塩原温泉栃木県

元泉館 (塩原元湯温泉) ★4.5

含硫黄-ナトリウム-塩化物・ 炭酸水素塩温泉
(高尾の湯)
50.6度 / ph6.5 / 72L / 天然湧出 / H16.3.9
Na+ = 829.3 / K+ = 61.2 / Mg++ = 16.1 / Ca++ = 92.4
Cl- = 873.6 / HS- = 19.7 / SO4– = 84.3 / HCO3- = 1039.1
Br- = 1.9 / H2SiO3 = 177.5 / HBO2 = 123.4 / CO2 = 551.2
H2S = 70.5 / 成分総計 = 3941mg

栃木県那須塩原市湯本塩原101
0287-32-3155
男女別内湯 ・ 露天風呂
800円
8:00 – 20:00

2年ほど前に一度訪れているのですが、当時は湯巡りをはじめて間もない頃で経験も浅く、また、記憶も適度に薄れ掛けてきたので、再訪してみました。
ちなみにこの塩原元湯は塩原温泉発祥の地であり、最盛期には数十軒の宿が並んでいたそうですね。
江戸時代に発生した地滑りで大部分が流されてしまい、今では賑やかだった頃の面影無くひっそりとしています。
元泉館はそんな塩原元湯温泉に3軒だけある旅館のひとつで、山間の秘湯と呼ぶに相応しい場所にありますが、建物はとても立派です。

お風呂は館内に沢山あり、湯巡りが出来るほどです。ただし、それは宿泊した場合の話。日帰り入浴の場合、離れにある湯小屋のみに入浴する事が出来ます。
旅館のフロントで受付けを済ませ、一旦外に出て建物すぐ脇にある大浴場を利用しました。
当然ですが、2年前に訪れた時と殆ど変わっていません。
ただ、2年と言う短い間に、随分と沢山の温泉に入ったせいか、妙に懐かしさを憶えます。
「あぁ、こんな造りだったなぁ・・・」
そんな事をシミジミ考えながら脱衣所へ。
広々とした清潔な脱衣所は、使い勝手がとても良いです。

さて、肝心のお風呂。脱衣所から出ると内湯があり、その先に露天が繋がっています。

まずは内湯。使い勝手が良さそうな洗い場数人分と、少し離れたところに10人以上ゆったりと入れる広めの湯船がありました。
少し黄緑がかって濁るお湯が張られており、室内には硫黄の良い臭いが充満しています。

久しぶりに入る元泉館のお湯、実に気持ちが良いです!
記憶していたものより硫黄の臭いが強く、湯口付近で嗅ぐと、強い硫黄泉で稀に感じるアブラ臭にも似たものを感じます。
口に含むと、顔をしかめたくなるような硫黄の苦味があり、源泉が持つ力強さを舌先で感じることが出来ます。
お湯は適温ですが、泉質のせいか、すぐにグッタリ茹ってしまいそうな感じです。

印象としては鳴子の西多賀に似た感触のお湯で、どっぷり浸かって夢見心地の気分を味わうことが出来ました。

続いて露天風呂。こちらに張られているお湯も内湯と同じものです。
ほんのり山吹色に濁っており、4~5人程度入れる湯船に温めのお湯が張られています。
すぐ近くに沢があるので、沢の音を聞きながら入っていると時が経つのを忘れてしまいそうです。
個人的な好みで言えば、熱めの内湯の方が好きですが、温めのお湯でじっくりと浸かるのも良さそうですね。
久しぶりに入浴した元泉館のお湯ですが、こんなに良いものだったのかと、改めて驚かされました。

関東に沸く、とても貴重な良泉です。
こんなに素晴らしいお湯が身近にある事に、改めて喜びを感じました。
宿泊すれば、違う源泉が使用されているお風呂にも入れるみたいですので・・・
いつか機会を見つけて、宿泊してみたいものです。

素晴らしい一湯!前回訪れた際は人が多くて落ち着かず、評価が4.0だったのですが、今回はお湯の素晴らしさの再発見も出来たので★を4.5に引き上げさせて頂きました!

