観音の湯 (新 中之条温泉
★★★★ 4.0

最終入湯日 : 2007-5/27
訪れた回数 : 1回

場 所
群馬県吾妻郡中之条町大字蟻川45
電 話 0279-75-2478
風 呂の種類
男女別内湯
料 金
2007年 5月いっぱいで閉鎖しました
営 業時間
閉鎖





飲 泉
循 環
塩 素
加 温
加 水





 
アルカリ性単純温泉
(観音の湯)  33度 / ph8.9 / 掘削自噴 / H11.1.12
Na+ = 41.1 / Ca++ = 20.5 / Cl- = 44.8 / SO4-- = 58.9
H2SiO3 = 28 / 成分総計 = 210mg






名前の通り、中之条にある温泉です。今まで話に聞いた事はあっても、実際に行く事は
ありませんでした。
そんな最中、2007年の5月いっぱいで閉鎖されると言う情報を聞きつけ・・・
無くなってしまう前にと、急遽訪れる事にしました。
ちょっと鄙びた、小ぢんまりとした温泉です。かつては旅館を営んでおり、宿泊出来たそう
ですが、私が訪れた時は日帰り入浴だけしか受付けていませんでした。
とても目立たない建物で、ナビの案内に従って来たにも関わらず、気付かずに目の前を
通過してしまいました。

内部は、とても使い込まれた感じがするものです。
昔は旅館の受付だったと思われる玄関先には、地元で取れた野菜や、パック詰めの蕎麦
などが売られています。入浴ついでに地元の方が買って帰るのでしょうか。



すぐ隣は、かつて旅館大広間だったと思われ る畳部屋で、今は湯上りの
休憩所になっています。休憩所の一角には、ココの屋号と関係があると
思われる観音様が祀られていました。
どなたかがお線香をあげているようで、休憩所はお線香の香りで充満
しています。
なんだか、お婆ちゃんの家に帰ってきたような、妙に落ち着ける空間です。
お風呂はその休憩所一角に入り口があり、男女別、それぞれに内湯が
あるのみでした。

浴室は思いのほか広々としており、とても大 きなガラスが2面に使われて
おり、とても採光が良くて明るいです。
窓の向こうには新緑と遠くに山並みを眺める事ができ、浴室内にも植物が
置かれ、まるで露天にいるかのような清々しい開放感を味わう事が出来ます。
造りは、手前に洗い場があって、奥が湯船と言う、どこにでもあるシンプルな
ものです。
しかし、湯船は15人以上でもゆったりと入る事が出来る特大サイズ。ちゃんと
手入れがされていて清潔そのものです。
浴槽の縁には木の板が張られており、張り替えられたばかりのような、木目
の美しい明るい色をしていました。

細かい所を見れば、所々に使い古されたような年季も感じますが・・・
これが今月一杯で廃業してしまうお風呂とは到底考えられません。
もっとボロボロで、「こりゃあ、閉鎖するのも無理ないわ!」的な所を想像して
いましたが、全くそんな感じがしないものでした。


さて、お湯。無色透明のものが掛け流しにされています。
臭いにこれと言った特徴は無く、無臭。湯口のお湯を口に含みましたが、幾ら
味わっても何も味がしない、実に美味しい水って感じです。
浴槽に張られたお湯も、湯花や濁りが一切無く、ゴミなども浮いていません。
このまま飲んでも大丈夫そうな程に澄んだ、とても綺麗なものです。
温度は42度くらいでしょうか、ほぼ適温です。とても柔らかい感触があり、若干
ツルツルする肌触りがありました。
所謂温泉的な特徴は乏しいですが、利用者が少ないせいでしょうか、鮮度が
非常に高く、不快な塩素臭などもしないので、妙に落ち着きます。


 



広い浴室に利用者は私ひとり。お湯にプカプ カと体を浮かべていると、
体がお湯に馴染んで行くのが分かります。
お湯に優しく包み込まれながら入っていると、時が経つのを思わず
忘れてしまいます。
単純温泉なのですが、こんなに気持ち良いのは珍しいかも知れません。
ちょっと疲れたら浴槽縁の木の上でゴロンとなり、また入りたくなったら
寝返りを打つようにドボンと浸かり・・・
そんな事を繰り返しながら、別れを惜しむように、幸せな時間を過ごし
ました。


これほどまでに素晴らしいお湯なのに、何故今まで気が付いてあげられなかったの
だろうか。
今まで素通りしてしまっていた事に、少し後悔を覚えました。
私にとっては最初で最後の入浴となってしまった訳ですが、今まで本当にありがとうと
言う気持ちで一杯です。
是非、何かのキッカケで再開してくれる事を願ってやまない一湯です。