群馬県

紅葉館(鹿沢温泉) ★4.0

マグネシウム・ナトリウム炭酸水素塩温泉

群馬県吾妻郡嬬恋村大字田代681
男女別内湯
0279-98-0421
500円
10:00 – 16:00

前々から気になっていた所ですが、今回、同行して下さったアブラ童子さんの案内で行くことが出来ました。
この場をお借りして、アブラ童子さんにお礼申し上げます。

長野との県境限りなく近くにある、標高1500メートルの高所に沸く山の湯です。
湯治場としての長い歴史を持ち、江戸時代には数軒の宿が立ち並ぶ繁栄振りだったそうです。
しかし、大正7年に大火災が起こり、多くの旅館が消失。鹿沢温泉にはこの紅葉館だけが残り、ほとんどの旅館が麓に降り、新鹿沢温泉が出来上がりました。
現在の鹿沢温泉は、当時の繁栄を想像し難い、ひっそりとした所にあります。
旅館目の前に舗装された道路が走っているのですが、道路が未舗装だった頃は、さぞかし寂れた山間の旅館だった事でしょう。

紅葉館は「日本秘湯を守る会」の会員旅館です。入り口に入ると、例の提灯が出迎えて呉れました。
館内はお世辞にも新しいとは言えない、何とも古臭い造りをしていますが、なかなかの風情です。
お風呂は細い廊下を通った、玄関から少し降りた所にありました。男女別内湯のみで、実にシンプル。
自然湧出する源泉に手を加える事無く掛け流すために低い位置に浴槽を作ったのだとか。

さて、浴室内の様子ですが、はっと息を呑むような風情があります。
5-6人程度までなら窮屈を感じずに入れる程度の湯船が一つと、洗い場代わりと思われる打たせ湯が一つの、実に趣のある造りです。
シャワーやらカランやら、造形的に不自然なものが一切ありません。
ちなみに、打たせ湯のお湯と浴槽内のお湯は別源泉です。打たせの方は源泉温度が35度と低い為、浴槽用として使えないんだとか。

浴槽のお湯ですが、黄緑色がかった薄白濁のお湯で、細かくて茶色い湯花が舞っています。
臭いは鼻にツンと来る鉄臭で、析出したと思われる鉄分で浴槽に茶色く変色していました。

肌触りはしっとりスベスベするもので、あまり入っていても疲れません。
飲んでみた所、鉄味と微塩味で、ほのかな炭酸を感じました。さほど飲みにくくもなく、毎日飲んでいると健康になれるような気がしてくる味です。
湯上りは肌がサラサラになり、炭酸泉のせいか、汗がさっと引いてベタ付きが無く心地よかったです。

2005-9/18

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