単純硫黄泉
(効の湯源泉) – 詳細成分表未確認
岩手県岩手郡雫石町鴬宿第6地割9
019-695-2039
男女別内湯
200円
清掃時間は午前中?朝早くから 遅くまで可
鶯宿温泉街の中心にある、こじんまりとした旅館です。
是非とも立ち寄りたかった一湯で、夏に一度訪れているのですが、その時は清掃直後で入る事が出来ず悔し涙を飲んでいます。
今回は大丈夫かと不安を抱えながら再訪しましたが、無事入浴する事ができました!
内部は、外観からも想像出来る通りの、とても素朴で鄙びた造りをしています。
自炊で宿泊する人が多いのか、浴室に向かう途中、自由に使わせて貰えそうな台所なんかがありました。
聞いた話によると、一泊2000円程度で泊まれるみたいですね。
まさに価格破壊と言っても差し支え無いような金額設定で驚きです。
さて、お風呂は、お宿の玄関から薄暗くて細い階段を数階分降りた所にありました。
浴室は内湯のみで、男女混浴のものがひとつあるだけです。
脱衣所と浴室が一体になっている、まるで共同浴場のような素朴な造りで、この浴室までの素敵なアプローチと相まって不思議な風情を演出しています。
苔むして古びた浴室には、湯船がひとつあるだけです。
浴槽の底には岩と砂利が敷き詰められており、鹿児島の湯川内温泉「かじか荘」や、熊本の奴留湯温泉にある共同浴場を思い出します。
肝心のお湯の感触は、ほんのりと硫黄臭が漂う、無色透明で所々に白い湯花が舞うものです。
少し熱めに感じる程度ですが、ほぼ適温。強烈な個性はありませんが、浸かる程に成分が肌から沁み込んでいくような、とても気持ちが良いお湯です。
ちなみにこのお湯、なんと足元の岩の隙間から湧出しています!
おぉ、足元自噴!・・・と、言いたいところですが、どうやらそれは今は昔の話。
元々足元自噴のお風呂だったのですが、1km手前にあるけんじワールドをはじめとした新鶯宿温泉が掘削してお湯を揚げ始めた頃から湧出量が著しく低下してしまい、今では自噴分だけでは不足なので共有源泉を足すようになったのだとか。
う~ん、けんじワールド、残酷な事をするなぁ。
弱者に優しかった宮沢賢治も、これでは浮かばれまい・・・
残念ながら純粋な足元自噴ではありませんが、素晴らしい事には変わりが無い一湯です。
共有源泉を加えているとはいえ、多少でも独自源泉が混入している事は確かな訳で・・・
鶯宿温泉で湯巡りする際は外す事が出来ない一湯です。
いつの日か、昔のように共有源泉をブレンドせずに独自源泉だけで入浴出来る湯量が戻ってくれる事を願わずにはいられません。
2006-11/19
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