滝の湯 ・ 河原の湯(那須湯本温泉)



最終入湯日 : 2005-4/9
訪れた回数 : 1回

場 所
栃木県那須郡那須町湯本
泉質
酸性硫黄泉 (どちらも「行人の湯」源泉)
風呂の種類
男女別 内湯
電話
無し
料金
無料 (関係者以外使用禁止)

  − 那須温泉 −

温泉好きでなくとも、「那須」の名前は聞いたことがあると思います。
明治の時代には那須七湯とも言われ、それぞれ「鹿の湯」「弁天温泉」「北温泉」「大丸温泉」「高雄温泉」「板室温泉」「三斗小屋温泉」を指す。いずれも名 湯と名高い。
周辺には温泉だけでなく、娯楽施設やレストランなどが数多くある高原リゾート地。





那須湯本には、共同浴場が3箇所あります。
一つは、言わずと知れた、「共同浴場 鹿の湯」。那須を代表する温泉施設であり、
数多くの旅行雑誌等で紹介される、とても有名な所です。
しかし、「じゃあ、残りの2箇所は?」と聞かれると、鹿の湯を頻繁に利用する人でも、
意外と答えられない人が結構いるのでははないでしょうか?

答えは、「滝の湯」と「河原の湯」です。ここは言葉通りの「共同浴場」で、主に地元の
人たちと、その関係者のみが、鍵を使って中に入り、無料で利用出来る所です。
同じ共同浴場でも、先客万来な草津や、料金を払えば誰でも利用出来る「鹿の湯」とは
根本的に違う、とても敷居の高いところです。
しかし、「観光客は地元住人と仲良くならなければ入れないの?」と言うと、そんな事は
無く、那須湯本の民宿に宿泊をすれば、鍵を借りる事が出来ます。宿に滞在中は、
その宿にとっての「関係者」という理屈ですね。
また、この辺りの民宿には、宿に内湯を引いていない所も多く、「お風呂は外で」という、
通い湯の風習がそのまま残っているとも言えます。
かくいう私も、那須には親戚や友人がいない為、民宿に宿泊をして鍵を借りました。



 河 原の湯
★★★★
4.5



まず最初に入ったのは、「河原の湯」
普通に那須湯本をふらふら歩いていたのでは、なかなか見つける
事が出来ない、ちょと奥まった所にあります。
一番分かりやすい行き方は、「共同浴場 鹿の湯」から民宿街を
下り、300メートル程行った左手。
とても地味な外見なので、ウッカリすると通り過ぎてしまいそうです。

早速、民宿で借りた鍵を使って中に入る。
ちなみにこの鍵、以前までは温泉成分で真っ黒に錆びた、年季を感じる鍵
だったそうですが、今では右写真のような、非接触型の電子キーになっています。
扉脇にあるセンサーに鍵をかざすと、自動でロックは外れます。
共同浴場の造りそのものはとても古いので、妙な違和感を覚える。
木の札みたいなのが鍵になっていると、風情あって楽しい、とか、勝手な事を
思うのですが・・・
地元の人にとっては日常的に使うお風呂。風情よりも実用重視なんでしょうね。
これならば出入りが楽だし、部外者が合鍵を作る事を防ぐ事が出来そうです。
(機械が硫化水素で壊れないか心配ですが・・・)



中に入ると、脱衣所に湯上りのオジサンが一人。私の事を見て、「こんばんわ」と声を
掛けてくれました。私も「お邪魔します」と返事をする。
浴衣を脱いで脱衣棚に放り込み、入浴の準備をしていると、そのオジサン、「ごゆっくり
どうぞ」と言って出て行く。私は「おやすみなさい」と言って、オジサンを見送った。
どうやら地元の人っぽいです。別に挨拶以上の会話をした訳ではありませんが、「隣に
いてもお互い無口」な、都会的な冷たさの無い、ほんわかとした挨拶が妙に心地よい。


