カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉
(本泉 <混合泉>)
40.9度 / ph6.4 / H9.7.18
Na+ = 105 / K+ = 10.2 / Mg++ = 29.5 / Ca++ = 142
Fe++ = 8.28 / Mh++ = 1.42 / Cl- = 118 / SO4– = 301
HCO3- = 282 / H2SiO3 = 177 / HBO2 = 7.7 / CO2 = 98.6
成分総量 = 1280mg
群馬県渋川市伊香保町伊香保12
0279-72-2050
内湯×1
500円
営業時間 要相談
「処々や」で立ち寄り湯をして、石段街を散策しながら歩く事に。すると、処々やからすぐの所に一軒のお宿を発見。「かしはや旅館」さんだそうです。
なんと言うか・・・これまた、私が思い描いていたお洒落なるるぶ&じゃらん系の伊香保とは全く異なる、実に鄙びていて、素朴なお宿です。
外から中を覗いてみましたが、やっているのだかやっていないのだか、全く分かりません。
でも、それがまた実にそそられます。
とりあえず中に入ってみました。内部はまるで民家のような、とても狭い作りで、人と人がすれ違うには、譲り合わないと通れないような作りです。
「ごめんくださーい!」と、呼ぶと、玄関脇で初老の女将さんがお茶を飲んでいらっしゃいました。
「はい、何でしょう!?」と、とても元気な女将さん。私が「すみません、立ち寄りで、お風呂だけなのですが、良いですか?」と、恐る恐るお伺いすると、「あ、お風呂!?あぁ、どうぞどうぞ!上がって上がって!」と、これ以上無いほどに感じよく快諾!
「あらぁ、どこから来たの!?」「タオルある?」「お風呂はその奥よ!」「バスタオル出すからね」「あ、これ手ぬぐい。あげるから使って!」と、宿泊客でも無いのに、これでもかと言うほどの猛烈歓迎ぶりです。
私が「お金は・・・?」と聞くと、「500円!」との事。お渡しすると、深々と頭を下げて受け取って下さいました。なんだか、こちらが恐縮してしまいます。
お風呂は内湯がひとつあるだけで、貸切で利用するみたいです。「入浴中にしとくから、ゆっくりしてって!」との事です。
さて、そのお風呂。見た瞬間に身震いしました。狭いっ!一般家庭のお風呂だと考えれば結構大きい部類なのでしょうが、旅館のお風呂だと言われると、実に小さい。
でも、この造りは、泉質重視な私にとっては、背筋が凍りつく程に素晴らしい物です。
早速入ってみました。身を沈めると、沈めた分だけ、ザバーっと気持ちよくお湯が溢れます。
42度程の適温で、長時間でもじっくりお湯の中に浸かっている事が出来ます。
肌触りはシットリとする物で、強い金気臭。暫く誰も入って居なかったのでしょうか、お湯の表面には結晶状の湯花が舞っていましたが、溢れたタイミングですっかり無くなってしまいました。
当然、循環などはしていません。源泉そのまま、一切手が加えられていない生のお湯です。
ひょうたん型の湯口からは、ドボドボと新湯が投入されています。口に含むと実に不味い!
浴槽内のお湯は、鮮度抜群ですが、濃厚過ぎる感じで、茶色い湯花が無数に舞います。
持参のタオルがすっかり茶色く変色してしまいました。
温めですが、暫く浸かっていると、体が芯から温まり、汗が止まらなくなります。
「処々や」に引き続き、こんな素晴らしいお湯使いをする宿が、石段街にあったなんてっ!
伊香保を避けていた自分自身の未熟さを反省すると共に、処々やに続いて、私の中の伊香保株がストップ高で急騰しました。
30分ほどゆっくりした後出ると、女将さんが「あらぁ、もう出たの!?」「ちょっと待って、今お茶を入れるからね!」との事。
でも、はしご湯で他にも色々と行きたかった私は、お茶を辞退。すると女将さん、「また立ち寄ってねぇ!」と、とても感じよく見送りして下さいました。
この女将さんと時間を気にせずお話したいなぁ。
聞けば、宿泊は8000円からとの事です。石段街の一等地でこの金額は嬉しい!私が、「次回は是非泊まりにきます!」と言うと、女将さん、連絡先だと言って、ライターを下さいました。
まだまだあるのですね、こう言う、人と人が触れ合える、素晴らしいお宿。
ただお風呂で立ち寄っただけなのに、まるで親戚の家に来たかのような、暖かいおもてなしと、真心こもったサービス。
また、湯使いが堪らなく良いです!おそらくですが、伊香保の本泉を、一切手を加えず、鮮度良く、一番理想的な状態で使用している施設(ジモ専以外)が、ココなのでは無いでしょうか。
今度は是非とも泊まりで利用し、女将さんと心いくまで会話して、お湯を時間忘れて堪能したいと思いました。
2008年4月12日 - 初訪問時のレポート
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