単純温泉
(若竹分湯槽) 60度 / ph8.6 / H17.2.3
Na+ = 211.3 / K+ = 4.9 / Mg++ = 0.2 / Ca++ = 30.4
Cl- = 102.3 / F- = 5 / SO4– = 328.1 / HCO3- = 42.8
CO3– = 4.5 / H2SiO3 = 76.2 / HBO2 = 3.6
成分総計 = 809.5mg
(掲示されていたのは平成6年の成分表でした)
福島県福島市飯坂町十綱町9
024-542-2661
貸切内湯 × 1
300円
10:00 – 18:00
私は、小さな湯船に張られた温泉が大好きです。
勿論、歴史を感じるような大浴場も好きですが、湯船が小さければ小さい程、お湯を鮮度良く楽しむ事が出来るからです。
今回私が飯坂で湯めぐりをするにあたって、特に拘ったのも、湯船の大きさです。
とは言え、飯坂で湯破をするような酔狂な人は、そう多くなく、情報も乏しいです。そんな時に役立つのが、観光案内所のホームページ。
宿の一覧などで、客室数や収容人数を見て、規模が小さい所に狙いを定めていくようにしています。
今回私が訪れたここ、栄楽さんも、調べてみたら規模が小さく、気になっていた所です。
お宿に到着すると、期待通り、とってもこぢんまりとしたお宿でした。
1階部分は喫茶店のような食堂になっており、軽食を頂く事が出来るようです。
中に入り、立ち寄り入浴をお願いすると、どうぞとの事。ちなみに、ここでもちゃんと飯坂の湯めぐり手形を使用出来ます。
案内された浴室は、宿の細い廊下を入った先にあります。内湯が1箇所あるのみで、男女別には分かれておらず、貸切で利用させて頂きました。
さて、そのお風呂。少し年季が入った印象の受ける、こぢんまりとした湯船がひとつ。
期待した通りの、シンプルな造りをした浴室です。2面採光になっており、浴室内はとても明るいです。
湯船に張られているのは、無色透明の単純泉。
お湯は勿論掛け流しになっており、熱いお湯が湯口から少しずつ注がれ、それがそのまま洗い場に流されています。
湯船に張られたお湯の温度は、飯坂にしては少し温めで、42度適温です。
鮮度はまずまずと言ったところです。とても入りやすいお風呂で、思わず寝入ってしまいそうな気持ちの良さがあります。
飯坂は共有源泉なので、他所の旅館と同じお湯です。でも、同じ源泉でも、違う浴室、違う湯船で浸かると、お湯から受ける印象も変わって来るのです。
私の中での飯坂のお湯は、共同浴場のイメージが強いのか、「中に入ると熱くて攻撃的だけど、外に出ると追撃はして来ないお湯」なのですが、このお宿のお湯は、全く攻撃的じゃありません。
優しい芒硝臭と、サラサラと絹ごしな肌触りで、とても入りやすいお湯です。
お湯から出るとサラリと肌が乾き、ベタベタした感触は残りません、優しく包み込んでくれるお湯です。
湯使いひとつで、そのお宿の性格が分かるような気がします。
宿泊したら、マイペースにのんびり出来そうな、良いお湯です。
余談ですが、ここの壁面に使われているタイルが気に入りました。
なんか、幾何学的とでも言うのかな?
別に普通と言えば普通なんですけど、思わず魅入ってしまいました。
素朴なお宿でしたが、とても優しくて気持ちの良いお湯を堪能出来ました。
内湯がひとつしか無い事もあり、立ち寄りでも貸切入浴が出来るので、とても嬉しいですね。
共同浴場も良いけど、たまにはこう言うお宿は如何でしょうと感じた、素敵な一湯でした。
2009-12/28
コメント