野沢温泉 共同浴場巡り その壱



野沢温泉は、長野県の北部、新潟との県境がすぐ傍にある 温 泉地です。
温泉と聞いて、あまりピンと来ない方も多いでしょうが、野沢菜漬と聞いて知らない人はいないのではないでしょうか?野沢温泉は、野沢菜漬の発祥の地でもあ ります。
また、冬には雪が積もる豪雪地帯で、スキー場としても比較的有名です。

野沢温泉には、13の共同浴場があり、地元の方達が利用されています。宿泊者に限り、寸志で入浴出来る為、気軽に湯巡りを楽しむ事が出来ます。
泉質はどこもアルカリ性の硫黄泉ですが、それぞれの共同浴場微妙に異なる源泉を使用しており、温泉初心者でも気軽に利き酒ならぬ、利き温泉が楽しめます。
また、硫黄泉にありがちな酸性泉ではありませんので、肌が弱い方でも大丈夫です。

さて、前置きが長くなりましたが、
2004年11月13日〜14日の一泊二日で、野沢温泉の民宿「リゾートイン・あべ」さ んにお世話になり、共同湯巡りの拠点として使わせていただきました。馬刺しが美味しく、安価で泊まれる民宿です。
今回の旅では、全13箇所のうち8箇所しか入っていませんが、ここではその8箇所分のレポートをさせて頂きます。
今回入れなかった分は、いずれ機会を見つけて再び野沢温泉へ行き、入りたいと
思います。



今回宿泊した民宿、「リゾートインあべ」から徒歩1分で、一番近い所に
ある共同浴場です。初日の夕食前に一風呂浴びてきました。

源泉は茹釜と下釜の混合との事で、浴槽内には僅かな硫黄臭いが漂います。
お湯は透明で、所々白い湯の花が舞っていました。源泉温度はかなり高い
らしく、そのままでは入れない為、水道水で加水しています。源泉を桶に
取って口に含んでみると、硫黄独特の臭いと苦味が口の中に広がりました。

この新田の湯は、男女別内湯の他に、「洗濯場」があります。文字通りの
洗濯場で、地元の人たちが服を洗う為に使っているようです。見た目が
浴槽で、お湯も温めで入ると気持ちよさそうですが、あくまで洗濯をする
場所なので、間違っ
て入らないようにしましょう。
新田の 湯(しんでんのゆ)
★★★ 

横落の 湯(よこちのゆ)  ★★★

初日の夕食後に入浴しました。中央ターミナル傍にある信号の脇、民宿組合の地下にある共同浴場です。目立たない地味な所にあり、所謂「温泉」としての情緒 よりも「銭湯」といった風情で、地元の人が多く利用していました。
地域住民の憩いの場、これぞまさしく共同浴場です。
お湯は新田の湯と同じで、茹釜と下釜の混合です。矢張り熱すぎる為に加水しています。たまたまかも知れませんが、新田の湯に比べて湯の花が少なく、あっさ りとした感じでした。
風呂から出て彼女を待っていると、地元の人と思われるオバチャンに話し掛けられました。私が持っていたケロリンの白桶を見て、「あら、用意が良いわね。」 「良いお湯だったでしょ?」との事。たった二言三言の会話でしたが、そんな地元の方々との触れ合を通じ、お湯以外にも暖められる、とても気持ちの良いお風 呂でした。


余談ですが、この横落の湯、いついっても常に人がいて、なかなか浴槽内の
写真が撮れません。^^;



初日の夕食後、横落の湯の次に入浴。温泉街の北側に位置し、
ちょっと坂を登った所にあります。夜も9時過ぎにお邪魔したので、
周囲は暗く、建物もあまり目立たない為、地図を片手に探さないと
見つけることは困難と思われます。
まず入ると、脱衣所と浴槽が分かれていなくて驚きます。ただ、
考えようによっては、脱いだ服等を始終見張りながら入る事が出来、
多少の貴重品を持ってきていても安心です。
(勿論お勧めはしませんし、強奪されても自己責任です。)

肝心のお湯は、何と、メロンクリームソーダみたいな緑白濁です。
まるでバスクリンを入れたような不自然さ。でも、入ってみると
気持ちの良いお湯で、硫黄の臭いがぷんぷんします。
消しゴムのカスみたいな黒い湯の花が沢山舞っていて、温泉の濃さ
が伺えます。源泉は真湯で、55度と非常に熱いです。

この後、他の共同湯にも入りましたが、今のところココが一番の
お気に入りです。

(写真は2度目に入浴をした際のものです。この時は濁っていませんでしたが、大量の黒い湯花は健在で、しっかりと濃い良泉でした。)

(し んゆ)   ★★★★

(お おゆ)   ★★★★

真湯の次に入りました。初日に立ち寄った最後の共同湯です。
温泉街の中心地にあり、野沢温泉のシンボル的な存在で、建物は
歴史を感じる美しい湯屋です。とても広い浴室なのですが、ここも
真湯と同じく、脱衣所と浴室が一体です。
外から眺めるだけでなく、中の作りもなかなか趣があり、これぞ温泉
という雰囲気がとても良いです。
普段はとても混んでいるとの話ですが、私が訪れた時は夜の10時過ぎ
という事もあり、貸切状態でした。

