井筒屋 (岩塙鉱泉)
★★★★ 4.0

最終入湯日 : 2010-1/10
訪れた回数 : 1回

場 所
茨城県北茨城市関本町福田1481
電 話 0293-46-3270
風 呂の種類
混浴内湯
料 金
600円
営 業時間
要確認





飲 泉
循 環
塩 素
加 温
加 水





 
泉質不明 (冷鉱泉)




北茨城には、鉱泉が数多く点在しています。調べてみると、その多くがとても鄙びており、
興味をそそる所ばかりです。
その中でも、特に興味が沸いたのが、ここ、岩塙鉱泉の井筒屋さんです。
ネットで調べる限り、他と比べても群を抜いて鄙びているのです。これは是非と思い、
行って見ました。

その岩塙鉱泉井筒屋さん。国道6号線から脇に入って、少し走った先にあります。
予め入念に下調べしていたので、迷わずに到着しましたが、実に分かりにくいです。
なんと、この井筒屋さん、看板が無いのです。そのうえ、外観を見る限りでは、民家との
区別がつきません。もしも普通に道を走っていて、これが温泉だと分かった人がいれば、
その人には温泉の神様が味方についています。下手なジモ専よりも見つけるのが難しい
です。

さて、たどり着いて、早速お風呂といきたい所でしたが、ここには内湯がひとつあるだ
けで、混浴になっています。お風呂を覗くと、先客が1名。
私だけであれば、問題なく入れるのですが、この時は紅鮭が一緒だったので、その先客
の方が出るまで、車の中で待たせて頂きました。
暫く待っていると、その先客の方が出るより早く、軽トラに乗ったおじさんが登場。
あらまぁ・・・

でも、元々混浴なのだし、今日はここを最後にする予定で、時間もたっぷりあります。
我侭は言うまいと、大人しく車で待っていようとした所、私たちに気付いたおじさんが
話しかけてきてくれました。
何でも、今入っている先客の人は、いつも来る人だそうで、まだ暫く掛かりそう。先客の
人が出たら一緒に出るから、先に入るね。ちょっと待っていてね、との事です。
私が、ゆっくり入って下さいと言うと、おじさん、「でも折角遠くから来たんでしょ?」
「ウチらはいつでも入れるんだから、良いよ良いよ!」と仰って下さいました。
ついでに、車の中では寒かろうと、休憩室に案内して下さいました。
あぁ、なんて素敵な方なのでしょう。お風呂に入る前に、心が温まってしまいました。
そして、休憩所で待つこと20分。あれ? 予想より全然早く、軽トラのおじさんと先客の
お爺さんが出てきました。開いたからどうぞ言われたので、何度もお礼を言って、お風呂へ。

湯小屋は母屋の離れにあります。かなりの年季が入っており、床がミシミシと軋むのが分か
ります。ハッキリ言って、かなり古いです。もう何十年もこのままなのでしょう。
綺麗でお洒落な所が好きな人には、間違ってもオススメ出来そうにありません。
でも、新しい物は幾らでも造れますが、古い物が古いままにあると言うのは、本当に貴重です。
軋む床、埃だらけの天井、草臥れた脱衣所、どれを取っても、今まで積み重ねてきた歴史を感
じます。単にボロいだけと感じるかどうかは、人それぞれ。私は勿論、大好きです。
良く見ると、元々は男女別だったようで、もうひとつ浴室がありました。賑やかだった頃も
あるのでしょうか・・・?



浴室も実に渋いです。脱衣所から数段降りる 形になっており、細長い浴室に
小さな湯船がひとつ、ポツンと佇んでいました。
既に日が落ち、浴室を照らす灯りは、裸電球ひとつだけです。
なんかお化けが出そうな感じです。
でも、きっとお化けが出たとしても、ここに出るお化けは、親切なお爺ちゃんだと
思います。この風景に似合うのは、笑い皺で顔がしわくちゃな、少し浅黒く焼け
たお爺ちゃんです。私みたいな、肌が白い若造が入ると、このお風呂にの風情
が少し失われるような気がしてなりません。

さて、そのお湯。薄暗いのでハッキリとは観察出来ませんが、ごく僅かに濁って見えます。
掛け湯をしたところ・・・ 凄く熱いっ!
推定52度。必死にかき混ぜても50度超え。掛け湯すら無理です。ものの5分前に出た2人は、
こんな熱湯に入っていたのだろうか!?
でも、こんな熱いお湯、無理な物は無理。ふと見ると、蛇口発見。捻ると、冷たい鉱泉がドバ
ドバと出てきました。ツンと鼻を突くような金気臭と微硫黄臭を感じます。湯口の源泉を口に
含むと、強い鉄錆味を感じます。実に不味い。なかなか特徴的です。
これを全力で湯船に投入。暫くすると、46度くらいまで下がったので、源泉の蛇口を止めて、
湯船に身を沈めました。

ふ〜・・・
体が冷えていたので、最初かなり熱く感じましたが、馴染んで来るとなかなか良い
お湯です。肌触りは強いキシキシ系です。金気臭を感じるお湯で、それ以外にも、
硫黄崩れの臭いが混じります。
気のせいか、ごく僅かな薬臭(塩素臭ではない)もあります。
結構特徴的な鉱泉です。
ただでさえ狭い湯船ですが、一部が浅くなっているので、紅鮭と一緒に2人で入ろ
うとすると、かなり窮屈です。
一応混浴とは言え、貸切でないと、男同士でも辛いかもです。

と、そんな観察をしながら、モノの3分後。熱くて湯船から飛び出している私がいました。
何だか、凄い勢いでお湯が熱くなっていくのです。
実はこのお風呂、薪で沸かしているのですね。裏でご主人が薪を全力投入でもしているので
しょうか。凄い勢いで浴槽内の温度が上がっていきます。
結局、再度源泉蛇口を捻り、鉱泉を注ぎ足して温度調整をしながら入浴しました。
何とも贅沢な入り方ですね!

利用時間にして、およそ30分。そろそろ上がらなければと、お風呂から出て、ふと母屋の
休憩所を見ると、先ほど私に声を掛けてくれた、軽トラで来たオジサンが休んでいました。
「もっとゆっくり入っていれば良かったのに!」と、オジサン。なんと、先ほどは先客の
お爺さんと一緒に出たのは、私たちの為で、もう一度入る為に私たちが出るのを待っていた
ようです。これは申し訳ない事を・・・
「またいらっしゃいね!」と、オジサン。こんなに親切にされてしまうと、申し訳なくて、
かえって行き辛い程です。

もしもまた来る機会があったら、休憩所に置くみかんでも持参して来ようかな。
お湯や、施設全体の雰囲気に加えて、親切なオジサンのお陰で、とれも良い思い出になった、
素晴らしい一湯でした!