↑クリックで写真を拡大出来ます

さて、浴槽ですが、檜造りの湯船が2つあ る、いかにも那須湯本の湯治場といった
感じの、とても風情があるものです。
手前が41度前後のぬるめのお湯で、真っ白に濁っています。
奥の湯船は43度で僅かに熱め。熱くてお湯の劣化が少ない分、白濁の度合いは
手前のものに比べると薄いです。
どちらも硫黄臭プンプンの良いお湯です。

源泉は「行人の湯」です。共同浴場の「鹿の湯」や、雲海閣、新小松屋などの内湯は、
「行人の湯」と「鹿の湯」の源泉を混合しているのですが、ここでは「行人の湯」のみを
味わう事が出来ます。
とは言え、2つの源泉の湧出場所も数メートルしか離れていないそうですし、
違いは殆ど分からず、とにかく「濃くて良いお湯!」でした。




 滝 の湯
★★★★ 4.0



次に、宿へ帰る道すがら、共同浴場「滝の湯」に立ち寄る。
こちらも、民宿街の真中にあり、あまり観光客が通るような
所では無いのですが、とても立派な湯屋建築で、目の前を
通れば気が付くと思います。

こちらも河原の湯と同じ鍵を使って入ります。
河原の湯に比べて建物が立派なせいか、滝の湯の方が多くの
人が出入りしていました。

脱衣所は河原の湯よりも一回り大きな造りをしており、トイレもあります。
浴室には、河原の湯と同じく2つの浴槽があり、手前が温め、奥が熱めです。白濁の
度合いも河原の湯と同じで、温い方が真っ白で、熱い方は薄白く濁っています。
浴槽そのものの大きさは河原の湯と変わらないのですが、洗い場の面積が広く、浴室
全体が広々としています。

さて、肝心のお湯ですが、湯口が2本あり、 片方からは熱いお湯、もう片方
からは温いお湯が注がれています。口に含んでみると、どちらも僅かな酸味と
苦味を感じる温泉。
後から聞いた話だと、温い方は一度貯水タンクに溜め置きをし、温度を下げて
から掛け流しているそうです。
脱衣所の効能書きには、源泉が「行人の湯」とありますが、直前に入った
河原の湯と比べると、かなり薄く感じます。硫黄臭も若干少なめで、加水されて
いるかのような力の無さ。この日だけたまたまなのか、もしくは、貯水タンクで
冷やした事による弊害なのか・・・
別源泉を利用しているのでは無いかと疑いたくなる程です。
(新小松屋の主人曰く、「滝の湯」源泉だそうですが、浴場に張られた成分表
にはしっかりと「行人の湯」と書かれていました。真相やいかに!?)
それでも良いお湯には違い無いのですが、那須湯本は他が良すぎるだけに、
ちょっと見劣りしてしまいました。


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ところでここ、カランなどは無く、その代わ りに体を洗うためと
思われる上がり湯があります。
この上がり湯、浴槽には注がれる事が無く、洗い場の床に掛け流
されているのですが、熱湯とぬる湯をミックスする過程がカラクリ
仕掛けのようで面白い。
こちらは浴槽に注がれているお湯に比べると、随分とぬるいお湯です。
口に含むと・・・ 矢張り薄い。
苦味も酸味も僅かに感じる程度で、ある意味、「飲むに適したお湯」です。
(那須湯本のお湯は酸性値が強く、とても濃いので、基本的には
飲泉不可です。飲みたい方は、自己責任でどうぞ。)





滝の湯と河原の湯。
お湯の質だけを比較すると、どうしても河原の湯を支持したくなるのですが、基本的にはどちらも
とても良いお風呂です。ガツンと効能を感じる河原の湯と、湯上りサッパリ、肌にも優しそうな
滝の湯。民宿に宿泊しなければ入れない、とても貴重な入浴施設です。
もし那須湯本の民宿に泊まる機会があれば、是非とも両方とも入ってみる事を強くオススメします。