含鉄(Ⅱ)-ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉
(鹿の湯1号泉) 13.6度 / pH6.4
Na+ = 187 / Mg++ = 17.5 / Fe++ = 52.7
Cl- = 401 / HCO3– = 229 / CO3- = 169
成分総計 = 1216mg
茨城県北茨城市関南町神岡下1435
0293-46-1086
男女別内湯 ・ 露天風呂
500円
10:00 – 16:00 (要予約・月曜は要問合せ)
温泉があまり無い県、茨城県。でも、探してみると、北茨城を中心に、鉱泉宿が沢山あるのですね。
しかも、どのお宿も、とても鄙びていて、私の好みとピッタリ一致しそうな、魅力ある所ばかりです!
その中でも、私の湯めぐり師匠である、某熊谷温泉さんと言う方が、常宿にして度々訪れていると言う、鹿の湯松屋さんに行って参りました。
ここはずっと気になっていた所なのです。
場所は、国道6号線から脇に逸れ、素朴な田舎道を少し走った所にあります。
長閑な田園風景が広がる牧歌的な風景の中に、ポツンとお宿がありました。何とも素朴な一軒宿です。
湯の網鉱泉の歴史は結構古く、江戸時代まで遡る事が出来るそうです。
鉱泉ながら、その豊かな効能ゆえに、湯治宿として受け継がれて来たとの事。お宿の外観は少し鄙びており、古さは否めませんが、それと同時に、歴史あるお宿に感じる気品も備わっていました。
さて、そのお風呂ですが、内湯が2箇所あります。ただ、この日は燃料高騰などの理由があってか、1箇所しかお湯が張られておらず、男女で入れ替わりに利用しました。
浴室の入り口には、まるで共同浴場にでも掛かっていそうな、木製の立派な看板が下がっています。その下をくぐると、ちょっと手狭な脱衣所。浴室は結構広々としていました。
お風呂に入って、最初に目に飛び込んできたのは、水色のポリバス湯船と、その湯船に張られた、赤茶色に濁ったお湯です。
友人のHPなど、ネットで何度かその写真を見ており、分かってはいた事でしたが、浴室に大きく構えるポリバスと、色のコントラストには、軽い衝撃を覚えました。うぅむ、素晴らしいです!
そして、浴室全体の雰囲気も、実に良いです。
浴室をぐるっと見渡すと、素朴なタイル絵、脱衣所と浴室をつなぐアーチ型のドア、天井近くに並ぶ、ステンドグラス調の飾り窓、花があしらわれた可愛らしい照明、どれをとっても、実に良い雰囲気を醸し出しています。
まさに、大正浪漫と言った感じです。鄙びた鉱泉宿の軒をくぐって、まさかこんなサプライズが待っているとは、なかなか予測がつかないのでは無いでしょうか。
さて、肝心のお湯。透明度は殆ど無い、赤茶色に強く濁る特徴的なお湯です。
言葉を選ばずに表現すれば、泥水です。ただ、泥水であればジャリジャリしそうですが、このお湯はそんな事ありません。
とても柔らかく、見た目程に癖が無いです。シットリと肌を包み込むような心地の良い物です。
僅かに金気臭と土類系の臭いがします。ただ、思ったほどではなく、見た目から想像する臭いからすると、かなり弱いです。
お湯は鉱泉なので、沸かされています。また、浴槽内のお湯は循環がされていました。
残念ながら、源泉が出る湯口は無く、非加熱でフレッシュなお湯がどのような物かを確認する事が出来ません。
ただ、不快な塩素臭は一切しません。また、これだけ強く濁っている事から、濾過などはされておらず、純粋に加温と大きな不純物除去の為だけの循環と言う印象です。
鮮度と言う話しをすると、ハッキリ言ってしまうと、良くありません。そりゃ、これだけ濁っていますからねぇ。
ただ、それを差し引いても、なんだか、良い感じのお湯です。
浴室の雰囲気も手伝ってか、お湯に浸かってポカンと口を開けて上を見上げると、鮮度とか些細な話しが、どうでも良くなってくる気がします。
この、レトロで浪漫を感じる空間で、湯浴みをしていると言う幸せ。実際に浸かってみないと、言葉にして現すことは難しいかも知れません。
不思議と、私の周りを見渡しても、友人たちみんなが幸せそうな顔をしていました。
私の友人達も同じような感想を持っていたのかも知れませんね。
ちなみに、松屋さんではキンキのお料理が美味しいそうです。
今度は是非泊まりで来ようと、堅く誓って、その場を後にしました。
2010-1/9
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