酸性・含鉄-アルミニウム-硫酸塩-塩化物泉
(地蔵源泉)
群馬県吾妻郡草津町大字草津303
0279-88-3341
内湯×1
日帰り入浴不可
宿泊は3泊から、1泊3000円
2004年・夏 - 初の草津
初めての草津、初めての共同浴場めぐり。
温泉街の賑わいに驚き、湯畑の迫力に圧倒され、ただで入れる共同浴場に感動。すべてが初めてだらけでした。
千代の湯に入ったあと、地図を片手に細い路地を歩き、次なる共同浴場を目指します。あと少しで目的の地蔵の湯、そんな所で一軒の宿が目に飛び込みます。
「勉強の宿 月洲屋」
いったい何の宿だろう?
日本有数の温泉地 草津。さまざまな旅館や民宿が立ち並び、新旧や大小それぞれに特徴がありますが、その中でも異様なオーラを放つ宿だった事を鮮明に覚えています。
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その後も地蔵の湯には何度も入りましたが、そのたびに必ず目に飛び込んでくるのがこの勉強の宿。
「学習塾、ではないよな? 受験生が籠って勉強する宿なのだろうか? それとも、宿泊代の値引きでもしてくれるのだろうか?」
一度、あまりにも気になったので、立ち寄り入浴出来ないか聞いてみた事がありますが、「逗留されている方がいますので」と丁寧なお断りを受けました。
それでも気になって宿泊予約の電話をした事もありますが、3泊からでないと泊まれないと言われました。
「あぁ、きっと私には縁の無い宿なのだろう」
あれから何度も草津に来ては、何度も月洲屋の前を通り過ぎましたが、縁がない宿と思って気にも留めずにいました。
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2020年・春 - 温泉好きの仲間と一緒の草津
温泉仲間と集まって酒を酌み交わす。至福のひと時ですよね。
その席で「明日どこの温泉行く?」なんて、いつもの会話になったのですが、その中のひとりYさんが「月洲屋さんと連絡取ってて、行こうかと・・・」みたいな話をされています。
ん? 月洲屋? なんか聞いた事が・・・
ひょっとして、あの勉強の宿!?
もうすっかり諦めていたので、ほとんど忘れかけていました。
「入れるかもしれないの? じゃあついていく! オネガイシマス!」
即答したのは言うまでもありません。
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さて、その月洲屋さん。
長い前置きを書きましたが、一言で言うと
素晴らしいお宿
でした。
日帰り入浴不可ですが、Yさんが色々と手配して下さったお陰で立ち寄りでお風呂に入ることが出来ました。
極上のお湯、地蔵源泉です
お風呂から出たあと、ご主人がお茶とお菓子を出して下さり、お話を少し伺う事ができました。
今では草津でも数少ない自炊の宿。昔からの常連さんが多く、その方達の為に自炊と言うスタイルを貫いておられるのだとか。
3泊から受け入れされているのも、1泊3000円と言う金額設定ゆえ、シーツの入れ替えなどをすると赤字になってしまうからだそうですね。
「いや! 私5000円払うから、1泊で泊めて!」
なんて、無粋なお願いしたかったですけど、恐らくお金だけの問題でも無いのでしょう。お話の節々に常連さんを大切にされている姿勢が垣間見えます。
帰り際、そういえばお金を払っていない事に気付き、幾らですか?と聞きましたが、ご主人「いいよいいよ」と言って受け取ってくれません。
「こんど必ず泊まりに来ますね、頑張って連休取って3泊しますから」と言うと、「ん~、1泊でも良いよぉ」「お風呂も、いつでも入りにおいで」と仰いました。
「うちのお風呂入ったでしょ? だったらもう他人じゃないよ」
これは私が勝手にそう感じ取っただけで、ご主人の言葉ではありません。
でも、何だかそう言われたような気がして、とても心が温まりました。
次はきっと宿泊します。
この素晴らしい出会いを下さったYさんと、暖かく迎え入れて下さった月洲屋のご主人に感謝です。
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