2006年 12月24日 - 再訪時のレポート

2024年 2月2日 - 何度目かの再訪・宿泊

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何度か立ち寄り入浴した事のある元泉館ですが、今回は宿泊で利用しました。
1泊2食付きです。

久しぶりの元泉館。
玄関先では温泉むすめがお出迎え。

普通に1泊すると2食付きで一人あたり15,000円前後しますが、今回は那須塩原市のふるさと納税の返礼を利用。
5万円の納税で1泊2食付きのペア宿泊券(平日利用限定)が貰えます。
ふるさと納税の返礼は納税額の3割までとなっていますので、ペアで15,000円で泊まれる計算です。
ひとりあたり7,500円って感覚ですね、だいぶお得です!

お得なプランですが、お部屋はなかなか立派です。
夫婦 + 子供2人の計4人ですが狭さは一切感じません。
広縁もついておりゆったりと寛げます。

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さて肝心のお風呂。

ここ元泉館には温泉が3箇所あります。
まず最初に入ったのは、日帰り入浴でも利用出来る「高尾の湯」です。

離れにありますが、屋根のある廊下で繋がっているので、雨の日でも傘をさすなどの必要はありません。

使用源泉は浴場の名前と同じで「高尾の湯」との事。
塩原元湯にあるお宿3軒は全て独自に源泉を持っており、この高尾の湯も独自源泉です。

内湯と露天があります。
内湯は寒い季節と言う事もあって湯気蒸していました。
これはこれで、幻想的で結構好きです。

浴槽内に張られているお湯はうっすら緑がかった白濁です。
日によって色合いは少し変わるらしいですが、だいたいいつもこんな感じの色ですね。

温度は41度位でしょうか、熱くも温くも無い適温です。
しっかり香る硫黄臭がとても心地いいです。
湯口から注がれているお湯は源泉で、湯口付近に陣取ると硫黄臭をより一層強く感じる事が出来ます。

以前訪問した際はアブラ臭ににた臭気を感じましたけど、今回はありませんでした。
ただ、硫黄臭と一言に言っても、他にも色々な成分が混ざっているであろう複雑な臭いがあります。
なかなか特徴的なお湯ですね。

ここ高尾の湯には露天もあります。
露天は湯舟がひとつあるだけで、洗い場などはありません。
ここで使われているお湯も内湯と同じ源泉、高尾の湯です。

この露天はかなり温めです。40度を下回る温度で、凍える事はありませんけど、入っていても一向に体が温まりません。
でもそのお陰で、長時間入っていても茹る事が無く、ゆっくりと過ごす事が出来ました。

鮮度とか言う話をするとナシですけど、気持ち良かったので、これはこれでアリです!

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続いて入ったのは「宝の湯」です。
日帰り入浴で入れるお風呂は高尾の湯だけですので、ここは宿泊しなければ入る事は出来ません。
私も入るのは初めてです。

使われている源泉は「元泉館新堀」だそうです。
これも独自源泉。

男女別で内湯のみ、まるで共同浴場のようなこじんまりとした風情ある浴室です。

張られているお湯は光の加減だと思いますけど、最初見た時は高尾の湯よりも少し青みが強く感じる白濁のお湯です。
温度はちょっと温めですけど適温の範囲内、40度ちょっとと思われます。

これはこれで、良いお湯ですね!
高尾の湯に比べると硫黄臭は少しだけ控えめですが、優しく香って来るので心地良いです。
鮮度と言う話であれば、やっぱり湯舟の大きさでしょうか、高尾の湯よりもこちらの方が断然良いです。

ひとつだけ難点は、成分によるものと思われますけど、湯舟の縁がガリガリに固まっているので、もたれかかって入ろうとすると背中が削れて痛いですw
これはこれで良い温泉の証拠と言えますけど、出来れば平らに削って下さい、オネガイシマスw

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最後に入ったのは「邯鄲の湯」、別名で岩風呂です。
こちらも宿泊者専用で、混浴ですが脱衣所は男女別です。
女性にはハードルが高そうに聞こえますが、女性専用時間もあるのでご安心下さい。

