北海道豊富温泉

温泉ふれあいセンター (豊富温泉) ★5

最終入湯日 : 2008-7/18

ナトリウム-塩化物温泉
(R1A号井・R4号井混合) 31.8度 / ph7.7 / H9.7.7
Na+ = 3990 / K+ = 35.4 / MH4+ = 52.4 / Ca++ = 61.1
Mg++ = 32.2 / Fe++ = 1.3 / Cl- = 5447 / HCO3- = 1848
SO4– = 1.3 / CO3– = 14.1 / H2SiO3 = 33.3
HBO2 = 487 / CO2 = 62.3 / 成分総計 = 12070mg

北海道天塩郡豊富町字温泉
0162-82-1777
500円

今回の道北湯めぐりで、何はさておいても一番来たかったのがここ、豊富温泉です。
今まで色々な「アブラ臭」の温泉に入ってきましたが、ここ豊富温泉は、アブラ臭ではなく、アブラそのものだと言うではありませんか!
一体どんなお湯なのかと、ずっと気になっていましたが、念願叶いました!

たどり着いた豊富温泉は、なんだかとても寂れています。イメージ的に言うと、西部劇に出てくるゴーストタウンのようです。メインストリートが妙に広くて、人がいるのかいないのか分からないような建物がが左右に並んでいます。かつては栄えていたのでしょうか。
お土産屋さんや飲食店が数軒並んでいましたが、営業している風には見えませんでした。
今回目指す「ふれあいセンター」は、そんな少し寂しい街の中の中心部に位置しています。
果たしてやっているのかどうか、少し不安に感じましたが、ちゃんと営業をしていて胸を撫で下ろしました。

このふれあいセンターは、日帰り専門の施設です。
なんだかとても静かな街並みとは一変、中は多くの人で賑わっていました。
券売機のチケットで入浴料金を支払います。
浴室は2箇所あり、ひとつは一般用、もうひとつは、湯治用とあります。
廊下の案内板を見ると、一般用の説明には「強い油臭」と書かれており、湯治用には「濃いお湯」とあります。どちらも同じお湯だとは思いますが、この説明を見る限りでは、両方とも煽っているようにしか見えません。
恐らく湯治用の方がお湯は良いと思われるので、まずは一般用に行ってみました。

さて、その一般用浴室。内湯のみで男女別です。
入ってすぐに感じたのが、鼻をツーンと刺激するアブラ臭です。実に強烈な臭いで、頭がクラクラとしてきます。
入って左側が洗い場で、右側に広々とした湯船がありました。
湯船は縦に長く、脱衣所手前側がジャグジーで、湯口は奥の方にあります。

さて、そのお湯。茶褐色をした濁り湯です。お湯の臭いは期待通りのアブラ臭。
灯油をお湯に溶かしたような、揮発性の強い臭いがします。アブラ臭以外にも金気臭や臭素臭がするような気がしますが、全面的にアブラ臭にかき消され、「複雑なアブラ臭」としか表現出来ない、難しい臭いになっています。
一応土類+石膏系の証明か、洗い場が析出でガヂガヂになっていました。

肌触りですが、一言で言うと、アブラです。肌に湯膜が張って、にゅるにゅるします。お湯から上がると、肌ににゅるにゅるぺたぺたが残ります。
そのまんま、肌触りがアブラなのです。その証拠に、お湯の表面には虹彩色の油膜が張っていて、キラキラと輝いています。
そのほかにも、ところどころに、黒い不気味な湯花が浮いています。
洗い場を歩くときも注意が必要で、にゅるにゅる滑ります。一歩一歩踏みしめるように歩かないと、つるりと滑って転びそうです。
よく、羽根沢や丸進別館、戸倉のように、ツルツルしたりにゅるにゅるするお湯がありますが、ここのにゅるにゅるはそれらとはまったく別物で、そのまんま、アブラ由来なのです。噂には聞いていましたが、これには驚きました!

続いて、湯治用の浴室。
一般用の方が空いていたのに比べて、こちらは多くの人が利用しています。
別に、私は湯治に来ている訳ではありませんが、利用する分には問題ありません。
ただ、本当に湯治が目的で来られている方もいるようで、ちょっとだけ申し訳ない気もします・・・

こちらには湯船が2つ。入って左手側が温泉 で、右側は沸かしの非温泉です。
早速左側の温泉に浸かってみる。手すりがあったので、それを掴んで体重を支えようとしたところ、手すりについたアブラでにゅるりとすべり、危うく湯船にダイビングするところでした。
豊富のお湯ならではで、改めて妙チクリンなお湯だと痛感しましたが、この手すり、まるでトラップです。かえって危ない気がします・・・

お湯は一般浴槽に張られている物と同じです。
ただ、こちらの方が温めなので、ずっとお湯に浸かっている事が出来そうです。
肌触りなどの印象は一般浴槽の物と変わりがありませんが、油膜の量は控えめで、心なしか、劣化しているような印象を受けます。
恐らく利用者が多いせいでしょうか。たいして広くも無い湯船に、私を含めて、10人も入っていました。
一般浴槽の方はほとんどガラガラだったので、この盛況ぶりには驚きです。
個人的には、一般浴槽の方が印象良かったかな。朝一番で鮮度の良いお湯に入る事が出来たならば、受ける印象も違ったと思うんですけどね。

噂にたがわぬ、凄まじい個性的なお湯で、本当に驚きました。
このお湯に入る為だけに、道北に来る価値があります。
かつてはもっと濃かったなんて話も聞きますので、その頃は一体どんなだったのか、興味がありますが、私が入ったお湯だって、十分過ぎるほどに特徴的です。
「豊富は一度だけ行けば良いや」なんて思っていましたが、なんのなんの・・・ 是非ともまた再訪したいです。来年とかは無理だろうから、5年後とか、、、かな?
その頃どうなっているのか、今から楽しみでなりません。
道北の辺鄙な所にありますが、万難を排してでも行く価値があると思った一湯でした!

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