お湯ですが、大湯源泉の単純硫黄泉で、クリアな薄緑色をしています。
二つある浴槽は、片方が熱めでもう片方が温め・・・の筈ですが、どちらも
強烈に熱かったです。まず、足だけ入って熱さで動けなくなり、それでも
意地で肩まで浸かったのですが、10秒と浸かってられず、飛び出すように
出てしまいました。まるで熱湯コマーシャル。
仕方が無いので、掛け湯で細々と楽しみました。



二日目最初の入浴。宿をチェックアウトした後に入りました。
麻釜の源泉の更に上にあり、温泉街からも距離が離れている為、
地図を片手に探さないと分からない場所にあります。
午前11時頃に入ったのですが、時間が悪かったのか、立地が悪かった
のか、貸切状態で入浴が出来ました。
こじんまりとした建物ですが、なかなか趣があります。
ここも他の共同浴場と同じ、脱衣所と浴室一体型です。

源泉は「滝の湯」との事で、昨日訪れた大湯と同じような薄緑色をした
単純硫黄泉で、所々黒い湯花が舞っています。
源泉の温度は78度で高温の為、湯口と浴槽脇の二箇所に水道水の
蛇口があり、常に加水されています。
源泉だけにして飲んでみたのですが、とにかく熱い!味はほのかな
苦味のある硫黄味で、まるでお茶を飲んでいるようでした。

の 湯(たきのゆ)   ★★★


麻釜(あ さがまゆ)   ★★★

二日目、滝の湯の次に入浴。麻釜(おがま)源泉から一本道を下ったところに
ある麻釜(あさがま)湯です。同じ「麻釜」と書いて、源泉と共同浴場では
読み方が違うらしいけど、住民の方々はちゃんと区別しているのだろうか。

ここも脱衣所と浴室が一体です。小さめな共同浴場で、恐らく地元の人が
多く使うお風呂なのでしょう。男性風呂は貸切状態でしたが、女性風呂から
地元の方と思われるオバチャンの声が聞こえていました。

お湯は麻釜の下釜源泉との事で、86度と高温の為、加水で温度調整して
います。ほんのり硫黄の香りが漂うお湯で、白い湯花が舞っていました。
朝の光が湯面に辺り、乱反射してとても綺麗でした。



麻釜湯の次に入浴。温泉街の中心地、大湯からすぐ傍にあり、
こじんまりとした美しい湯屋建築が目を引きます。こちらも大湯と
並んで、観光客に人気の共同浴場です。
脱衣所浴室一体型で、浴槽はタイル張りで5・6人が入れるゆったり
とした物。

源泉は河原湯で、60度近くあり、そのままでは熱いので加水して
温度調整をしている。
お湯は薄緑色をしていて、ほのかな硫黄の臭いが心地良い。
浴槽の脇に、浄場と書かれた、手洗い場のようなスペースがある。
飲泉用と思われるコップが置いてあり、飲んでみた所、ちょっと
苦味のある硫黄味と、若干の塩分を感じた。

ここに限らずだが、野沢温泉の共同湯はどこもとても熱い。
長湯は出来そうにないが、さっと入ってさっと出る。そして、次の
共同浴場に向かう道中、ゆっくり体を冷ましながら、ちょうど冷えた
頃に、また熱いお湯に入る。とても疲れるが、身が引き締まる
ような気がして心地良い。

河原(か わらゆ)    ★★★


十王堂の 湯(じゅうおうどうのゆ)
★★★★  

二日目最後に訪れたのは、温泉街を少し外れた所にある共同湯、
十王堂の湯です。
コンクリ2階建ての建物で、下が女湯と洗濯場、上が男湯になっている。
観光客の数が比較的少なく、地元の方が多く利用されているとの事です。

ここも他の共同浴場と同じ、脱衣所浴室一体型です。脱いだ服を入れる棚と
浴槽が近く、掛け湯をする時など、服が濡れないように少し気を使います。
浴槽は広く、7・8人がゆったり入れそうな大きさ。麻釜と湯ノ宮を源泉にして
いるというお湯は、薄緑色で黒い湯花が舞い、ほのかな硫黄臭がします。

面白い事にこのお湯、入り始めは薄緑色で透明だったのですが、5分後には
白濁し、最終的には左写真のように青白く濁ってしまいました。
その後立ち寄った、十王堂傍にある八百屋のお婆ちゃんにその話をした所、
自然現象でたまにそういう事があるとの事です。
どうも、2種類の源泉を使用している事も関係しているらしいですが、詳しく
までは分かりませんでした。珍しい瞬間を見ることが出来て、とてもラッキー
だったみたいですね。
ちなみに、彼女も女湯に入っていたのですが、女湯でも同じようにいきなり
濁ったとの事です。

突然色が変わる不思議な湯。お湯の質もとても良く、真湯の次に気に
入りました!



野沢温泉 共同浴場巡り その弐