関先まで出てきてくれました。
テキパキとチェックインを済ませ、浴衣にも着替えず、急いで食堂に向かう。
遅くなったにも関わらず、ご主人がとても丁寧に対応してくれました。
超豪華!とはいきませんでしたが、フキノトウの天婦羅と鴨鍋が美味しかった!

さて、食後は肝心のお風呂。
男女別に分かれています。男湯の脱衣所は、ガラス貼りで外から丸見え!
でもまあ、自分は男だからあんまり気にしない。
内湯は、檜造りでとても風情がある和風の浴室です。数人分カランが並んでいるのですが、シャワーはありません。和風と言っても、片面は大きなガラス貼りで、比較的最近造られたような新しいものです。
モダン和風と言うような雰囲気で、古臭さは一切感じませんでした。

内湯の先には露天があります。露天風呂は、ちょっと離れた所に湯船だけがポツンとあります。
目の前には雑木林があるのですが、床と雑木林を遮る壁どころか、手すりすら無い、とてもシンプルな造りをしています。
お湯は38度でかなり温め。男湯と女湯の浴槽が壁で仕切られているだけで、隣の浴槽で人が動くと、こちらの浴槽のお湯も動きます。
湯口はどうやら女湯にあるらしいです。
湯船自体はあまり大きな物ではありませんが、とても開放感がありました。

ちなみに、内湯、露天ともに、利用時間は夜中の10時までです。
しかし、ご主人に「夜中星を見ながら入りたい」と言うと、「10時以降でも、消灯さえしてくれれば、何時に入っても構わない。」との事でした。
早速お言葉に甘え、夜中の12時過ぎに利用させて頂きました。
暗さに目を慣らすため、照明を一切付けず、暗闇の中で露天風呂を利用したのですが、星がとても良く見え、とても気持ち良かったです。
特に、38度という、温めの温度設定のお陰で、長湯しても疲れ知らずです。
「このままここで寝たら気持ちよさそうだな~・・・」なんて事を思いながら、良いお湯と綺麗な夜空を心ゆくまで独り占め出来ました。

朝、朝食前にもう一度お風呂を頂く。
内湯は外の光が優しく差込み、夜中利用した時に比べ、とても広々と感じます。
露天風呂も、夜中以上の開放感です。まだ新緑前で、中途半端に雪が残る、恐らくは一年の中でも最も「つまらない」景色なのでしょうが、それでも、まるで林の中で入浴しているかのような、とても心地がよい開放感がありました。
新緑の頃や、紅葉、もしくは、白銀の雪に囲まれた季節等は、想像を絶する程の景色が目の前に広がる事と思います。

朝食は食堂で頂く。ふきのとうの味噌汁がとても美味しかったです。
夕食時もそうでしたが、朝食時もお客さんは私達だけ。そういえば、滞在中に他の宿泊者を一度も見かけませんでした。
また、夜中と朝の入浴時も、浴室の檜造りの床が乾いており、他の人が使った形跡が無かったです。
もしかしたら、この日宿泊したのは私達だけだったのかもしれません。
折りしも、4月中旬で、スキーシーズンと春休みの後、新緑の前でです。特に見るものも無く、一年のうちでも特に閑散とする時期なのかも知れません。
私達2人だけの為に、ご主人には色々とお世話をして貰って、何だか申し訳無いような気もします・・・
しかし、お陰で、短い時間でしたが、宿丸ごと貸切状態で、とても贅沢なひと時を過ごす事が出来ました。

次回は「宿丸ごと」とはいかないと思いますが、是非とももう一度利用したい所です。

2005-4/16

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