東京都

水香園 (松乃温泉) ★3.5

単純硫黄冷鉱泉 (松乃温泉)
14.9度 / ph10.1 / 5.3L / 自然湧出 / S58.9.9
Na+ = 81.7 / HCO3- = 87.5 / CO3– = 69.5
HSiO3- = 23.1 / 成分総計 = 293mg

東京都西多摩郡奥多摩町川井640
0428-85-2221
男女別内湯
1000円
営業時間 要確認

奥多摩にある、国道沿いにある一軒宿です。
ちなみにこの奥多摩、ここ以外にも幾つか入浴出来るところがあり、奥多摩温泉郷を名乗っているのですが、特徴の無いお湯だと聞いており、中には源泉をタンクローリーで輸送しているところもあるそうで、今まで興味が無く訪れた事がありませんでした。
今回はたまたま温泉以外の用事で奥多摩に来る機会があり、そのついでに一軒だけ、この水香園はネットの情報ではそんなに悪くないと言う事で、立ち寄ってみた次第です。

入浴料は1000円で、タオルが必要な場合は別途200円で購入する必要があります。
奥多摩駅前などにある観光協会で配っている湯巡り帳(とは言ってもA4のコピー1枚)を持っていくと、100円割り引いてくれます。それでも900円、奥多摩とは言えども東京の一部だからか、とても高い印象を受けますね・・・
お風呂は受付けをした母屋から少し離れた所にあり、見た目になかなか風情がある湯小屋になっていました。

お風呂は内湯のみで、宿の規模に見合った、少し小ぶりなものです。
入って左手側にシャンプーなどが備え付けられた洗い場が数人分と、右手側に湯船がひとつありました。
浴室は全体的に濃い色を使っている為か、少し薄暗く感じます。
ただ、ガラス越しではありますが、目の前に川が流れていて、展望は悪くありません。
お湯は無色透明ですが、ごく僅かに濁って見えなくも無いものが貼られていました。

浴槽の端には湯口があり、結構いい勢いでお湯が注がれています。
ただ、湯船から溢れるお湯は湯口から注がれる量に見合っていません。
それもその筈、こちらのお湯は源泉温度が低い冷鉱泉なので、沸かしたものを循環で利用しているみたいです。

循環されている以上塩素も当然入っている訳で、加温・塩素・循環と言う三重苦な訳です。
ただ、だから駄目だったかと言うと、むしろその逆。予め「駄目なものだろう」と決め付けていたのですが、入ってみると意外にいいお湯でビックリしてしまいました。

まずは肌触りですが、まるでローションのような強いぬめり感があるもので、肌にシットリとまとわりつき気持ちがいいです。
臭いはほぼ無臭です。泉質は単純硫黄泉だそうなので、少し残念な反面、恐れていた塩素の臭いは殆ど感じられず、少しホッとしました。
特筆すべきは、浴室の隅にある蛇口。なんとこの蛇口、捻ると加温されていない生の源泉が出てくるんです!

当然冷たいので、ザブザブと浴びる事は出来ないのですが、ほのかに甘い硫黄臭が漂うもので、ぬめり感は浴槽で感じるものより数段強く感じるとても個性的なものです。
これには嬉しくなってしまい、折りしも11月、幾ら東京とは言え寒い時期なのですが、最後の上がり湯で頭から2杯、冷たい源泉をかぶって出てきてしまいました。

これでもう少し安ければ嬉しいところですが・・・
付近に立ち寄った際は、立ち寄ってみる価値のある一湯です。

2006-11/12

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