山形県肘折温泉

三春屋旅館(肘折温泉) ★4.5

ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
(三春屋源泉) 57.2度 / ph6.4
Na = 698.5 / Mg2 = 23.2 / Ca2 = 72.3 Fe2 = 1.9
Cl = 741.1 / SO4 = 174.6 / HCO3 = 889.5
H2SiO3 = 145.9 / HBO2 = 32.5 / CO2 = 596.8

ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
(組合3号源泉) 75.6度 / ph6.8
Na = 941.0 / Mg2 = 26.0 / Ca2 = 86.6 / Fe2 = 1.8
Cl = 1120 / SO4 = 224.4 / HCO3 = 1005
H2SiO3 = 165.5 / HBO2 = 43.1 / CO2 = 267.1

山形県最上郡大蔵村南山497
0233-76-2261
混浴内湯 ・ 貸切内湯
300円

肘折温泉街のど真ん中にある老舗温泉旅館です。
肘折温泉の殆どのお宿は共有源泉を使用しているのですが、三春屋には貴重な独自源泉があります。
この独自源泉がとても素晴らしい!と言う話を聞き、宿泊で利用させて頂きました。

チェックインは18時頃。この日は大雪で大変でしたが、感じの良い女将さんがとても暖かく出迎えてくれました。
お部屋はすんごくレトロ。廊下との間に障子一枚しかない、なんとも民家調な造りをしています。
まぁ、普通のヒトならば「ナンダコリャあ!」でしょうが、私はこう言うのヘッチャラ。
湯治宿ですからね。贅沢言ってはイケマセン。むしろこの状況を楽しまなくっちゃ!
障子の一部が破けているのはご愛嬌?

ちなみにこの肘折温泉、共同浴場が3箇所あります。
しかし、どこも18時以降は地元民専用になってしまい、部外者は入れません。
でもご安心を!事前情報では宿泊客はカードキーをもらえるので24時間入れるそうな。
と、言うことで、早速女将さんに「共同浴場行きたいからカードキーくださいな」と言うと、女将さん、「ウチではお渡ししていないのー!」との事。あらま、ガックシ。
女将さん、「うちのお湯はとても良いからー!」とフォローしてくれたんだけど、共同浴場、入りたかったなぁ~・・・
別に三春屋に宿泊した事を後悔はしないけど、ちゃんと予約段階で確認しておくべきでした。

さて、肝心のお風呂ですが、1階と3階の2箇所あります。
お目当ての独自源泉は1階の方で、3階にあるのは共同源泉。ちなみに、どちらも混浴。
ただ、共同源泉の方は「女性入浴中につき殿方は3階行ってね」と言う札があるので、ちょこっと安心です。
何はともあれ、まずは独自源泉の方を利用させて頂く。

浴室は脱衣所から数段降りた所にあります。正方形の湯船が一つだけあり、カランはありません。僅かに白濁したお湯が並々と張られていました。
お湯は少し熱め。ほんのり鉄の香りがする心地が良いお湯です。なんと言ってもお湯が新鮮で実に素晴らしい!
湯口からはざぶざぶ源泉が投入されていました。泉温が高い為、ほんの少し加水しています。湯口に備え付けられていたコップでお湯を飲んでみた所、強い鉄味と炭酸味がしました。
美味しくはありませんが、体に良さそうですね。
炭酸成分の為、お湯から出ると体がさっと冷えます。その為、入浴中は出たり入ったりを繰り返す。
しかし、入るたびに温泉成分が体に沁みこんでいくみたいで気持ちが良い。
なんだか奥会津あたりを彷彿とさせるとても気持ちが良いお湯でした。

次に、共同源泉の方も利用。こちらは3階にあり、混浴です。「女性入浴中」の札が無かったので、貸しきっちゃ駄目なのかも知れませんね。
浴室内には湯船が一つ。独自源泉の方より若干広めで、ごく僅かに白濁しています。
こちらも鉄臭。湯口のお湯を口に含むと、鉄味がしました。ただ、独自源泉に比べると少し味が薄く飲みやすいです。
鉄味以外にも若干の塩分を感じました。
浴室内は温泉成分で赤茶色に変色していました。独自源泉も良かったけど、こちらもなかなかの名湯です。

翌日は友人と山形の湯巡りをする為、朝7時半にチェックアウトしました。
女将さんが丁寧にお見送りしてくれ、とても感じが良いです。
うーん。これでカードキーを借りられれば完璧なんだけどなー!
でも、実に素晴らしいお湯!是非ともまた利用したいと思いました。
オススメの一湯です。

2006-1/7

2020年 5月26日 - 追記

何度もお邪魔している肘折温泉。出会いはこの三春屋さんに宿泊した事からはじまります。

当時色々と温泉の情報収集をしながら、肘折で泊るならば三春屋さんが良いと思って数週間前に予約。
肘折温泉は雪深い所とは聞いていましたが、スタッドレスも履いたし、きっと大丈夫だろうと思って楽しみにしていました。

すると、宿泊の前日、三春屋さんの女将さんから電話が入ります。
「お客さん東京からだよね? こっち雪凄いから、来ない方が良いよ!」
えっ? 一瞬耳を疑いました。来ない方が良いって・・・
もちろん私は行く気でマンマンです。頑張って行きますと伝えたら、「もし立ち往生したら迎えに行きますから気を付けて」との事。
スタッドレスだけだとヤバいかな? と思い、トランクにチェーンも入れて出発。

結果、無事にたどり着けたんですけどね。
確かに凄い雪でした。途中の上り坂でタクシーが立ち往生していましたもん。
我ながらよくたどり着けたもんです。

肘折に行く度に思い出すんですよね。
「雪が降ってるから来ない方が良い!」
なんて宿に言われたのは、後にも先にもこの一度だけです。
受け取る人にとっては冷たく聞こえてしまうかも知れないこの言葉。私には最高に暖かい優しさを感じました。きっと本心から心配されてお電話下さったのでしょうね。

私にとって大切な思い出のひとつです。

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