使用源泉は浴場の名前と同じ「邯鄲の湯」です。

入口には飲泉所がありました。
源泉のままだと濃すぎるので水で希釈しているようです。

硫黄独特の苦みと香りがあり、他にも僅かな塩分や金気味など複雑な味がしますので、普通の人の感覚だと不味い部類の飲み物だと思います。
でも私は結構好き。思わず適量を超えて沢山飲んでしまいました。(別にお腹を下すなどはありませんでした)

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浴室は岩風呂と言われるだけあり、岩が配されていますが、湯屋そのものは木の温もりを感じる風情が良いものです。
浴槽内から生えている一本の柱が良いアクセントですね!

お湯は灰白濁で、温めです。体感温度ですが38~39度位でしょうか。
温くて寒いという事はありませんけど、冬場に入るのであればもう少し温度が欲しいかもです。
長い時間入っていれば少しずつ体が温まる感じですね。

3箇所ある温泉、基本的にどれも似たような系統で、この邯鄲の湯も優しい硫黄臭 + 複雑な成分臭って感じです。
正直言って、もしもブラインドテストされたら3本の源泉どれがどれと当てる自信ありません。でも、心なしか、3本ある中でこの邯鄲の湯が一番濃く感じます。

朝改めて入ったらお湯の表面に湯花がビッシリ、湯膜のような状態で浮いていました。
朝早い時間だったので利用者が少なかったのでしょうね。

夜中の風情も素晴らしかったですが、外の光が優しく入る朝も良い風情です。
高尾の湯と宝の湯も素晴らしかったですが、個人的にはこの邯鄲の湯が一番お気に入り!

湯口は2箇所あり、脱衣所から見て手前が熱め、奥は温めのお湯が注がれています。
別源泉? それとも、温めの方は加水されているのかな?
手に取って臭いを嗅いでみると、熱めの方が濃く感じます。

ただ、後でお宿の人に聞いてみたところ、どちらも邯鄲の湯で源泉100%、加水はされていないとの事です。
話を聞いても詳しくは分かりませんでしたが、お湯を引く過程で温度差が出るのだとか。

いずれにしても、この邯鄲の湯、とても良かった!

今回念願叶ってやっと宿泊出来た元泉館。
正直いまさらな気がしないでもありませんけど、ハッキリこれだけは断言出来ます。

邯鄲の湯と宝の湯、どちらも素晴らしいです。
わざわざ泊まってでも入る価値のある、素晴らしい温泉です!!!

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折角なので食事についても軽く触れておきます。

今回我が家が利用したのはふるさと納税5万で貰えるペアチケットですので、返礼額が3割としたら1泊2食でひとり7,500円相当です。

なので、さぞかし質素な食事だろうと思ったら、なんのなんの、充分すぎる程に美味しかったです。

特に良かったのが、朝食に出た温泉粥。
源泉を使って作られたお粥なのですが、ほんのり温泉の香りと苦みを感じて美味しいんです。
思わず何度もお替りしてしまいました!

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余談ですが、ここ元泉館にはオーナーが保護した猫が住んでいます。
普通に館内を歩いていたりするのですが、毎晩決まった時間に猫とのふれあい会を行っています。

保護猫達なのでみんながみんな人馴れしている訳ではなく、警戒心が強い子もいますけど、まだまだ子猫な小春ちゃんと銀次くんが我が家の子供達の相手をしてくれました。

猫好きならば必見です!
ちなみにこの元泉館、ペットと一緒に泊まる事も出来るみたいです。

逆にアレルギーなどある人は注意ですね。

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念願叶って泊まる事の出来た元泉館、お湯の良さは期待通りでしたが、ご飯も美味しかったですし、猫にも癒され、最高のひと時を過ごす事が出来ました!

子供達も大満足でしたし、チェックアウト後のスキー場(ハンターマウンテンとエーデルワイス)にも近く便利でした。

また今年も那須塩原市に納税してペアチケット貰っちゃうかも?
我が家の常宿になりそうな予感です。

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