ナトリウム-塩化物泉
長野県下高井郡山ノ内町大字平穏3129
0269-33-2175
男女別内湯
500円
営業時間 要相談
湯田中温泉の大湯。そのすぐ隣にある旅館、見崎屋さんです。
何度か前を通る度に、その風情が良い佇まいが気になっていました。
どう見ても、古い建物で、ものすごい年季を感じるのですが、古さ以上に、オーラのような、底知れぬ風格があるのです。
このお宿はただのお宿じゃない。そんな気がして、いつも気になっていました。
この日は意を決して、何の下調べも無しに、入浴だけお願い出来ないかと中に入ってみました。
内部は、外見から想像できる通りに、年季を感じる、素晴らしい作りをしています。
中から出てこられたのは、ここの女将さんでしょうか、とても素敵なお婆ちゃん。
「立ち寄りさせて頂けますか?」と聞くと、ちょっと待ってねと帳場に入り、「○○ちゃ~ん!お風呂入る?お客さんだけど」と、誰かに聞いています。
これはちょっと珍しいシチュエーションです。
ほどなくして、「お客さん?良いよ、お客さん優先で~!」と言う、嬉しいお返事が返って来ました。
お風呂は一応男女別ですが、今は広い男湯側しか張っていないそうで、貸切で利用するそうです。
お宿としてやってはいるそうですが、今は一日一組しかお客さんを取っていないとの事。
とても歴史があるお宿だそうで、本館は明治3年に建てられた物。
松代のご家老様が宿泊されたお部屋が当時のままに残っており、それは江戸時代に建てられたのだそうです。
玄関先の見事な玄関も当時のままとの事。お殿様の馬も正面玄関から入り、そのまま裏庭の納屋に行けるよう、段差がない造りをしています。
当時の面影がそのままの姿で残っていて実に素晴らしい!
親切に色々と説明して下さるお婆ちゃんの姿に、老舗の宿としての誇りと、代々受け継がれてきたおもてなしの心を感じました。
さて、お風呂。
お婆ちゃんに案内されてたどり着いたその先は・・・
もう、溜息しか出ません。素晴らしい・・・!
よろづやの桃山風呂も素晴らしいですが、ココもそれに全く負けていません。凄過ぎます。
高い天井。しっかり手入れされているタイル張りの湯船。男女湯の堺に置かれた金魚の水槽。ひとつひとつに細工を凝らしたレトロな窓。
このお風呂は昭和30年代に建てられ、その当時のままの面影なのだそうです。良いものは時代を超えて、今でも良いままです。
お湯は無色透明で、所謂湯田中的なお湯。
ここも共益会の12号ボーリングなのかな?古い分析表もあったような気がしましたが、湯小屋にあまりに感動したせいで、しっかり確認して来るのを忘れてしまいました。
浴感はと言うと・・・
湯屋の雰囲気に一切劣らない、実に素晴らしい物です。
お湯の温度は45度程度はあるかと思われる、ちょっと熱めの物。ほんのり潮臭と石膏臭、微量の硫黄臭も交る、実に素晴らしい物で、肌ざわりがビリビリ来る刺激的な物です。
利用者が少ない為か、お湯がとにかく新鮮。湯船は共同浴場などと比べると広いのですが、比較にならないほどに鮮度が素晴らしいです。
熱いので長時間浸かったままでいる事が出来ませんが、出たり入ったりしていると、至福のひと時を味わう事が出来ます。
湯口からは熱くて素手で触れないお湯が静かに注がれていました。
一部は石膏か芒硝か、温泉の成分が白く固まって結晶化しています。
このお湯、湯船との出会いは、衝撃的でした!
ココは本当に素晴らしい!
お湯、歴史、風情、そして、お婆ちゃんの優しさ。どれを取っても、全てが最高です!
私が宿を見るたびに感じていた不思議なオーラは、もしかしたら、温泉の神様がココに入れ入れと、手招きしていたせいかも知れませんね。
宿泊すると高いのかな・・・?
でも、ココは絶対に泊まりで再訪したい!!!
出来れば人には教えず、秘密にしておきたい。。。そんな一湯でした。
2008-4/26
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